ゴッホが本を書いた。
ゴッホは僕がツイッターで二番目に知り合った人物で、かれこれ知り合って3年以上になる。
一緒に渋谷の街を歩き、銀座の街を歩き、僕の家に泊まり、酒を飲み、六本木のクラブでボロボロになって、悔しい思いもした。
そんなゴッホが、本を書いた。
献本という形で一冊渡してくれたんだけど、自分でもちゃんと買ってからレビューを書こうと思っていた。
そうしたら売れ行きが好調なせいか、アマゾンの野郎が全然発売日に届けてくれないので、感想を書くのが一週間も遅れてしまった。
重版おめでとう。
本を渡してもらったとき。
しっかりとした装丁の、丁寧に書かれた「書籍」に「ゴッホ」の名前があって、自分のことのように嬉しかった。
ゴッホは正直、だらしないところがある男である。
合コンでも店の予約はギリギリだし、連絡ももちろんギリギリだ。
合コン途中で突然行方不明になることもある。
渋谷の街の真ん中でウイスキーとレッドブルを混ぜた謎の液体を一気飲みし、フラフラになりながら渋谷の街を歩く男である。
そんなゴッホが毎日毎日Voicyを発信し、リスナーの質問に真摯に答え、
そしてこんなに立派な本を書いて、僕は息子の巣立ちを見守る親のような気持ちで感激してしまった。
僕はこれまで何十冊と恋愛の本や心理学の本、話し方の本を読んできたが、ここまで明け透けに恋愛を語っている本はない。
幾多の炎上を経験したゴッホなら、本の内容が女子の反発を招くことは発売前に十分に想像できたはずである。
それでも、彼が何年も何年も向き合ってたどり着いた「ゴッホの恋愛の結論」を余すことなく、恐れることなく書いた。
その勇気に称賛を送りたい。
恋愛工学プレイヤーであるゴッホは、誰よりも真摯に、誰よりもひたむきに、誰よりも情熱的に、女の子の心と向き合い続けた男だろう。
一般的には
「一つのことに一万時間以上、情熱を持って取り組むと一流になれる」
と言われている。
その意味で考えると、ゴッホは間違いなく一流の恋愛プレイヤーだ。
彼が恋愛に向き合った時間は一万時間を軽く越える。
『恋愛工学の教科書』には、彼が費やした「一万時間」が惜しみなく注がれている。
少し遠慮がちに「〜かもしれません」という表現が多いのは、
「恋愛には確率の高い選択肢はあるが、絶対の法則はない」
という、彼の経験から得た結論を示しているようにも思える。
絶対の法則がない恋愛でも、「確率の高い選択肢」に価値はあるのだ。
僕も実際に、彼のそばに立ち、ストリートナンパをしたこともあった。
ある日、1時間話すだけで数万円取られる銀座のキャバ嬢を華麗に自宅にお持ち帰りする姿を見たことがある。
華やかでセクシーな銀座のキャバ嬢をタクシーの乗せ、銀座を後にするゴッホの後ろ姿を見守って、家に帰ってオナニーした。
翌朝には律儀に
「昨日はありがとうございました。
無事にゴールすることができました」
と報告のLINEが届く。
そんなゴッホのLINEを見て、あの美しい銀座の蝶を思い出し、僕はもう一度オナニーした。
一時期はそんな場面が多すぎて、
「ゴッホが美女を連れ帰った姿を見てオナニーをする」
という過程を省略し、ゴッホの顔でオナニーしてしまうのではないかと自分自身の想像力に恐怖を抱いていたくらいだ。
界隈では「銀座並木通りのファンタジスタ」と呼ばれる男である。
本の中に詰め込まれたファンタジスタの経験は、多くの恋愛初心者の助けになり、そして力となることを僕は確信している。
- 作者:ゴッホ
- 発売日: 2018/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
本の中で特に役に立った箇所
『恋愛工学の教科書』にはゴッホさんの愛が溢れている。
これまでの恋愛工学の理論を丁寧にまとめ上げ、初心者にもわかりやすいように注意しながら編集されたことがよくわかる。
金融日記のメルマガへのリンクを必ず残し、オリジナルへの敬意も忘れない。
自分のプレイヤーとしての経験から、ツイッターで学んだ理論やテクニックも惜しみなく紹介されている。
『恋愛工学の教科書』では、「出会い方」から「出会ってからの振る舞い方」、「デート中に気をつけること」、そして「女の子のベッドへの誘い方」まで、順番に段階を踏んでそれぞれのシーンで使えるテクニックを紹介してくれる。
特に僕の心に響いたのは、「LINEのアポ取りは減点方式」で紹介されている「禁止リスト」だ。
- 自分のことについて聞かれていないのに伝えない
- 甘えるなど子供のような態度をとらない
- 未読・既読無視、またはアポを断られて拗ねない
- 質問ばかりしない
- うまい言い回しを言おうとしない
- 2回連続のメッセージや通話はしない
- 相手の行動と予定を聞かない
- 容姿・ステータスは褒めない(行動を褒めるべし)
これらの禁止リストを破って返信がこなくなったことはたくさんある。
僕は曲がりなりにもブロガーだ。
「文章で相手を魅了してこそのブロガーだ」と意気込み、頼まれてもいないのに小説のようなLINEを送りつけ、既読無視された。
相手とのLINEが途切れることを恐れ、つまらない質問をしてダメになったこともある。
LINEでの「非モテコミットサイン」として
- 既読チェック
- 着信があったときに、特定の女の子を期待する
- LINEをしていなくても相手のことを考えている
- ハートマークにときめく
- プロフィール画像を拡大して見る
- 昔のトーク履歴を見返す
- 情報収集目的以外に相手のタイムラインを見る
などが紹介されていて、
全部俺やん
と思った。
この生々しい描写は、本人が経験していないと絶対に書けないものだと容易に推測できるので、おそらくゴッホさんもLINEで相手のプロフィール画像を拡大して見ていたことがあったのだろう。
このように、女子とLINEするときの心構えまで踏み込んで、個人の経験が惜しみなく詰め込まれているのも『恋愛工学の教科書』の特徴だ。
恋愛工学の誤解と限界
これまで『恋愛工学の教科書』の素晴らしさを紹介してきた。
一方で、恋愛工学は決して万能ではないということも忘れてはいけない。
『恋愛工学の教科書』を読んで、街に出て女遊びを実践したからといって、たぶん世間一般で言う「モテる男」にはならないし、なれない。
恋愛工学では、
モテ = 試行回数 × ヒットレシオ
と定義されている。
試行回数とは「デート回数」、ヒットレシオは「セックスできる確率」であり、
定義通りに考えると、恋愛工学の「モテ」とは「経験人数」のことである。
この定義は当然ながら世間一般の「モテる男像」とは乖離している。
世間一般では「モテる男」とは、「出会った人に好意を持たれる確率が高い男」のことで、
恋愛工学でいう「ヒットレシオ的なもの」の高い男を指す。
そして、恋愛工学を学んだことで「ヒットレシオ」が高まる割合はそれほど大きくはないのが現状だ。
感覚的には、
- 全くモテなかった人・・・0%→5%
- 普通の人・・・15%→30%
- 元々モテてきた人・・・50%→75%
くらいの効果だと思っている。
ただ、この元々モテなかった人の「0%→5%」は大きな大きな進歩である。
ゼロからイチを生み出すのはそれほどまでに難しい。
これは本当に素晴らしいことだ。
しかし、「Zero to One」に成功した人が恋愛工学に感動して、
「恋愛工学の言う通り!恋愛工学は最強!」
みたいに自信と万能感を持ち始めて、
「俺はモテる!」
と吹聴し始めると、周りからは痛い人扱いされることになる。
Zero to Oneを成し遂げた人が”今”歩いている道は、普通のヤリチンが大学時代にとうに歩み終えた道なのだ。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざを決して忘れてはいけない。
また、恋愛工学はその特性上、アグレッシブに攻める分、悪印象を持たれる確率も上がる。
そして恋愛工学は教義的に、失敗しても自分が心にダメージを負わないように設計されている。
(これは『恋愛工学の教科書』ではなく、本家の『金融日記』側の話)
「自分を理解できない相手が悪い」と思い上がることなく、成功だけに目を向けることなく、失敗を見つめ、
自分を真摯に向き合い、謙虚に自分を向上させていく姿勢が重要になってくるだろう。
言うまでもなく、その謙虚な心構えは男女の良からぬトラブルを避けることにもつながるはずだ。
男女の悲劇は男の自信過剰と女のメンヘラから始まる。
女のメンヘラは止めようがないが、自信過剰は自分が反省することで制御できる。
ちなみに、『恋愛工学の教科書』には随所に「女の子に気遣って、迷惑にならないようにしよう」と啓蒙する描写がある。
その辺も酸いも甘いも経験してきたゴッホさんの気遣いだろう。
恋愛工学を実践してセックスできない人はほとんどいない
ここまで書いてきたように、恋愛工学を実践しても世間一般的な意味ではそれほどモテていない人もたくさんいる。
だが、恋愛工学を実践してセックスできなかった人は見たことがない。
これは恋愛における重要な示唆を与えてくれる。
ことセックスに関しては、どんな人でも数を撃てば当たる
ということだ。
見た目がごく一般的で、お笑い芸人のようなトーク力があるわけでもない。
稼ぎも普通で、スタイルが良いわけでもない普通の人が、「イケメンヤリチン」と同等か、それ以上の女性経験を重ねているという事実は、
モテはともかく、セックスに関しては恋愛工学が有効であることの証左となるだろう。
だから、『恋愛工学の教科書』が気になっている人は、自分の心にこう問いかけるといいと思う。
「俺は...セックスがしたいか?」
と。
答えが「Yes」なら、『恋愛工学の教科書』は迷わず買いだ。
『恋愛工学の教科書』を読んで実践していけば、いつか必ず経験人数が「Zero to One」になる日が来る。
1人が5人になる日もくる。
そして、5人が100人になる日も。
ものすごく下品な話で申し訳ない。
人に語れるような話ではないかもしれない。
それでも、自分の心の声を聞いてみて、そんな下品な心が奥底に存在していたなら、『恋愛工学の教科書』はきっと役に立つだろう。
これから実践していく人に注意してほしい点は2つある。
一つ目は、女遊びは慎重さを忘れずにいてほしいということだ。
特に、これまで女性経験が少なかった人は、相手の表情や仕草から感情を読み取る能力に長けていない人が多い。
そういう人が恋愛工学的なアグレッシブスタイルを取ると、思わぬ事故につながってしまうこともある。
なので、実践するときは慎重さと謙虚さを忘れずにいてほしい。
その慎重さは、男女の関係の発展を妨げるものではないはずだ。
二つ目は、女遊びは時間と金を恐ろしく消費する点だ。
会社員をやりながら毎日のようにデートの予定を入れていると、自分の時間が全く取れなくなるし、貯金も全く貯まらない。
20代に女遊びしすぎると、キャリア的にはちょっと厳しい状況に陥る可能性がある。
女遊びには強い中毒性があるので、
- 出口戦略を立てること
- ファンダメンタルズバリューを疎かにしないこと
- 他人と競わないこと
は忘れずにいてほしい。
自分の経験上、毎夜遊びに繰り出して、日中仕事するのはあまりにも身体の負担が大きかった。
これから遊ぶ人も、身体は壊さないように気をつけてほしいな。
ちなみに『恋愛工学の教科書』では、
「ずっとナンパの最前線で戦い続けることはできない」
という項で、出口戦略について詳しく述べられている。
ゴッホさんの経験から滲み出る言葉は重く、染みる。
『恋愛工学の教科書』は「はじめに」で書かれているように、
- モテるために何をしたらいいのかわからない人
- モテようと努力し始めているものの、成果が出ない人
に向けて書かれている。
ゴッホさんの本を読んで、読者の人生が好転することをゴッホさんは心から願っているはずだ。
もし不安になったり、答えがわからない壁にぶつかってしまったときは、ゴッホさんのVoicyで質問してみるのがいいと思う。
肉声で送られてくるメッセージは本で読むよりも強く心に響く。
きっと背中を押してくれるひと言がもらえるはずだ。
「いつもありがとう」とお礼を言いたいのはこっちだ。
素晴らしい本をありがとう。
楽しく読ませてもらいました。
出版、おめでとう。
- 作者:ゴッホ
- 発売日: 2018/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)