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俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

初めての合コンで一言も話せなかった俺が10年かけて積み重ねてきたパーティトークのノウハウを全部公開する(1)

プロローグ

大学1年生のとき、部活の先輩に初めて連れて行ってもらった合コンで、僕は一言も話すことができなかった。
軽快に場を盛り上げる先輩を横目で見て、一言も気の利いたことが言えない自分を恥じて、苦いビールを流し込んだ。

先輩に死ぬほど飲まされて、気付いたら自宅のベッドで目覚めた。
電話帳には何一つ記録が残らず、苦い胃酸を飲み込んだ記憶だけが残った。

このとき、僕は誓ったのだ。

必ず、トークで盛り上げられる人間になろうと。
このような情けない真似は二度とするまいと。

あれから10年の歳月が流れ、僕は人並みに話ができるようになった。
ここに至るまでの道のりは、決して平坦なものではなかった。

何百回と合コンをこなし、そのほとんどで幹事をした。
場を盛り上げる使命を自分に課し、そこでパーティートークを学んだ。

集団の中で乗り切れない人をいち早く見つけ、話しやすく適切な話題を振る。
幹事を続ける中で磨かれたのが「空気を読むスキル」だ。

集団で飲むときに、空気を読むスキルは必須だ。
これ以上攻め込んではいけないところを見極め、「場が求める」トークを展開する。

集団でのトークは連携が重要で、一人空気を読めない人がいると全てが壊れがちだ。
そんな空気を読めない人をフォローしつつ、全体で楽しめる雰囲気を作るのが幹事に求められる仕事である。

たくさん失敗した。
たくさん反省した。
たくさん落ち込んだ。
たくさんの経験を、頭の中に溜め込んだ。


今日はその経験をノウハウとして、読者の皆様に紹介したい。



* * *


パーティトークのパターンは「ストーリー型」、「短文ツッコミ型」、「要約型」

トークは大きく分けて3つのパターンがある。
ストーリー型と短文ツッコミ型、そして要約型である。


ストーリー型というのは、簡単に言うと「あの時あった面白い話」を語るもの。


合コンの中で「あの時の話」を説明することがあると思う。

たとえば、

「あの日はね、六本木でフラフラ歩いている女の子に声をかけてみたんだ。

震えながら、せーので。

あのときのタケシは本当にすごかった。神が降りてた。

あまりの神っぷりに、目の前の女子全員が凍りついてたよね」


みたいにストーリーを語っていくタイプの会話。

これがストーリー型のトークである。


もう一つは短文ツッコミ型のトーク。


「じゃ、何飲む?何か好きなお酒ある?」

「好きな飲み物はカシオレでーす!」

「女子か!」


のように、小気味よく相手のボケを拾ってツッコミを入れるパターンが短文ツッコミ型のトーク。
会話のテンポがよくなるので、集団で話すときは基本は短文ツッコミで進めていくのがいい。

ただし、ツッコミには愛が必要で、相手の会話を"前に進める"という意識を常に持ち続ける必要がある。

パーティートークが下手な人には共通点がある。

自分のことで頭がいっぱいになっているのだ。
自分が話したいことで頭がいっぱいになって、相手を引き出すことに気が回らない。

そして、そういう人が世の中の70%を占めているのである。
逆に言うと、集団でのトークができる人材は非常に貴重なのだが、それなのに僕に友達が少なく合コンに呼ばれないのは、僕自身がまだ未完成だからなのだろう。

名監督が名プレイヤーとは限らないのだ。

話がそれた。


最後に、要約型のトークを紹介しよう。

これは、相手の話したことを簡潔に言い換えて繰り返すというものである。

たとえば。

「昨日、職場のおじさんにデートに誘われてさぁ、飲んできたんだけどぉ」

うんうん、不倫の始まりですね、それで?」

みたいなやり取り。
相手が話していることを一言でまとめて、言い換える。

これが要約型のトークである。

要約型のトークでは、相手が話した内容を瞬時にまとめ、気の利いたコメントを混ぜ込んで、かつ相手の話を促していく必要がある。
相手の会話を遮らず、かつ不快にもさせない会話術が必要なため、これも修練が必要である。

合コンで隣の人と盛り上がっていると、周りの人がこっちに注目し始めることがある。
そういうときは、周りの人はそれまでの会話の内容がわからない。

要約型は、そういう人達に「この人が話していた内容をわかりやすく伝える」という使い方もできる。

これはサービスとしての要約である。


ストーリー型は「オチ」が命

ストーリー型のトークのポイントは2つある。

ひとつ目は、


「オチに命を賭けよ」


ということだ。

何かを語る人はたくさんいるけれど、何が話したいのかわからない人がけっこう多い。
大事なのは、ちゃんと話にオチを持たせること。

もう一つは、

「背景を共有せよ」

ということ。

話し相手は自分と同じ景色を見てきたわけではない。

だから、会話の中でストーリの背景を伝える必要がある。
前提となっているストーリーの情景をわかりやすくイメージしてもらう必要があるのだ。

そうじゃないと、どんな話も壊れるほど愛しても3分の1も伝わらないのである。



さて、オチの三大パターンは、

  • 笑いで落とす
  • ちょっといい話で締める
  • 話を周りに展開する

となるが、基本は「笑えるオチ」に向かって話を進めていけばいい。

笑えるオチを作るコツは、笑えそうなキーワードを思い浮かべておくことである。

「この言葉を言ったらたぶん面白いだろうな」

という「面白そうなワード」をトーク開始3秒以内にぼんやりとイメージしておく。

もちろんパーティートークでは周りの反応が全て読めるわけではないので、思い通りに話が進められるとは限らない。
偉い人が部下に語るときは別だが、基本的に周りの人間は自由に、好き放題話し始めるからだ。

だからこそ、話はなるべく短めに、自分が話し続けるのは1分以内を目安にする。

昔読んだビジネス本に「エレベーターの15秒でビジネスプランをプレゼンする」という話が書いてあったと思うが、それに比べればずいぶん簡単だろう。

「最も面白い部分」=「話の肝」=「オチ」

をイメージして、「話の肝」を引き立たせるエピソードや情景描写を組み込んでいく。

それらをできるだけ短くまとめて、ストーリーに仕上げるのがストーリー型のトークである。

ここまで読んで、合コンしたことがある方はわかると思うが、ストーリー型のトークはとても難しい。
急に話題を振られて簡潔にオチまで言えるトークを展開できる人はほとんどいないだろう。

じゃあどうすればいいかと言うと、普段からネタを蓄積するのである。
具体的には、面白そうな話題をノートにメモしておき、トークの展開をイメージして頭の中に入れておけばいい。
どんな体験も、アウトプットできる形にして頭に入れておけば、それは自分の引き出しとなる。スベらない話はその場で生まれるわけではない。ネタを練って事前に作られているのだ。


何度も合コンにいくと、いつも話す鉄板のトークというのがあるかもしれない。

同じトークを何回も使いまわす男はつまらないと言われがちだが、それは違う。
つまらない男は、つまらないトークを何回も使い返すから退屈なのである。

逆に、鉄板の面白ネタは、その話を聞いたことがある人からも話すことを期待される。

「俺が知ってるスベらない話をみんなに聞いてほしい」

というようなノリになる。

笑えるエピソードを何個も引き出しにストックしておくこと。
それを試しに話してみて、面白かったものを「鉄板ネタ」に昇格させること。

それこそが、ストーリー型トークを身に付けるコツである。

ナルシストが勘違いしがちなんだけど、ストーリー型のトークは「自分から」するものではない。

「場」がそのトークを求めているタイミングで話すようにしなければならない。
「場」が求めていないのに長々と語り出すのは、つまらない仕事の自慢を延々と語る上司と同じだ。

トークはサービスなのである。
その目的は、その場にいる人が楽しい気分になることだ。

空気を読むことは、パーティの基本中の基本である。
周りの空気に処女のように敏感になること。

自分が楽しくなることを優先する人は、いつまで経ってもパーティートークを身に付けることはできないだろう。


短文ツッコミ型で求められるのは「言い換え力」と「要約力」


短文ツッコミ型の肝は、「相手の話を面白くする」ことである。

基本的な使い方としては、

  • 相槌
  • ツッコミ
  • 要約

の3つを混ぜて使っていく。

女の子が話した話や、普通のトークをする男友達の話を拾って、盛り上げるのだ(あくまで「拾う」のであって、「奪って」はいけない)


特に女子に多いのだが、みんなが面白い話ができるわけではないし、そもそも全員に面白い話が求められているわけではない。

だからこそ、トークが得意な人が拾ってあげるのが、愛である。

まず、相槌を打って、ちゃんと話を聞く。
目を見て、リアクションをして、相手の話をちゃんと聞くと、相手の気持ちが乗ってくる。
そうやって話しやすい雰囲気を作っていく。

ここでは相手の会話のスピードをよく観察して、呼吸を合わせることが大事だ。

パーティートークに限らず、トークが苦手な人は、相手の呼吸を読み取ることができない。
早口になったり、会話をかぶせたり、他の人の話を傾聴して深めていくことができない。

相手には相手の話したいペースがある。
それを注意深く観察して、会話のペースをチューニングする必要がある。

ラジオの周波数を合わせるように、呼吸の周波数を合わせることができれば、相手がとても話しやすくなる。

相手のトークを引き出して、気持ちよくさせよう。
特に二人で会話するときは。

そして、みんなでパーティートークするときは「笑い」の要素を入れていく必要がある。
合コンで二人で話している時に、だんだんと周りの人がこっちの話を聞いてくる時をイメージしてほしい。
パーティートークの始まりだ。

みんなが会話に交じるときは、目の前の相手が自分に対して投げてくる会話を、全体に展開する必要がある。

この展開時に必要になるのが、「言い換え力」と「要約力」である。
相手が話している内容を「笑える表現」に置き換える。

途中から聞いてる人でもわかりやすいように、話し手が息継ぎをするタイミングで簡単に要約して伝える。
それは相槌と同じ効果がある。

話の途中で面白いポイントがあるときは、短くツッコミを入れる。

「相手が楽しくなる合コン」、すなわち満足度の高い合コンのコツとは、相手の魅力を引き出し、立てて、盛り上げる合コンだ。
それができれば、合コンの後で悪口を言われることはあまりない。

もちろん、どうしても相性が悪くて盛り上がらないこともある。
それでも、「楽しませる」という基本スタンスを守れば、だいたいが皆満足して「良い思い出」として合コンを振り返ってくれるものである。


大事なのは、愛なのだ。


余談だが、おそらくこのスタンスは「女を口説き落とす」すなわち「魅了する」スタイルの合コンとは違うだろう。
「魅了する」ためには「いかに自分が魅力的か」を魅せていく必要があるのだが、僕はこういうタイプの合コンは苦手だ。

その理由は簡単で、初対面の人に自分のいいところをことさらにアピールするのは就活の面接みたいでムズムズするからである。
大事な話は二人で会ったときにすればいいと思っているし、アピールできるほどの良い部分がないという意味で、やはり「魅了型」のパーティートークは苦手である。


2タイプに分かれるコミュニケーションの取り方

上でも少し書いたけれど、トークには二種類のパターンがある。

「アゲるコミュニケーション」と「サゲるコミュニケーション」である。

対象を自分と相手に分けて考えると、

  • 「自分」を「アゲ」るコミュニケーション
  • 「自分」を「サゲ」るコミュニケーション
  • 「相手」を「アゲ」るコミュニケーション
  • 「相手」を「サゲ」るコミュニケーション

の4つだ。

それぞれのコミュニケーションのポイントは下の画像の通りとなる。


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僕のスタンスは基本的に「自分」を「サゲ」て、「相手」を「アゲ」ることを心がけている。
なぜなら、自分をサゲて不幸になる人は誰もいないし、アゲられて嫌がる人もいないからだ。
そして、自分で自分をサゲたとしても、自信を持って笑いに変えていけば、それによって評価が下がることは少ない。


ただし、仲間をサゲるときは要注意。
イジるときは、相手の良いエピソードを交えて、サゲているように見えて実はアガるように仕向けよう。

余談だが、体育会系のコミュ力低い奴の中には、自分をアゲるために後輩をサゲるような奴がいる。
自分をアゲるために他人をサゲる奴は人間のクズである。

相手をサゲるときは、ありったけの愛を込めること。
そして、傷つけないようによくよく注意すること。
というか、男→男のディスりは基本NGだと心得ること。

ディスっていい人ダメな人

さて、ネットでよく話題になるのが「ディスる」というコミュニケーションだ。
たとえば、恋愛工学のようなモテテクでは、「美女をディスる」ことによって、相対的な自分の評価をアゲることが推奨されている。

しかし、僕が見てきた限り、以下に該当する人は基本的にディスらない方がいい。
関係が壊れる可能性の方が高いからだ。

  • 不細工
  • 貧乏
  • 20歳までモテたことがない
  • リカバリする機転が利かない
  • 語彙力が足りない
  • トークに抑揚をつけられない(トークによる印象をコントロールできない)
  • ツッコミ力が低い

「ディスる」を言葉通りに捉えて「悪口を言う(ダメ出しする)」とすると、


  • 相手との信頼関係が築けていて
  • 自分のほうが立場が上


でもない限り、基本的に不快感を与えてしまう。
(逆に言うと、ディスっても関係が壊れない相手、すなわち「こっちの立場が上となっている相手」をスクリーニングする効果がある)

モテテク本では、「ディスることによって立場が上の人を相対的に引きずり下ろすことができる」とされているが、当たり前のことを当たり前に考えてほしい。

立場が下そうな奴にディスられたら、ムカつくに決まってる。

例外であろうとするのは構わないが、例外は少数派である。
ショボい奴にディスられたら普通はムカつくはずだ。

Pick Up Artistと呼ばれるプロのナンパ師は、最初から自分が主導権を握るようにコントロールするようだが、誰もがそうなれるとは思えない。
(主導権を握ることで、「ディスる」ことが「仲良くなる」コミュニケーションになる)

なので、ディスりの基本方針は以下の画像の通りでいい。


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高校のときを思い出してほしい。
ナチュラルに女子をイジって笑ってたイケメンを。

女子も、「やだ!ばかっ!」なんて言いながら、嬉しそうにしていなかっただろうか。

彼である。
彼のコミュニケーションこそが、勝者のコミュニケーションであり、正しいディスなのだ。


不細工でモテない奴がディスってもダメなのである。


高校の時に地味で女子に相手にされなかった奴がいたとしよう。
俺だ。

たいして面白くもない、それゆえにスクールカーストでも下位にいる。
俺だ。

そんな奴が、いきなりディスってきたらどう思うか?

普通に二度と話したくなくなるだろう。

そういうことなのである。


ただし、ディスるコミュニケーションが活きるパターンが一つだけある。

ツッコミである。

こっちが積極的にディスりにいかなくても、相手が話していることを拾って、ツッコミどころを笑いに変える。
ツッコミにはちょっとくらいディスり要素を入れてもいい。

いきなり説教されたりダメ出しされるとムカつくが、会話のツッコミポイントを拾ってダメ出しした場合は、全く悪口にもならない

むしろ面白い人と認識されるし、場も盛り上がる。
笑いの発信源となれば、主導権を握ることもできる。

このような「サービスとしてのディス」こそが、僕が思う正しいディスである。
というか、頑張ってディスろうとすると、苦しくなってしまう。

それなら逆に、大袈裟に褒めてみよう。
きっと笑えるはずだ。


余談だが、女子がナチュラルにディスるのは大変好感度が高くなるので、自然とディスってみよう。

「私すごいわよ」

みたいに高飛車になるのではなく、悪気もなく天真爛漫にディスってくる女はモテると感じている。
あとは、女子はツッコミができるだけで、「恋愛」から「結婚」に大きく近づくと思うのだが、それについてはまた今度記事にしようと思う。



* * *

ウケる技術 (新潮文庫)

ウケる技術 (新潮文庫)

僕が初めての合コンで打ちのめされた後、何度も何度も教科書として読んできた本がこの「ウケる技術」です。
この本の著者は「夢を叶えるゾウ」で有名な水野敬也さんで、お笑い番組や合コンなどを研究し「ウケる会話のパターン」を徹底的に分析しています。

「キャラ変」、「パロディ」、「ロールプレイング」、「大袈裟」、「カミングアウト」、「過度にへりくだってみる」...。
思い当たる節がある人もいるかもしれません。

たとえば合コンで高飛車な女が現れたとき、

「ささ、姫!座布団のご用意ができましたぞ!(ロールプレイング)」

といって、座布団の埃を払って座布団を献上する...(過度にへりくだる)

みたいなシーン。だいたい「クスクス、何してんのw」という感じで笑ってくれますよね。

普通にウンウン話を聞きつつ、こっちをディスってきた子に

「ちょ!この小娘っ!何を言う!(キャラ変)

なにげにちょっと傷ついたし!(カミングアウト)」

みたいに、キャラ変するのも鉄板です。

そんな風に、ウケる技術を読みつつ、自分の「ウケたパターン」を鉄板ネタにしていくのが、笑いに寄せたコミュニケーションを向上させるコツだと思っています。


「美女と野獣」の野獣になる方法 (文春文庫 み 35-2)

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ことマンツーマンのデートにおいては、「美女と野獣」の野獣になる方法もおすすめです。
割と古今東西のナンパ本のエッセンスが詰まっていますが、世の中のナンパ本と一線を画しているのは、人間に対する愛が溢れていることです。

やっぱり大事なのは愛なんです。