睡眠不足の心と体への影響をまとめる



一昨日は夜の3時までブログを書いていて、それからなかなか眠れず、4時半までベッドで苦しんでいた。

7時に出社しなければならないので、結局1時間半しか眠らずに家を出た。


出社するなりすぐにレッドブルとコーヒーを流し込み、


「眠らないのが俺の仕事だ」


と言わんばかりの気合いでデスクに向かった。


レッドブルを飲めば眠らずに済む。


が、不思議なことに、レッドブルによって起きていることはできても、脳は全然働かないのだ。


このブログではこれまでも散々睡眠について考察してきたが、

睡眠時間を削って【起きている】のは簡単である。

カフェインをぶち込んで、たまに運動しながら気合いを入れていればいい。


しかし、睡眠不足の状態で【起きて、頭を働かせる】のはとても難しい。


今日はせっかくなので、睡眠不足によって表れた身体への影響をまとめることにする。


言葉が出てこない

睡眠不足の影響がモロに出るのは言語能力である。

特に会話の場合は、瞬時に脳内で文章を組み立てて口から発する必要がある。

文章のようにじっくり考えて書き直すことができない。


睡眠不足だと、会話で必要とされる瞬発力が出せない。


脳の動きが鈍くになって、「次の言葉」が出てこなくなるのだ。


「あ〜、あ〜...、えっと...」


というように、言葉が継げなくなり、論理的に話すことができなくなる。


睡眠不足は思考の瞬発力・深さの両方に悪影響がある。


これはおそらく僕だけの問題ではないと思うのだが、どうだろうか?


明日、大事なプレゼンを控えている人。

明日、勝負したいデートの予定がある人。


口からスムーズに言葉が出てこないと困るはずだ。


よく眠ろう。

不安かもしれないが、勝負の前の日はしっかり寝たほうがいい。



ちなみに言語能力に関しては毎日の継続がとても大切で、

ブログなども一日書くのを休んでしまうと、ノッてくるまで時間がかかる。


正直、この記事を書くのもちょっと辛い。


ブログや書籍の執筆のように文章を書く人に限らず、

何かしらのアウトプットが求められる人は、

毎日ちゃんと眠って、頭がすっきりした状態で継続することが大切なのだろう。


規則正しい生活を侮るなかれ。


生活リズムは全てに通じているのだ。



「スタンフォード式 最高の睡眠」を得る方法。あるいは眠りの質の高め方について。


コミュニケーションが億劫になる


睡眠不足の悪影響はコミュ力にも及ぶ。


眠いときは人と話すのが辛くなるのだ。


僕の感覚だと、睡眠時間によって

  • 3時間以下→人と全く話したくない。眠い
  • 3時間〜5時間→人と話すのが億劫。辛い
  • 5時間〜7時間→特に気にならない。普通
  • 7時間以上→むしろ人と話したい。テンション高


という感じになる。


上でも書いたけど、大事なデートの前はみんなちゃんと眠ってほしい。

言葉が出てこないと、目の前の女の子を口説くこともできない。

気持ちを伝えることもできない。


普段の仕事でも業務時間の半分くらいは他者とのコミュニケーションの割かれるはずだ。

コミュニケーションが億劫になると、仕事しづらくなってしまうだろう。


仕事のパフォーマンスを上げるためにも、十分な睡眠を取ることは大切だ。


今まで散々睡眠の本を読んできて、

「質を高める方法」

とか、

「睡眠の密度を上げる方法」

とか実践してみたけど、

いちばん大事なのは規則正しく生きるってことだと僕は思う。


規則正しく、一定のリズムで。

そして、ちゃんと量を確保すること。


睡眠は小手先のテクニックで効率化するよりも、基本に立ち返ることが重要なのだ。


メンタリストDaiGo「自分を操る超集中力」に学ぶ効率的な食事や睡眠の取り方


理解力が落ちる


高校や大学の定期テスト前に徹夜で勉強した人はたくさんいると思うが、

今になって振り返るとあれは愚策だった。


睡眠不足で眠い目をこすりながら本を読んでいるとき。

脳のリソースは本の内容よりも


「眠らないこと」


に充てられる。


頑張って教科書を覚えるよりも、「頑張って寝ないこと」に力を使いすぎてしまい、本の内容が頭に入ってこないのだ。


これはエビデンスを持って語っているわけではないが、睡眠不足は短期記憶の能力を著しく低下させてしまうように思う。


睡眠不足だとインプットしたことを短期記憶に保持できないため、点と点がつながらず、理解が進まない。


また、一度理解したことでも記憶から引っ張り出すのに時間がかかってしまうため、学習を進めていくのに時間がかかる。

学習とは、点と点をつなげて理解を深めていく作業だからだ。


結果的に、睡眠時間を削った分よりも「無駄に起きているだけの時間」の方が長くなってしまう。


これでは本末転倒である。


しっかり寝て、スッキリした頭で机に向かい、一つ一つを確実に記憶に遺していった方が効率がいい。


「急がば回れ」の諺の通り、急いでいるときこそちゃんと寝て、起きている時間を有効活用する必要がある。


行動力が落ちる


人間の意志力は有限である。

意志力は睡眠によって回復し、朝起きてから寝るまでに決断するごとに消耗していく。


睡眠不足だと意志の力を十分に回復させることは難しい。


「意志力」というと目に見えないので


「本当かよ?」


と疑問を抱いてしまうかもしれないが、

僕はよく寝た次の朝、普段よりも活力が漲っている気になることは多々あるので、


「意志力」は存在するし、睡眠によって回復するものだと信じている。


また、ブログを一度書くとふぅ〜と力が抜けて他のことをやる力がなかなか出なくなるのも毎度のことなので、

これはブログを集中して書くことによって意志力を消耗してしまっているのではないかと考えている。



意志の力を信じるかは人次第だが、よく寝た次の朝はすっきりと活力が湧いてくるのは間違いないだろう。

よく眠ろう。

よく眠って、全力で一日を過ごそう。


睡眠時間を十分に取ることで、日中の生産性が劇的に改善した話

いらいらする

これは本当に良くない。

良くないとわかっていても、無意味にイライラしてしまう。


なぜか。

寝不足になると、大脳皮質の働きが弱まり、扁桃体の働きをうまくコントロールできなくなるからだ。

扁桃体は、ヒトの情動反応と記憶を制御する働きを持つ。

国立精神・神経医療研究センター・三島和夫部長らの研究グループが、
睡眠不足で不安・抑うつが強まる神経基盤を解明


怒りは無謀をもって始まり、後悔をもって終わる。


衝動的に怒って良いことはほとんどない。


でも、睡眠不足のときは怒りを抑えることが難しい状態に陥ってしまうのだ。


健全な精神を保つためにも、よく寝よう。


そういえば新人の頃、誰かれ構わず怒りちらして、周りを恐怖に陥れていた課長がいた。

彼はよく、


「俺の睡眠時間は4〜5時間だ」


と自慢していた。


いま思えば、彼は睡眠不足だったんだろう。

寝ないのは構わないが、いらいらを周りにぶつけるのはやめてほしい。


エナジードリンクを飲んでも意味がない


僕の身体はカフェインに冒されている。

毎日毎日コーヒーやら栄養ドリンクやらお茶を流し込んで、

カフェインが身体に入らない日がない。


完全にカフェイン中毒となっている。


なぜカフェインを摂り入れたら眠気を抑えることができるのだろうか?


起きている間、僕たちの脳内には「アデノシン」という物質が蓄積していく。

このアデノシンが、脳を覚醒させる「ヒスタミン」の放出を抑えるため、僕たちは眠気を感じるようになっている。


そう、「覚醒を抑えるから眠くなる」のだ。


それで、カフェインには「アデノシン(脳にたまってくやつ)」が「ヒスタミン(覚醒するやつ)」の放出を抑える機能をブロックする機能がある。


つまり、カフェインを飲むと覚醒物質=ヒスタミンの放出が抑えられなくなるため、目が覚めるようにできているのだ。


第57回 眠気の正体


上記のような作用によって、カフェインによって眠気を抑えることはできるのだが、

眠気を抑えたからといって、脳が働くとは限らない。


睡眠不足なのにカフェインを摂って無理やり起きていると、


目が覚めているけど頭が働かない


という状態に陥ってしまう。


眠気を抑えたからといって、脳が休息できているわけではないのだ。


何か行動するために起きていたいのであって、

起きて何もできないなら起きている意味がない。



結局、エナジードリンクで大量のカフェインを摂取してドーピングしても、

頭はまともに働かないし、睡眠不足は負債として蓄積していく。



エナジードリンクは魔法の杖にはならないのだ。


根性で睡眠時間を短くすることはできるけど、脳を働かせることはできない


「規則正しく」が大事

大学時代、僕は週に4回合コンして、毎日毎日夜中まで飲み歩いていた。

授業もなかったため、朝まで飲んで昼まで寝るような生活を続けていたわけだが、

昼に一応起きても、ひたすらに眠かった。


目標も何もなかったからひたすら眠かったのかもしれないが、

不規則な生活も原因の一つだと思っている。


つまり、決まった時間に寝て、決まった時間に起きるようにしないと、

睡眠時間だけを確保しても頭はうまく働いてくれないのだ。


社会人になってからも、朝までクラブで遊んだ次の日はまともな活動がほとんどできなかった。

昼になって起きても頭がボーッとして、本を読んでもほとんど頭に入ってこないのだ。


日中のパフォーマンスを上げるためには、やはりよく寝て規則正しく過ごす必要がある。

当たり前のことを当たり前にやり続けることが大切なのだ。


イチローだってこう言っている。


「特別なことをするために特別なことをするのではない、特別なことをするために普段どおりの当たり前のことをする」

「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています」


時間を増やすよりも大事なこと

睡眠を削って僕たちが求めているものは時間だ。

時間がほしくがために、睡眠を削っていく。


僕たちは1時間の睡眠を削って日中苦しんでいるけれど、

実は一日のスマホを見る時間を合計したら1時間を超えるんじゃないだろうか。


ダラダラと「意味ないな〜」と思いながら過ごしている会議の時間は合計したら1時間を超えるんじゃないだろうか。


形式的なメールの返信に1時間使っていないだろうか。

無駄話に1時間消費していないだろうか。


一日の時間の使い方を見直すと、睡眠以外に削れる時間はたくさんある。



睡眠を削るよりも大事なのは、時間を奪うものから距離を置くことなのだ。


特に、普段の業務が「無駄なことばかり」と感じている人は睡眠を削っている場合ではない。

会社で毎日10時間も過ごしているのだ。


大きな時間を無駄に過ごしてたら、小さな時間をいくら節約しても何の意味もない。


車や家のローンにバカスカ金がかかっているのにスーパーの買物で少し節約しても何の意味もないのと同じだ。


大きな時間を上手に活用することを考えるべきだ。


特に会社の仕事の中には呆れるくらい無駄な作業も含まれていると思う。

こういうのをどんどん削っていこう。


睡眠を削るのは最後の手段だ。

もっと大きな問題を解決しないと、時間を有効活用することはできないのだ。


時間の使い方がうまくなる方法はドラッカーに学べ