映画が終わり、劇場にライトが点いた瞬間、腐女子と思われる二人組が悲鳴を上げた。
「か、か、か、カッコいい〜〜♡♡」
一瞬何が起こったのかよくわからなかったが、興奮冷めやらぬ気配で、腐女子が安室の魅力を語っていたのだ。
彼女たちが愛する安室は奈美恵ではない。透である。
「安室さんはね、悪いことを企むときは目が輝いていないの。
正義を語るときは目が輝いてるんだよ」
早口で安室の秘密をまくし立てる彼女は、何か特別で大切な何かを打ち明けたかのような表情をしていた。
映画の最後に白いタキシードに仮面をかぶった男が出てきて、
「来年もまた会おう」
的なことを言っていた。
たぶんコイツ。
それを思い出したのだろう。
腐女子は、
「来年のゴールデンウィークまで待てない〜はあああ♡」
と恍惚の表情を浮かべていた。
こんなに想われて、コナンもきっと幸せだろう。
この白いタキシードの男は新一だろうか?
僕には正体がわからない。
さて、今日僕が観たのは夜のコナンである。
劇場版コナンは、昼と夜で表情を変える。
昼の『コナン』は少年・少女が手に汗握りながらコナンを応援するが、
夜の『コナン』は腐女子が安室を愛でる会なのである。
客層を見ても、7〜8割は女子で、カップルが少しいて、おっさんは僕だけであった。
恐るべき安室人気である。
さて、この腐女子に人気の安室だが、正直何者なのか全くわからない。
というのも、僕のコナンの知識は小学生の頃で止まっていて、正直な感想を言うと、
2018年になってもまだ新一に戻っていないのかと。
お前はいつまで子供なのかと。
逆に驚いているくらいである。
手に汗握りながらコナンを見ていた子供たちはやがて大人になり、いやむしろおっさんになり、
身体は大人、頭脳は子供
と悪口を言われながら、2018年を生きている。
いつまでも身体が子供でいられるコナンが羨ましいぜバーロー......
そんなわけで、2018年時点のコナンの設定がよくわからんのである。
安室については、映画のプロローグでわずかながら紹介されていた。
特徴を一覧にするとこんな感じ。
- 黒ずくめの男たちの仲間であり
- 公安警察の一員であり
- 毛利探偵事務所の下で喫茶店を営んでおり
- 運転が上手い
なんか色々やっていて、良い奴なのか悪い奴なのかがよくわからない。
家のパソコンで軽く検索したところ、彼は黒の組織で「バーボン」と呼ばれていて、何らかのきっかけでバーボンと安室のスイッチが変わるらしい。
【大発見?】バーボンと安室透のスイッチは目で変わる?【名探偵コナン】
スイッチで性格が変わるって......
それじゃまるで......
変態仮面じゃないか!!
パンツをかぶって性格が変わる変人と、悪いことを企むと性格が変わる安室。
どちらも変な奴という点では共通している。
こんなことを書くと腐女子に怒られるかもしれないのでフォローしておくと、
劇場版の安室はマジでカッコよかった。
途中からは、
主人公、安室じゃね?
と思ってしまったくらいだ。
トリックとか動機とか、ピンチを救うシーンは大人から見たらそれなりにツッコミどころはあるかもしれない。
でもコナンはアニメなのだ。
悟空が超サイヤ人になるように、コナンはサッカーボールで世界を救う。
そこに夢があるのだ。
読者は僕が少しコナンをディスっているように感じたかもしれないが、
元々僕はコナンの大ファンである。
小学生のときはあまりにコナンが好きすぎて、親が持っていた黒縁眼鏡を盗み、レンズをくり抜き、ハチャメチャに怒られたことがある。
コナンは伊達眼鏡なのだ。
他にも探偵を気取って友達を尾行していたら、
僕だけ仲間外れにされて他の連中で集まってボーリングを楽しんでいるシーンを見てしまった
こととか、とにかくコナンから受けた影響は計り知れない。
大人になって久しぶりに観たコナンは相変わらず小学生で、なんだかちょっと安心した。
お前、変わってねえなと。
正直、劇場版コナンを腐女子以外の方々に熱烈にオススメするかといえば、そうでもない気がするが、とにかく安室はイケメンなので、その一点だけは覚えておいてほしい。
映画のコナンの話になったら、
「安室マジかっこいいよね」
と言っておけば、だいたいそれだけでOKだ。
【追記】
大変失礼しました。
腐女子は「BLを愛する女子」であって、「アニメを愛でる女子」ではありませんでした。
謹んでお詫び申し上げます。
大変失礼しました!
— ヒデヨシ (@cook_hideyoshi) April 22, 2018
「アニメに興奮する女の人」を腐女子なんだと勘違いしていましたが、
正しくは
「ボーイズラブを好み、その後の展開をあれやこれやと妄想する人」
が腐女子でした。
安室に興奮するのは「アニメ好き」であって、「腐女子」ではありません。 https://t.co/5uOclcxrag