人はお金がないと自由にはなれない



自由とは何か?

と、哲学者のような問いを立てた。

自分の好きなことに、好きなだけ時間を費やすことができる。
これは「時間」の自由だ。

自分の好きなものに、好きなだけお金を費やすことができる。
これが「お金」の自由だ。

自分の好きなひとと、好きなだけ一緒に過ごすことができる。
これが「恋愛」の自由だ。


自由を精神的なものと考える人もいる。

お金にとらわれることなく、物欲の支配から抜け出し、性欲からも解放されたその先に、「内面の真の自由が手に入る」みたいな話はどこかで聞いたことがあるだろう。

「真の」とか「本当の」という言葉が出てきたら、一度は疑ったほうがいい。
「真の自由」などを他人に決められている時点で既に不自由だからだ。


僕もずいぶんと「自由」について考えてきた。
職場で退屈な仕事に向かうたびに「この時間を自由に使えたらどんなに幸せだろうか」と思った。

良いマンションに住めたらいいなとか、もっとイケメンだったらモテたのにな、とか釈迦も驚くくらい煩悩に支配されていたこともある。

その一方で、貧乏で狭いマンションに住んでいたとしても、自分の好きなことを好きなようにやって生きていければ幸せなんじゃないか、と何かの本を読んで考えたことがある。

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その都度、どうしてもぶつかるのが「お金の問題」だ。

生きていくのは金がかかる。

狭い部屋にも限度はあるし、貧乏暮らしはとにかく不便だ。
お金があっても幸せにはなれないが、お金がないと不幸の原因を取り除くことはできない。

隣の部屋の音がダダ漏れで、駅から遠く、ジムには通えず、外食は吉野家しか選択肢がない。

こんな生活なのであれば、どんなに自分の時間を自由に使えたとしても、やはり幸せとは言い難い。

でも学生時代は金がなくても十分楽しかった気もするので、もしかしたら

「人と比べてしまうことによって自分の不自由さを不幸に感じている」

だけなのかもしれない。

江戸時代に手洗いで洗濯して「不幸でござる」などと言う人はいなかったに違いないが、令和の今、山に芝刈りに行き、川で洗濯しているおばあさんがいたら「自分は貧乏で不幸だ」と感じるだろう。

oreno-yuigon.hatenablog.com


会社で働くと、決まった給料が支払われる。
これは実にありがたいことだ。生活が安定する。家賃が払えるし、食に困らない。
固定的な収入があれば、人生計画が立てられる。
その代わり、自由に仕事を選ぶのは難しく、日中の時間が拘束される。

では会社を離れたら、生きていくのにどれくらいお金がかかるだろうか?
ざっと調べてみた。

憧れの東京生活よろしく山手線の渋谷や恵比寿の洒落たところに住み、贅沢とは言わないまでもまともな部屋に住み、多少は遊ぶ余裕があるくらいの生活をするのであれば、月に40〜50万は安定して稼げないと厳しい。

賃貸サイトで検索してみると、恵比寿で家賃10万円以下の物件はボロボロに古いか、めちゃくちゃ狭いかのどちらかだった。
どんなに都会でも住むのはちょっと辛そうだ。

山手線沿いの部屋を借り、毎月家賃15万円を払い、それからジムに通い、まともな物を食べ、たまに旅行して、残ったお金を将来のために貯金したいのならば、やはり月50万円は稼がなければいけない。

会社員だとしてもけっこうハードルは高いし、フリーランスだったり自営業でもいきなり月50万稼ぐのは難しいのではないか。

札幌や福岡などの地方で生きるのであれば、家賃6〜7万円で十分に良いところに住める。
月あたり30万程度の稼ぎがあれば、ゆとりある生活ができるだろう。


私たちはお金がないと、住む場所を選べない。
食べるものも選べない。
お金がかかる趣味に没頭できないし、好きなときに旅行にも行けない。

自由が「自分の意志で選択できること」だとすると、私たちはお金がないと自由になれない。

ワンピースのルフィは牢獄だろうと「おれはずっと自由だ」と笑った。
彼の精神はいつでも自由なのだろう。

しかし、私たちが生きる世の中は大海賊時代ではない。
資本主義時代である。

資本主義の世界では、お金がないと自由になれない。
その現実から目を背けてはいけない。

お金がなくても幸せにはなれるかもしれないが、自由ではない。
その人にとって自由が幸せの条件だとするならば、やはりお金が必要だ。

経済的な独立こそが、自由の道の第一歩となる。
経済的な独立を掴み、その次に時間の自由を手に入れる。

資本主義の世をゲームとするならば、経済的な独立を手にしてやっと中盤。
時間の自由を手に入れて終盤。

あとは自己実現というか、好きなことを追いかけて、ゲーム自体を楽しむことができればクリアだろう。

それからは小さなメダルを集めてもいいし、仲間のモンスターを集める旅に出てもいい。
ラーミアに乗って世界中飛び回ってもいいし、レベル上げに走ってもいい。

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ラーミアはドラクエの空飛ぶ鳥のこと

どんな道を選ぶとしても、とにかくまずは経済的独立を目指さなければならない。
何を差し置いてでも「自分の力で金を稼ぐこと」が自由の道の第一歩であり、お金を稼げなければ、たとえ幸せになれたとしても自由にはなれない。


経済的な自由と時間の自由を獲得するための道は大きく2つある。

ひとつ目は種銭を貯めて投資に回すこと。
株や不動産で資産を増やし、資産が生み出すキャッシュで生活する。

もう一つは自分の労力以外から富を生み出す仕組みを作ること。
人を雇う、アプリやサイトを作る、独自の製品・サービスを作るなど。


リスクを取るなら会社で働くことなく自分のビジネスを作ればいいし、リスクを避けるなら会社員をやって生活を安定させながらチャレンジするのがいい。

いずれにしても、金だ。
悲しいことに、お金がないと私たちは自由にはなれない。残念だ。

だが綺麗事を言っても仕方がない。
お金がないと、生き方を選ぶこともできない。

お金以外のことは、お金を稼いだ後に考えればいいのである。