悪いことは言わないから、高校生は好きな人ができたら告白しなさい



自分ができなかったことを振り返って若者に偉そうにアドバイスを送るのは、年を取ったおじさんの特権だ。

高校時代を振り返ると、もっと勉強しておけばよかったとか、もっと筋トレの大切さに気付いておけばよかったとか「やっておけばよかったな」と思うことはいくつもある。

過去を振り返り後悔する大人なんて格好悪いとディスられがちだけど、時間が経ったからこそ「もっとうまくできたな」と反省できる部分も見つかるものだ。

そんな中、こんなクリスマスの日に高校生に伝えられる何かがあるとしたらやっぱり、


「悪いことは言わないから、高校生は恋をしたら告白しておきなさい」


ってことかな。


君には好きな子がいるだろうか?

もしいないなら無理しなくてもいい。
恋はいつでもできる。焦らずいこう。

小田和正という、おじさん世代の歌手はこんな曲を歌っていた。

「ラブ・ストーリーは突然に」


英語で恋に落ちることを"Fall in love"というらしい。
恋はいつか突然に落ちてくるから心配しなくてもいい。

木からリンゴが落ちるように、君という重力に引かれて恋が君に落ちてくる。
もしかしたら明日にでも、角を曲がった先で食パンをくわえた女の子とぶつかるかもしれない。


もし君に好きな子がいるのなら、告白しなさい。

今日すぐに、明日すぐに告白しろとは言わない。
でも一週間以内に告白しなさい。

「やろう」と決めたことは一週間以内にやってしまわないと「いつかやろう」と有耶無耶にしたまま何もせずに終わってしまうからだ。

一週間で美容室に行き、最高にカッコいい自分になって、連絡先を聞き、LINEを送り、「少し会えないかな」と話しかけて、告白しなさい。


もしかしたら「あの子がすごく好きだけど、この子だったら自分でもイケそう」みたいな贅沢な悩みを持っている人もいるかもしれない。

悪いことは言わない。

君にとっての一番の人に告白しなさい。


一番の人との恋愛と、妥協した人との恋愛ではその後の充実感がまるで違う。
一番の人だからこそ、胸が苦しくなるくらいに悩んだり、帰り道にスキップしたくなるくらい嬉しい気持ちになれたりもする。


おじさんになると「好きな子」という言葉を文字にして打ち込むだけで恥ずかしくなるものだが、高校生の恋はいいものだ。

廊下ですれ違っただけでドキドキして、連絡先を交換できたらその子のことで頭がいっぱいになる。
そんな風に真剣に恋愛ができるのは、中学生から高校生の間だけだ。

人間が100年生きると言われている人生で、恋に胸をときめかせることができる時期はとても短い。

大人になってからもきっと恋はできるけど、気になる女の子と廊下ですれ違ったりしないし、マイムマイムが流れる文化祭で好きな子を探すようなイベントもない。

毎日同じ時間に同じ建物に来て、同じ時期にテストを受けて、同じ体育館で一緒に走るなんてイベントは、中学から高校までの6年間が終わったらもう二度とない。


悪いことは言わない。
好きな子ができたら告白しなさい。


おじさん特有の「いきなりの自分語り」をすると、僕は基本的に「待ちの男」であった。
告白して振られたりしたら、カッコ悪いと思っていたからだ。

全然カッコ悪くないぞ。

これはきっと人生を通じて言えることなんだけど、リスクを取らない人間にリターンはない。

大きな喜びも、震えるほどの感動も、やっぱり思い切ってチャレンジした人しか味わうことのできないものなんだと思う。
そして残念ながら、高校時代の恋愛の緊張感や、胸が詰まるような幸せな気持ちは、僕はもう二度と経験することができない。


「振られたらどうしよう」

と勇気が出なくて迷ってしまうのも痛いほどわかる。

学校に行くのが辛くなるんじゃないかとか、悲しくて眠れなくなるんじゃないか、と心配になるかもしれない。

でもその心配は無用だ。

これは僕がおじさんになったからこそ言えることであって、高校生からすると「せやかて工藤...」とツッコみたくもなるだろう。

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せやかて工藤の人

良くも悪くも、高校時代の恋愛の失敗は、長い人生で見たら無視できるほど小さいものだ。
同じように高校時代の恋愛の成功も、一生で見たら小さいものなのだろう。


高校生で素敵な人に出会い、恋をして、告白し、お付き合いできたとしても、そのまま結婚まで至る人は100人に1人もいない。

ほぼ全員別れる。

100年先も愛を誓うよ、君は僕の全てさ

などと歌った君も、きっと別れる。

君たちの一部は社会に出て、一部は大学に行き、サークルやバイトで新しい人に出会い、新しい人間関係の中で色々な人に影響を受け、価値観が変わり、高校時代あんなに愛した誰かを愛せなくなる日が来る。

それでも君の恋には価値はある。
今この瞬間に生きる君たちは、今の年齢でしか味わえない幸せを全力で噛み締めることができるからだ。


席替えで隣の席になれただけで幸せを感じたり、連絡先を交換できただけでずっと笑顔でいられるのは、高校生の特権だ。

悪いことは言わない。
恋をしたなら告白しなさい。



この記事で散々煽られた君が、明日にでも行動を開始し、大好きなあの子に「好きです。付き合ってください」と伝えたとしよう。


もし告白が成功したら?

おめでとう!
君は今から人生最高の毎日を過ごすことになる。

毎日の幸せを噛み締めよう。


でも一つだけ約束してほしい。


彼女のことだけで頭がいっぱいになって、君の大事な仕事をないがしろにしたりはしないって。

部活や勉強をサボったり、彼女のインスタを眺めてばかりで他に何も手が付かない腑抜けにはならないと、おじさんと約束してほしい。


これは「彼女を愛してはいけない」という意味ではない。


たのもしい男であれ、という意味だ。

自分のやるべきことはしっかりやる。
自分のやるべき分野で結果を残し、学校で注目されて、自分に自信を持ち、大好きな彼女にふさわしい男になるんだ。


おそらく女性はいくつになっても、

「女のことで頭がいっぱいになるような恋愛体質の男」

をたのもしいとは思わない。

しっかりと自分を持ち、日々の研鑽を忘れないようにしていこう。
そして彼女にとって、尊敬に値する彼氏になろう。


もし告白が失敗したら?

大丈夫!
男を磨こう。

人生では恋愛ゲームのルールが変わる瞬間が何度もある。

残念ながら君は今の彼女の心を掴むことができなかった。

でもまだ君は高校生だ。

勉強しよう。

イケメンや部活のヒーローがモテる高校の中では気付かないかもしれないけれど、どうやら大学生は偏差値が高い方がモテるらしい。

君が逆転を果たす瞬間はもう少し先にある。

大学に入ったら勉強と仕事を頑張って、髪型を変えて、オシャレでノリの良い雰囲気を作っていこう。

君が行動さえすれば、数え切れないほどの女の子と出会えるし、そこで新しい恋をしたり、成人ならではの大人な関係を築いたり、色々と楽しいイベントも待ってる。

もしかしたら高校時代うまくいかなかった子と成人式で再会して、また突然にラブストーリーが生まれるかもしれない。

ちなみに僕の場合、成人式で中学時代の可愛かった子と再会し、とても楽しい飲み会へとつながった。

君の可能性は無限に広がっている。


振られてヘコんでいる仲間に対し、おじさん達はこう言った。

「しょげないでよベイベー」

と。

青年よ、告白に失敗したからって気にすんな。

君は何も失っていない。可能性だらけだ。


よし、準備は整ったな?

早速告白だ。

良い2020年を迎えよう。


あと最後に、君が大学生になってまだ僕のことを覚えていたら、もう一度このブログを見に来てほしい。

大学生になった君に伝えたいことがあるんだ。

記事のタイトルは、

「悪いことは言わないから、大学生は彼女を3人作りなさい」