「スープカレー」というと関東の人には馴染みがないかもしれないが、北海道では「それなしでは生きていけないソウルフード」とされていて、「こんなに身体が欲するのは酸素かスープカレーか」と言われるほど愛されている。
好きな人は週に一度はスープカレーを食べているくらいだ。
スープカレーは1971年生まれだというが、メジャーになるまで時間がかかった。
2000年代に札幌でブームとなったことがきっかけで爆発的に店舗が増えたそうだ。
札幌で最も有名なのは「マジックスパイス」という店だが、実はマジックスパイスは抜群に美味しいというわけではない。
2003年。
神奈川県の横濱カレーミュージアムにマジックスパイスが出店し、大反響を得た。
それがきっかけに、スープカレーの名は全国に広まったそうだ。
マジックスパイスはたしかに全国にスープカレーの名を知らしめた偉大な店ではあるが、「もはや最強の店ではない」ということは読者に覚えておいてもらいたい。
さて、そんな歴史的経緯を経て関東に広まったスープカレーの中で、ひときわ美しい輝きをはなつ店がある。
横浜関内の伊勢佐木モールにある「アジアンバー・ラマイ」という店だ。
11時30分に開店のアジアンバー・ラマイは、平日も休日も常に行列ができる。
特に休日の行列は凄まじく、廊下がいっぱいになるほどなので、11時15分頃から並ぶのがいい。
15分早く行けば、1時間の並びの時間を節約できる。
関内は京浜東北線で行けるので、頑張れば埼玉からでも上陸できる。
春の陽気が気持ち良い平日であった。
たまたまニートのような休みを手に入れた私が「いま、行くしかない!」と意気込み、フラッと向かったのが伊勢佐木モールである。
伊勢佐木モールは瀟洒なイメージがある横浜の街とは全く雰囲気が異なり、歩いているのはおじいちゃんとヤンキーばかりであった。
心なしか治安も悪そうに見える。
ちなみに夜の伊勢佐木モールは凶悪そうなホストがゾンビのようにうろついており、近づくのは勇気がいる。
武道を習ってから行った方がいいかもしれない。
伊勢佐木モールの真ん中にあるファミマを左に曲がり、亀楽ビルの7階にあるのが「アジアンバー・ラマイ」だ。
古いビルだがエレベーターは動いている。
耐震強度は少し心配だが、そんなもので私のカレー愛は消えない。
廊下にはメニューがかかっていて、待ち時間に何を食べるかじっくりと考えることができる。
ドリンクの「ラマッシー」が200円と、ものすごく良心的な価格で提供してくれているので、ドリンクも一緒に頼もう。
ラッシーが200円のスープカレー屋はラマイ以外にはないんじゃないか。
スープの量もカレーの量も大盛りにできる。
ただ、あまり欲張って大盛りにすると食べきれなくなるので気をつけよう。
中に案内されて10分くらいだろうか。
まず「ラマッシー」が運ばれてくる。
それから5分くらい待つとお待ちかねのスープカレーだ。
これがとにかく美味しいのである。
本当に美味しい。
ライスも普通盛りで量が多い。
とにかくスープの一口目が至福だ。
なんて美味しいスープカレーなんだろうと感動を禁じ得ない。
関内は場所的には正直微妙で、デートにはおすすめしづらい。
でもラマイは本当に美味しいので、
みなとみらいでデート
↓
桜木町の方に歩く
↓
勢いあまって関内まで歩く
↓
疲れたからラマイで美味しいスープカレーを食べる
みたいなデートはアリかもしれない。
ちなみに伊勢佐木モールには大浴場付きのカスタマカフェ「グランカスタマ」がある。
個室が綺麗だとは言い難かったが、まぁ休むことはできる。
近くにゆっくりできるホテルもあるので、何か企んでいる人はあえて彼女と一緒に向かってみるのもいいかもしれない。
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