銀座の定番カフェ「資生堂パーラー」で歴史を感じてきたよ!



僕はカフェを愛している。
よく晴れた週末の朝、カフェを訪れコーヒーを頼む。

窓から差し込む暖かい日差しの中でコーヒーと甘いパンを食べながら、自分の好きな本を読む。
至福の時間だ。


僕はカフェを愛している。
デートに使えば、お酒を飲んで体調を崩すこともない。
20代前半の遊びはいかに体力を削るかの勝負だった。でも、30代のデートはいかに体力を節約するかの勝負だ。

飲んだ日の夜はすぐに眠くなってしまうし、翌日の生産性を下げてしまう。
時間が限られた社会人は、お酒の量をコントロールする強い意志を持たなければならないが、それはとても難しい。
酒は悪魔的にうまいからだ。

その点、カフェは最高だ。
なんとなく、お酒を飲むという空気にはならず、美味しいコーヒーとケーキを食べるだけで幸せな気分になれる。

仲良くなった子とのデートであれば、カフェで一緒に読書するのもいい。
ずっと話し続けると疲れてしまうが、本を読みながら休憩がてら会話をするのは楽しい。


僕はカフェを愛している。
行ったことのないカフェにワクワクする。

東京は穴場のカフェで溢れていて、街中いたるところに素敵なカフェが隠れている。
まるで僕に見つけられるのを待っているみたいに。


そんなカフェを愛する僕が、今まで気になっていたカフェが「資生堂パーラー」であった。
銀座のカフェ界隈では、グッチ・カフェと並ぶ定番デートスポットとなっている。


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資生堂パーラーの歴史は古い。

1902年。
日清戦争の8年後に銀座の街角にソーダを売る店ができた。

現代ほど女性の権利が重視されていなかった時代に、「女性が安心して訪れることができる西洋喫茶空間」として愛されていた店こそが、資生堂パーラーの前身である。


1928年。
世界恐慌が始まる1年前、店名を「資生堂アイスクリームパーラー」として、西洋料理を提供するレストランとして営業を開始。
市民に愛され、当時は「成功率の高いお見合いの名所」とも呼ばれていた。

太平洋戦争後の1962年。銀座8丁目に資生堂パーラービルを竣工。
2001年に大規模な建て替えが行われ、「東京銀座資生堂ビル」として復活。

その「東京銀座資生堂ビル」の3階にあるのが資生堂パーラーである。

資生堂パーラーほど都民に愛されたカフェも珍しい。
どれくらい愛されたかというと、永井荷風、川端康成、三島由紀夫の文章に登場しているくらいだ。


定番のお見合いスポットでもあったこのカフェは、現代のデートを成功させるための良い願かけにもなるだろう。


★ ★ ★


銀座の三越前から新橋側に向かって5分くらい歩くと、資生堂ビルに着く。
赤褐色の色が目印で、道に面して「SHISEIDO PARLOUR」と出ているので、すぐにわかるだろう。
ユニクロ側の道を歩いていけばいい。


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休日に行くとほぼ間違いなく30分以上待つことになる。
資生堂パーラーは人気店なのである。

一度名前を書けば外出も可能なので、名前を書いて銀座の街を歩くといいと思う。
30分という時間は、買い物するには短すぎるが、銀座の街を歩くにはちょうどいい。
有楽町まで歩いて帰ってくると、ちょうど30分くらいになる。

銀座には美味しそうなお店がたくさんあって、歩いているだけで楽しい。
最近は中国人が異常に多いが、だからといって何か困ることはない。


客層は落ち着いたマダムやちょっと歳をとった男女が多い。
スタバと違って、大学生や高校生はほとんどいないのが特徴だ。


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資生堂パーラーのコーヒー。
僕が愛するルノアールのコーヒーに若干似ている気がするが、美味しい。

太宰治が小説の中で丹念に愛でたという、この真っ白のテーブルクロスはフランスのリネンメーカーに特注している。
実に歴史のあるテーブルクロスなのである。


そしてフレンチトースト。


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資生堂パーラーでは苺のパフェを注文するのが定番だが、あえてフレンチトーストを頼んだ。
なんとなく、食べたかったからだ。

とにかく甘い。
中学生の時、初めてできた彼女に口づけしたときのような甘さだった。

フレンチトーストは家で作れば100円で作れるが、資生堂パーラーだと1,500円くらいする。
これは歴史の重みだろう。我々は先人が築き上げてきた歴史の上に立っているのである。
歴史を軽んじてはならない。


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こっちは名前忘れた。1,500円くらい。
これも甘い。高校1年生の時にできた彼女から送られてきた1通目のメールくらい甘かった。
口の中でとろけて混ざる。あのときの僕の恋心みたいに。


これらのスイーツを食べると、普通に夜ご飯を食べたくらいにお腹いっぱいになる。
体内の血糖値の急上昇を感じた。これは確実に太るやつだ。


銀座には素敵なカフェがたくさんある。
僕が行ったことのあるカフェだと、ミタスカフェやスズカフェはむしろ夜のデートにも使えそうだ。

資生堂パーラーは昼のカフェである。
コーヒーと共に、目の前の人とゆっくりと流れるような時間を過ごしたい人にすすめたい。
そこに下心が介在する余地はない。

コーヒーを愛でる全ての人よ。
銀座の資生堂パーラーで歴史を感じてみるのはいかがだろうか。



東京カフェ散歩 観光と日常 (祥伝社黄金文庫)

東京カフェ散歩 観光と日常 (祥伝社黄金文庫)

この本の125pで資生堂パーラーが紹介されていて、それがきっかけで興味を持ちました。
自分なりの「東京カフェ散歩」を記事にしたいですね!