「集中力」に関して、僕ほど悩み続けてきた人間はそういないだろう。
受験勉強をしていた頃。
ペンを握って勉強しているつもりが、いつの間にかナニを握ってシゴいているなんてことは日常茶飯事だった。
センター模試のマークシートを塗りつぶしていたはずなのに、塗りつぶされたモザイクを取り除くことに夢中になっていた、なんてこともある。
大学入試の二次試験前日。
万全の体制を期すために、受験大学近くのホテルを取り、カバンには大量の復習用の問題集を格納。
「前日の復習こそが大切だ」と自分を鼓舞しホテルの机に向かおうとするものの、いつの間にかホテルのテレビに大人のビデオカードを差し込み、二次試験前日にひたすらセクシー女優名を復習してしまう、という愚行に走ったこともある。
集中力は生産性を大きく左右する。
どんな人間にも一日は等しく24時間で、1時間あたりの生産性を高めることは、人生の充実に直結するだろう。
僕はなんとしても集中力を取り戻し、生産性を高め、充実した人生を過ごしたいと思った。
股間を充血させる日々から脱出し、常に生産性のある日々を。
そんなことを考えているときに、見つけたのがメンタリストDaiGoさんの「自分を操る超集中力」という本だ。
「自分を操る超集中力」
いかにも怪しげなタイトルな本だが、僕は基本的に怪しげな本が大好物である。
怪しげなnoteに課金し、怪しげな情報商材に騙され続けたきた僕にとって、ちゃんと顔出しして本を出しているDaiGoさんはよっぽど良心的な人に見えた。
そして、本の中身も至って真面目で、最近流行ったライフハック系の本のエッセンスを端的に過不足なくまとめていた。
「脳」「睡眠」「食事」「運動」系で、書店に平積みされている本の内容は、だいたいこの一冊で押さえることができそうだ。
逆に言うと、他の本が冗長すぎるということだけど。
さて、本題に入ろう。
今日は本に書かれていたTIPSと、それを実践した僕なりの感想をまとめたい。
この記事が同じように集中力に悩む誰かのためになれば嬉しい。
ウィルパワーって何?
DaiGoの集中本でたびたび触れられているのが「ウィルパワー」についてである。
ウィルパワーが知られるようになったのは、ロイ・バウマイスター著「WILLPOWER 意志力の科学」という本がヒットしてからである。
ウィルパワーについて一言で言うと、
「意志の力は有限である。使い所を見極め、意志の力を節約すべし」
ということだ。
ドラゴンボールを思い出してほしい。
強い気持ちが入れば超サイヤ人になってパワーが湧いてくるように、意志の力は無限に湧き出てくるものと思っていた。
しかし、実際のところは「意志力」というのは有限で、日々消耗していくものなのだという。
睡眠のよってウィルパワーは回復し、朝は最も精力的な状態になる。
しかし、一日の中で何かを決断し、選択するたびに意志力を消耗していく。
そのため一日の終りには何かをする意志力が残っていない...
というのがウィルパワーについて言われていることだ。
なので、本の中ではたびたび
「ウィルパワーを節約せよ」
と言う。
スティーブ・ジョブズが一つ上の男風のタートルネック(イッセイミヤケ製品)を着続けていたのは、意志の力を節約するためなのだと。
サッカーバーグがいつも、あのダサい灰色のTシャツを着ているのも同じ理由なのかもしれない。
さて、我々はスティーブ・ジョブズほどの偉人ではないが、ジョブズと脳の仕組みは同じだ。
前頭葉で作られた「ウィルパワー」を日々消費しながら何をするかを決断している。
本では、そんなウィルパワーの消耗を抑えるために、
・選択肢を減らすこと
・習慣化すること
が推奨されている。
たとえば、一つ目の工夫として、仕事の空間を整理整頓するというものがある。
いざ勉強しようとする時に、机の上に数学の本と英語の本が散らかっていたら、どっちを選ぶかでウィルパワーを消耗してしまう。
机の上は整理整頓し、余計なものが目に入らないようにしよう。
特にスマホは目に入ってしまうと一瞬で集中力を奪われるので、意識して距離を置くようにしたい。
二つ目は、優先順位をつけるということだ。
これはありとあらゆるところで言われていることだけど、「あれもやりたい、これもやりたい」という状況から抜け出すのに非常に有効だ。
TODOリストを作り、一日にやるべきことを6つ書き出す。
書き出した事項に優先順位を振り、一番優先すること以外は一切気にしない、というのが「アイビー・リー・メソッド」で、昔の人に非常に重宝されたらしい。
個人的には、優先順位に加え、何か作業をするときは「雑念を紙に書き出す」のが良いと思う。
「ブログを書くぞ」と決めたとしても、
「そういえば、トイレ掃除してなかったな」
とか
「冷蔵庫に納豆がなかったな」
とか、色々と雑念が浮かんでくる。
そんな風に次々と浮かんでくる雑念に一つ一つ対応していたら、雑念退治だけで膨大な時間を使ってしまう。
だから、浮かんでくる雑念を手元のメモ帳に全部書き出して、ひとまず自分の作業に集中するのだ。
「納豆購入」
「サンシャイン斎藤が何か調べる」
「小島よしおの奥さんが可愛いらしい」
とか、頭に浮かんだ雑念を全部紙に買いて、後回しにする。
そうすれば、一番大事なことに集中できて、調べ物も後でまとめてできるので、生産性が高まる。
三つ目は、時間を区切るということ。
本の中では25分集中して、5分休憩するという「ポモドーロ・テクニック」なるものが紹介されている。
25分の中でやることを一つだけ決めて、それだけに集中するというものだ。
時間を区切ることで、心理学でいう「締切効果」が生まれることも見逃せない。
短い時間で集中力を高め、ちょっと休んでまた集中、というのを繰り返すと、生産性の高さを維持できるようだ。
何か作業を始める前に1分ほど瞑想して、余計な考えを頭から追い出すことも推奨されている。
個人的には、短い時間を区切って集中するのもいいが、それ以上に
「とりあえずやってみる」
ということが重要だと思っている。
トイレの掃除をやり始めたらいつの間にか部屋の掃除を始めてしまっているように、
なんとなく始めているうちに、その作業自体に没頭することはとても多い。
これは心理学では「作業興奮」と呼ばれるらしいんだけど、とにかく始めてみる、手を動かしてみることで、作業が進むことは非常に多い。
特に、気が進まない資料の作成などに有効だと思う。
食事と睡眠について
本の中では食事や睡眠についても触れられている。
まず食事だが、できるだけ低GI食品を摂取するのがよい。
「GI」というのはGlycemic Indexの略で、食事の後の血糖値がどのように上昇するのかを示す指標のことだ。
食べた後に急激に血糖値が上がるのが高GI食品で、食べた後にゆっくり血糖値が上がるのが低GI食品である。
で、人間は血糖値の急激な上昇には大きなストレスを感じるようにできているので、できれば低GI食品を摂って、血糖値を安定させましょう、というのがDaiGo先生の主張だ。
以下に簡単な例をまとめておく。
- 高GI食品 白米、パン、カボチャ、せんべい
- 中GI食品 うどん、サツマイモ、プリン、クッキー、バナナ
- 低GI食品 そば、玄米、全粒粉パン、リンゴ、チーズ、ヨーグルト
僕も料理アカウントとして、今後は積極的に低GIで美味しいレシピを紹介していくつもりだ。
間食にはナッツが勧められている。
ピーナッツ、ヘイゼルナッツ、カシューナッツ、クルミ、アーモンド、ペカンナッツ、カボチャの種、ひまわりの種などは、炭水化物の量が少なく、タンパク質を含む理想的な低GI食品なのだとか。
特にクルミにはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれていて、オメガ3脂肪酸には
「抗うつ効果があり、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らしたり、脳や血管の若さを保つ働き」
があるそうだ。
ナッツは「ジョコビッチの生まれ変わる食事」でも間食として推奨されていて、読んだ本に影響されやすい僕はAmazonで衝動買いして仕事中に食べていたことがある。
普通におやつとしては美味しいのだけれど、あまり腹が満たされた感じがせず、ついつい食べすぎてしまうので、結局サラダチキンが良いのでは?という結論に落ち着いた。
次にコーヒー。
僕はコーヒーを一日中飲みまくっていて、身体には絶え間なくカフェインが注ぎ込まれている状態なんだけど、これは本当は良くないらしい。
一日に飲むコーヒーの適量は450mlで、小さめのコーヒーカップ3杯くらいがちょうどいいそうだ。
朝から晩まで5杯以上飲む僕は、明らかに飲み過ぎだ。
エナジードリンクの適量は125mlで、レッドブルは一口くらい残すのがちょうどいい。
僕は5年間以上、毎朝レッドブルを欠かさず飲んできたのだけれど、レッドブルには謎の中毒性があるから要注意だ。
あの羽が生えるという魔法の飲み物には、何か抗えない力がある。
基本的にはハマらない方がいい。
次に睡眠について。
DaiGo先生は早起きを推奨している。
もう色んなところで嫌になるくらい見てきたけれど、世界のCEOは皆早起きで、早起きするには理由があるからだ。
脳は朝起きてから2時間の間に最もクリエイティブな力を発揮する。
家族にも社員にも邪魔されない時間に起き、睡眠によって回復した十分なウィルパワーをクリエイティブな発想に費やすのが成功者の習慣なのだという。
ちなみに僕は体質的に明らかに夜型で、放っておくと寝る時間がどんどん遅くなっていく。
早起きした日は一日中ボーッとしてしまい、効率が落ちてしまう。
朝型人間になれたらいいな、と考えてきたけれど、体質を変えるのは難しそうだ。
睡眠時間は7時間程度が望ましいとされている。
ウィルパワーを回復させるためには十分な睡眠が必要で、睡眠時間を優先的に確保するのが大事だという。
世の中にはショートスリーパーと呼ばれる人もいて、正直うらやましいのだけれど、これは体質の問題である。
多くの人間はミドルスリーパーといって、7時間程度の睡眠を必要としている。
ただし、ミドルスリーパーは訓練次第で睡眠時間を6時間程度まで短縮できるらしく、訓練の余地は残されている。
「人間が100年生きるようになる」と言われている時代なので、睡眠時間を1時間削ることで生まれる時間は膨大なものになる。
結局、本には色々なテクニックが書かれているけれど、昔から「こうした方が良い」とされていることを愚直に実行できる人が強いのだという印象を受けた。
早寝早起きして、机の周りをきちんと片付ける。
仕事に優先順位をつけて、正しい姿勢で仕事をする。
適度な運動を行い、睡眠時間を無理に削らないこと。
こんな感じ。
書き出してみると当たり前だけど、この「当たり前」をちゃんと実践することはとても難しいことなんだな、と改めて考えてしまった。
- 作者: メンタリストDaiGo
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