チャラい人なら一度は住みたい六本木のタワーマンション「THE ROPPONGI TOKYO」



〜プロローグ〜

たった一人で外苑東通りを歩いていた。

一緒に六本木のクラブ・V2に遊びに行った友達は早々に女の子を連れ出し、タクシーに乗って渋谷に消えた。

始発まで時間を潰そうとするも、疲れ切って頭が働かない。

陽気に話しかけてくる外国人を無視しながら、北側の空を見上げた。
そこには妖しく光る、ひときわ大きなマンションがあった。

そのマンションこそが、六本木を象徴するタワーマンション「THE ROPPONGI TOKYO」である。


「何が『ザ・ロッポンギ・トーキョー』だこの野郎...東京の中心みたいな名前で俺を見下ろしやがって」


「見てろよ、いつか俺は、お前をモノにしてやる」


東京での成り上がりは、すなわち金を稼ぐことである。

「THE ROPPONGI TOKYOに女の子を持ち帰ることができる男になる」

というモチベーションから、私の意識は極限まで高まったが、年収は一向に高まる気配はなかった。


あれから数年経ち、もはやクラブに行くような年齢ではなくなってしまった。
そんな中、遊びにうつつを抜かしていた私とは異なり、着実に年収を上げ続けた友人がマンションを探すというので、便乗することにした。

この研究は、私が自らの人脈と足を使って蓄積した、血と汗と涙と悔恨の結晶である。




~東京いい部屋、ヤレる部屋研究~


第一弾 「THE ROPPONGI TOKYO」


* * *


昼に見たこのマンションは、夜の外苑東通りから見上げたような妖しさはなく、ただ静かに僕を見下ろしていた。

ゴミゴミした六本木と、澄んだ青空と、THE ROPPONGI TOKYO。


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相変わらず、でかい顔をして僕を見下してやがる。
THE ROPPONGI TOKYOは、大江戸線を出て六本木通りをまっすぐ歩いて3分の場所にある。


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僕はこのマンションを見た時、素直に思った。

「なんてヤレそうなマンションなんだろう」

六本木の喧騒のど真ん中にそびえ立つマンション。
ここには「お持ち帰る」という概念はない。

女の子が来る場所に、マンションが建っているのだ。


入り口には謎の赤いソファが置いてあり、その形は艶めかしい女の唇のように見えた。

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エントランスにいるのはただのおっさんで、鏡を見ているようだった。
このおっさんは僕の鏡であり、僕自身もおっさんなのである。


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僕は友人に引っ付いてマンションを見学している間、ずっと考えていた。


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もしこのマンションに住んだら、僕はどうやって女子を口説くだろう、と。

そこで考案されたのが、後で紹介するルーティーン「THE ROPPONGI TOKYO」である。


その前に、せっかくなのでマンションの紹介をしよう。
手に入れた知識はシェアしなければならない。そうでないと、意味が無い。


さて、THE ROPPONGI TOKYOの特徴としては、第一にエレベーターが高層階用と低層階用で分かれていることである。

1階から10階までのエレベーターと、それ以上の階のエレベーターで乗る場所が異なる。
さらに重要なのは、低層階からは周りの建物が邪魔で、夜景が全然見えないということだ。

僕の観察によると、女子は夜景が見える建物に入ると、なぜか興奮する傾向がある。
そして、夜景に東京タワーがあるとその興奮度合いは当社比1.5倍になる。

これはスカイツリーやレインボーブリッジでは決して出せない東京タワーマジックである。

THE ROPPONGI TOKYOというか、六本木の家賃相場は異常に高い。
月々の家賃は、40平米で管理費込み23万円~27万円くらい。

ちなみに月々23万出せば、地方都市であれば100平米のタワーマンションにも住むことができる。
それくらい、六本木の家賃は高騰しているのだ。

狭くて夜景も見えない部屋になぜこんなに高い値段がつくのか?

それはひとえに、ブランドがあるからである。
六本木というブランドに引き寄せられた美女がいるからである。

そして、いい部屋に住めば美女にモテるような気がするから、家賃が高くても夢見る人が入ってくるのだ。


約1年をかけて実施してきたこの研究を通じて得られた結論は、モテることと部屋のレベルはそんなに関係がないということだ。
ただ、僕の場合は部屋に連れ込む以前に足切りされるから、どんな部屋に住んでいても無駄なわけだが。

それでも、「THE ROPPONGI TOKYO」という甘美な響きに人は誘われる。
甘い蜜に誘われる虫のように。
その蜜の香りは女子の股間から発せられているのだけれど。

THE ROPPONGI TOKYOの良いところは、部屋に乾燥機付きのドラム式洗濯機が備え付けられていることだと思う。

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そこかよ、と突っ込みたくなる人もいるかもしれないが、ドラム式洗濯機とルンバと食洗機は、クオリティ・オブ・ライフを上げる三種の神器だと思っている。

僕達が見てきた部屋には謎の対面キッチンらしき台があって、夜な夜な部屋でパーティするには向いてそうだな、と思った。

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低層階の窓からの景色は正直イマイチで、この企画の別の記事で紹介するマンションの方が家賃が安い割に良い景色が見えるだろう。

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10階以上の部屋なら隣のマンションを抜けて夜景が見えそうなんだけど、家賃が28万円になる。

kenrent.jp

タワーマンションの審査を通るには月々の家賃の約40倍の年収が必要なので、1,120万の年収が無ければ審査にすら通らない。
ちなみに1,120万は僕の年収の3倍の水準である。

僕は六本木の中心にそびえ立つこのマンションを後にして、以前心に誓った決意は誤っていたことを確信した。

「いつかお前をモノにしてやる...」

という誓い。

実際のマンションを見て思ったのは、

「家賃、たけェよ...」

である。

六本木で女遊びをしながらこの水準の家賃を払い続けられるのは、若くして成功した起業家や、外資系のサラリーマンに限られてくるのではないだろうか。

逆に、六本木で遊んでいる女の子で、

「俺んち来いよ、あそこなんだけど」

なんて口説かれたときは、全力で妊娠を狙いに行くのもいいかもしれない。

いずれにせよ、ロケーションは最強。

THE ROPPONGI TOKYOは、この企画の第一回を飾るに相応しい、「TOKYO いい部屋ヤレる部屋 オブ・ザ・イヤー」と言えよう。

ルーティーン「THE ROPPONGI TOKYO」

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僕の長年の研究の結果、女遊びをするのに一番いいのは、繁華街に住むことである。
部屋の広さよりも何よりも、ロケーションの方が重要だ。

繁華街で飲んで、ちょっと散歩していたらいつの間にか家

というのは、チャラい人にとって実に有効な戦略である。

その意味で、THE ROPPONGI TOKYOは最強だ。
なんといっても、マンションの真下におしゃれなバーが大量にあるからだ。

六本木のクラブで女の子を口説き、わざわざ渋谷のホテルまで搬送する人はたくさんいる。
そのとき、多くの男の人の頭の中にはこんなことが浮かんでいるはずだ。

「ホテル、空いてなかったらどうしよう」

「週末のホテル、高いんだよ...」

しかし、THE ROPPONGI TOKYOに住めばそんな心配は全くいらない。
なんてったって六本木駅から徒歩3分のロケーションである。

このマンションは、存在自体がルーティーンなのだ。

Quality of lifeの考え方は人それぞれだ。

「とにかく美人を連れ込みたい、それこそが俺の人生を充実させる」

と考えるならば、THE ROPPONGI TOKYOは最強のタワーマンションである。
しかし部屋は家賃の割に狭くなるし、マンションに備え付けのジムも小さいし、マンション下にあるスーパーも高い。

夜は治安が悪そうで騒がしいので、落ち着いた暮らしがしたい人には向かない物件だと言えそうだ。

その意味で、THE ROPPONGI TOKYOはやはり、

チャラい人の、
チャラい人による、
チャラい人が遊びまくるための、

マンションであるという結論に至ったのである。


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