僕は密かにグルメツイッタラーの紹介するレストランを楽しみにしている。
中でも伊藤初美さんはとても有名なグルメブロガーで、東京グルメサロンと呼ばれるグルメが集まるサロンを主宰するようなお方だ。
男子のみなさんへ。デートの勝率を上げるエロいカウンターはこちら😌
— 伊藤初美(ハツ)東京グルメサロン主宰 (@hatsu823) 2019年2月6日
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・小野木#エロい店
最近、ハツさんがデートの勝率を上げるエロいカウンターの店を紹介してくれていた。
僕はこの情報は絶対に見逃してはいけないとツイ消しに備え必死にメモを取り、食べログで検索してみた。
しかしなんだろうこの違和感は。
これは決してハツさんをディスるとか、ダメ出しする意図はないし、紹介されているレストランはどれも本当に美味しそうだ。
しかし、ハツさんが紹介している「勝率を上げるレストラン」は身も心も許した愛する彼女と行くべき店であり、勝利を目指す侍が目指す場所ではないと思うのだ。
一つ一つのレストランの場所はググってほしいのだが、ハツさんが「勝負デート向け」としているレストランは立地の都合が良くないものが多い。
こういうことを書くと怒られるかもしれないが、男たるもの、デートに行くなら「その先の展開」を期待するものである。
ハツさんが紹介するレストランは六本木、広尾、赤羽橋が主で、近くにホテルがないのだ。
これはハツさんが間違っているとか悪いとかいうわけではなく、男女の視点の違いなのだと思う。
六本木や広尾の美味しくてオシャレなレストランは、愛する彼女と行くには素晴らしいお店で、
彼女としても雰囲気の良いレストランで美味しい料理を食べたらいつも以上に“その気”になってしまうものだろう。
ハツさんチョイスの店は、恋人とのデート仕様にチューニングされているのだ。
男からすると、それは「勝負」するものではなく、「癒やし」とか「幸せ」のための時間である。
勝負するべきは初回あるいは二回目のデートだ。
数を重ねすぎるとそれはもう勝負ではない。惰性であり、消化試合だ。
では勝負デートに使うレストランに必要な条件は何か。
ひとつ目は、雰囲気が適度に暗めなところだ。
ギラギラに明るい店では気分が高まらない。
電気屋の白い蛍光灯の下でキスしたくなるカップルはいないだろう。
気分が高まらないということは、恋に発展しづらいということでもある。
暗い照明は七難隠してくれるのだ。初期のデートに重宝する。
条件のふたつ目は、できれば横並びにしたい点である。
こういうことを書くと「初回からいきなり横並びは嫌よ!」と女子垢に怒られがちなのだが、僕の長年の経験から判断するに、親密度を上げるには横並びのほうがいい。
古来、人間同士が正面から向き合うということは「対決」を意味した。
将棋の対局もサッカーの試合も、対戦相手は正面に位置する。
しかし勝負デートは闘いではない。
親密な関係を築くためにあるのだ。
横に並ぼう。
横にいる人間は少なくとも敵ではない。
愛はやはり、同じ方向を向いて育むものなのだ。
私のようなキモいおじさんが横に並んだら不快なだけかもしれないが、「横並びの距離感」は互いの心の距離をも縮める可能性が高い。
できれば横に並ぼう。
横並びは下心だけではない。親密になりたいという意思表示でもあるのだ。
みっつ目は、少し露骨になるが、「その先の展開の準備」があった方がいい。
もしラッキーが起こり、とても良い雰囲気になったとして。
六本木から広尾からわざわざ渋谷までタクシーに乗れというのか。
タクシーの運転手に「道玄坂までお願いします」と伝えるのか。
初回のデートでそれは辛いだろう。
会社が遊びじゃねぇように、デートも遊びではないのだ。
シュートを打つなら、そこにゴールがなければならない。
チャンスボールを掴み、完璧なシチュエーションでシュートを打つ場面がきたときに、立っていたのがお台場とかだったらどうだろう。
「そこには空しかなかった」
である。
我々は空に向かってシュートを打つのではなく、ゴールに向かってシュートを打たなければならない。
「その先にいくこと」がゴールと言いたいわけではない。
むしろスタートラインである。
人間、何事も準備が必要だ。
プレゼンテーションで予期せぬ質問にもスムーズに応えられるように準備するように、デートの予期せぬハプニングにも対応できるよう、入念に準備するべきだ。
ハツさんがおすすめするような美味しいレストランは、親密な関係になってから手をつないで向かうのが望ましいのである。
初対面でまだお互いのことがわからず気を遣うような関係であれば、料理の味に集中するのは難しいだろう。
初回のデートは仲良くなることに集中しよう。
物事には何事も順序が大事なのだ。