ツイッターで「バズる技術」を研究してみた



ツイッターを見ていると、時々何万リツイートにも到達する凄まじい拡散力を持つツイートに遭遇することがあります。
僕自身もツイッターをやっているのですが、スマッシュヒットするツイートはそう簡単に生まれるものではありません。

このような「バズるツイート」というのは偶発的に生まれるものなのでしょうか。
それとも、何らかの法則があるのでしょうか。

僕はここ一カ月半ほど、バズったツイートを一つ一つスクショし、

カメラロールの約8割がツイッターのスクリーンショット

という地獄のような状況に陥りながらも、必死に「バズる法則」の研究を続けました。

成功者の自己啓発本を読んでも成功しないように、バズる法則を研究したからといって、自らバズらせることは容易ではありません。

それでも、ひたすらにバズるツイートを集め続けた結果、おぼろげではありますが、なんらかの法則のようなものが見えてきた気がするので、ここで一旦研究結果をまとめることにしたいと思います。


* * *


ツイートが拡散するかしないかは、運が占める要素がかなり大きいです。

図にするとこんな感じです。


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そのツイートが持つ潜在的な拡散力があって、その潜在拡散力をすべて発揮できるかどうかは運の要素が大きい。
フォロワーが増えると、自分自身がインフルエンサーになるため、拡散に占める運の要素は小さくなってきます。

フォロワーが数万人になると、固定ファンがたくさんいる状態になるため、潜在拡散能力を超えて拡散されることもあります。

今回の研究では、バズのインフレが起きやすいアルファアカウント(フォロワー数1万人以上)はできるだけ除き、フォロワー数が5,000未満の方で、スマッシュヒットしたものをいくつかのカテゴリに分類してみました。

こうやってまとめてみると、ツイッターでヒットしやすいネタにはある程度の法則がありそうに見えます。

時事ネタ

鉄板なのは時事ネタです。
アメリカの大統領選挙やオリンピック、今なら紅白歌合戦など、みんなが話題にしているニュースは非常に拡散されやすいです。

また、ツイッターでは不意に大喜利が流行ることがあります。
そんな大喜利に乗っかると拡散されやすい傾向があります。



紅白歌合戦で和田アキ子が落選したニュースを受けて、あの鐘を鳴らすのは誰かで盛り上がっていました。






福島で地震があったときに拡散されたツイートです。
2chのアスキーアートも含め、津波の恐ろしさを啓蒙するツイートが伸びました。





11月24日に関東で雪が降りました。
11月に雪が降るのは47年ぶりだとか。
この時は雪にまつわるツイートがヒットしました。


7payの不正利用が事件になったときにも様々なバズが生まれました。

時事ネタに専門的な知見や鋭い意見を混ぜ込むと、バズが生まれやすくなります。




時事ネタと地方あるあるネタの組み合わせですね。



流行ったツイートに被せる大喜利もよくあります。


写真一発ネタ

次によくあるのが、面白写真やツッコミどころがある写真を一枚撮って、一言添えてツイートするパターンです。

文章で語るのではなく、写真の印象を端的にまとめたツイートが拡散される傾向があります。

可愛い♡と言いたくなるもの、写真加工ネタも鉄板ですね。

これを極めると、人工的に写真ネタを生み出す「俺さん」のようになります。



新聞切り抜きもよく拡散されます。
新聞の写真を撮って、一言ツッコむのが定番パターンです。


可愛い写真も定番ですね。
SNOWなどの写真加工アプリで撮れた面白写真は非常に拡散力が高いです。
また、おじいちゃん、お母さんネタも拡散されやすい傾向にあります。



こちらはど真ん中の写真一発ネタです。







日頃アンテナを張って、面白いものを見つけた時に写真を撮るようにしないと、おもしろ写真ネタを投稿することはできません。
逆に言うと、普段からアンテナを張っておくと、何気ない日常がみんなの心を震わせることになるかもしれません。


モテ/非モテネタ

モテ、非モテネタも鉄板です。

「こういう人はモテる」

とか、

「これだから非モテはww」

というネタが拡散されます。
非モテネタもよく見ますね。

逆に「俺モテます」アピールが拡散されることはほとんどありません。






芸能・テレビネタ

芸能人ネタ・テレビネタはインターネットの定番です。
みんなが知っているものは検索されやすいし、拡散されやすいです。
カフェで高校生が芸能人の話をするのと同じですね。







漫画切り抜き

面白い漫画の切り抜きネタも定番です。
みんなが知ってそうで知らない漫画で、ツッコミどころがあるものが拡散される傾向があります。





アニメネタ

アニメネタは、そのアニメのファンの間で拡散されやすいです。
アンテナが低くてアニメネタにキャッチアップできていないのですが、好きなアニメの良さを語るツイートなどがヒットします。



社畜ネタ

脱社畜ブログがスマッシュヒットしたように、社畜ディス、社畜揶揄もネットの定番ネタです。
みんなの不満を代弁するツイートに支持が集まります。








驚愕ネタ

驚愕ネタの特徴は、一度バズると恐ろしいほど伸びるということです。
万人受けし、思わずシェアしたくなるネタだからです。






うまいこと/格言

個人的にうまいこと言ってバズる人が一番才能あると思います。
代表例が説教おじさんですが、ネタを練って、140字に削って、オチをつけるってすごく大変なんですよね。

150文字書くのは簡単だけど、そこから10文字削るのが難しい。
そんな中、140文字にオチをつけられる人は本当にすごいと思うわけです。

140文字の中に文才が光ってます。






動物ネタ

動物ネタはインターネットの定番です。
そして、動物は動物でもが圧倒的に強いです。
全国民に愛される動物が猫なのです。






ビッチネタ

女子のビッチネタはツイッターで大人気です。
露骨なエロ画像を載せてもみんな警戒してリツイートはしません。
というか、露骨なエロならAV見るからいらないんです。ツイッターに求めているのは、見えない相手を想像することなのだから。

バズるビッチアカウントの特徴は、セックス大好きなことです。それを包み隠さず言うことです。
性欲強い系のツイートは特に伸びる傾向にあります。


既にアルファアカウントになってしまいましたが、詩織お姉さんやかえざんまいさんが有名ビッチアカウントですね。


詩織お姉さんはnoteも出していて、彼氏に浮気バレ、ツイッターバレしたときの話が赤裸々に語られています。

note.mu


性に関するネタはFacebookでは全くシェアされないけれど、ツイッターではやたらウケるという特徴があります。

みんなリアルでは性的なことあまり言わないからね。


健康/美容/グルメネタ

要はライフハックネタです。

健康/美容/グルメネタは特にシェアされやすいです。
英語/Excelなどのビジネス系はブログでヒットしやすいですね。

あまんさんという超アルファアカウントの方がいますが、ライフハック系のツイートがスマッシュヒットすることがとても多いです。




使える化粧水や歯磨き粉などもシェアされやすい傾向があります。



みんなに役に立つグルメネタもシェアされやすいです。
お気に入り登録が多くなるのも特徴です。



晒しネタ

キャバ嬢の痛客晒しネタも定番です。
キモいDMやみんなが眉をひそめる内容を晒すことで、拡散される傾向があります。
晒し系のアカウントは面白くてすぐにフォロワー10,000人を超えてしまうので、小さめのアカウントの晒しネタを取得することはできませんでした。



その他にも、かつての恋愛工学叩きや、今のWelq叩きのように、みんなが叩いているものに便乗すると拡散されやすいです。

ただ、叩き便乗手法はやりすぎると敵を作ってしまうし、安全圏から石を投げるやり方なので、できればやらない方がいいと思います。

四コマ

写真を4つ並べる四コマ芸もツイッターでは定番です。
絵だけで内容が伝わり、起承転結が綺麗にまとまってる四コマは非常に拡散されやすい傾向があります。






歯に衣着せぬ発言

その昔、「ママ」「穴モテのユイ」という伝説のアカウントがありました。
そのアカウントは、みんなが普段思っていても言えないことをズバズバと切り捨てるツイートが大人気となり、瞬く間に20,000フォロワーを獲得。
そして、フォロワーが増えるたびに旦那にツイッターアカウントがバレ、垢消しするという面白い人です。

今ではかえざんまい先生がズバッと切り込むツイートをされていて、世論の代弁者としてヒットを量産しています。






一人に向かって書け


政治ネタ

学歴ネタ

先人の知恵に学ぶ

さて、ここまでツイッターの事例を見てきましたが、ネットでバズりやすいネタの話は書籍にも書いてあったりします。

ネットニュース編集者として日本の第一人者である中川純一郎さん。
ひたすらにネットのバズと向き合い続けた彼が書いた「ネットのバカ」という本で、【ネットでウケる12ヶ条】が提唱されています。

中川さん曰く、ネットでウケるものは以下に当てはまるというのです。

  • 話題にしたい部分があるものの、突っ込みどころがあるもの
  • 身近であるもの、B級感があるもの
  • 非常に意見が鋭いもの
  • テレビで紹介されているもの、テレビで人気があるもの、ヤフー・トピックスが選ぶもの
  • モラルを問うもの
  • 芸能人関係のもの
  • エロ
  • 美人
  • 時事性があるもの
  • 他人の不幸
  • 自分の人生と関係した政策・法改定など
  • 「ジャズ喫茶理論」に当てはまるもの

あらためて、上でまとめたツイートを見ていても、だいたい12ヶ条に当てはまっているように見えます。

もう一人、ネット炎上専門家のhagexさんという方がいます。

彼が書いた「ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い」という本の中に、炎上しやすい(=釣り師が好む)トピックの一覧があります。
このトピック一覧は非常に秀逸で、ネットで炎上するテーマをだいたい網羅しています。


テーマは大きく分けると「対立系」、「コンプレックス刺激系」、「パーソナリティ系」、「社会系」があります。

ツイッターでよく議論になるテーマに絞って抜粋すると、たしかに毎日のようにこれらに当てはまるテーマで、同じような議論が続けられています。
歴史はずっと繰り返しているのです。

*対立系

  • 男女対立論(男は~女は~)
  • 理系・文系
  • 能力や価値の序列化

*コンプレックス刺激系

  • 学歴ネタ
  • 年収ネタ
  • 就職ネタ
  • 結婚ネタ

*パーソナリティ

  • 童貞ネタ
  • ビッチネタ
  • スペックネタ

*社会

  • 社畜ネタ
  • 〇〇男子・〇〇女子


長年ネットに触れてきた先人たちは、膨大な事例を元に、バズりやすいもの・炎上しやすいものに関する知見を集めてきました。
もちろんブログやツイッターの使い方は人それぞれで、バズを狙う必要は全くないのですが、バズりやすいコンテンツの規則性を知っておくとネットの見方が少し変わるかもしれません。


ネットのバカ (新潮新書)

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