俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

日経新聞でよく見る「FinTech」という言葉がよくわからなかったので、入門書を読んでまとめてみた。




日経新聞を読んでいると、3日に1回くらい「FinTech」という単語を見ます。
現在の流行(2000年代のITバブルのような)を理解するにあたって、FinTechの理解は必要不可欠なものなのでしょう。

いつまでも理解を曖昧なままにするのは気持ちが悪いので、本を一冊読んでみました。
マネーフォワードの辻庸介さん、瀧俊雄さんが書いた本です。

FinTech入門

FinTech入門

内容を簡単にまとめるので、「単語は聞いたことあるけどよくわからん」という人の参考になればいいなと思います。

FinTechとは、金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語のことです。
金融と技術の融合のことを言います。

たとえば、マネーフォワードを使ったことがある人はいるでしょうか?
僕のiPhoneにもマネーフォワードは入っているのですが、アプリひとつで複数の銀行口座の残高を表示することができます。
証券口座の残高も含まれていて、アプリを立ち上げることで、資産残高を日々確認することができます。

このように、金融と(比較的新しい)テクノロジーが組み合わさることで、ユーザーの利便性が大きく向上している状況を指して、FinTechと呼んでいるのでしょう。

実は金融とテクノロジーが融合し、大きく金融業界が変わったことは以前にもあります。
1998年にインターネット証券会社の新規参入が認められ、インターネット証券がサービスを競い合った結果、誰もが安価に投資できる時代がやってきました。

昨今ではボラティリティが高まっていますが、その一因として、コンピューターによる売買が行われていることが挙げられます。
アルゴリズムトレードと呼ばれるものです。

金融とテクノロジーの組み合わせによる改革は、主にBtoBの分野で進んでいたように思います。
そして、ここ最近はスマホアプリなどと金融が融合して、一般消費者に金融のテクノロジー化が届き始めています。

このような流れを(これまでとは別の新たな潮流として)FinTech2.0と呼ぶこともあるようです。

なぜ今になってFinTechが注目されているのか?

大きな理由は開発コストが下がったからです。
複雑な金融システムを開発するには、これまでは大量の人員を投下し、セキュリティに細心の注意を払い、規制に守られた産業の中で四苦八苦してシステム開発を行う必要がありました。

しかし最近になって、クラウドを活用して安価なサーバの構築が可能になりました。
Amazon Web Serviceが最も有名ですが、高価なサーバを購入せずとも、サーバの機能を利用することが可能になりました。

次に、オープンソースの活用が進んだことです。
世界中のプログラマがプロダクトを公開し、そのプロダクトに対し、世界中のプログラマが修正を加える。
そうやって出来上がった安全な製品を利用する(悪い言い方をすればただ乗りする)ことによって、システム開発のコストが大きく下がりました。

命に次に大切なお金を扱う以上、セキュリティには十分に気をつける必要がありますが、それでもずいぶん開発しやすい環境になったと本には書いてあります。
オープンソースを活用し、より早い開発プロセスで新たなサービスをリリースする。

ユーザからのフィードバックを受けて、サービスを改善し、またリリースする。
その繰り返しの中で、あるサービスは淘汰され、あるサービスはより洗練されて生き残ってシェアを拡大していく状況が今です。

大手企業も黙って見ているわけではなく、そのようなベンチャーを買収する動きが活発になっています。
移りやすいユーザの心を追いかけるには、大企業の意思決定のプロセスは長すぎて向いていない。
ベンチャー企業はより短い承認プロセスで、どんどんサービスをローンチできる。

そして、生き残ったサービスを大企業が買収することで、ベンチャーは事業売却の道を、大企業はサービスを手に入れることができるのです。

それでは、具体的にFinTechと呼ばれるサービスを見ていきましょう。


個人資産管理(Personal Financial Management)

本の中で最初の例に挙げられていたのが、PFMです。
これ、最初に使った時はびっくりしました。感動したとも言えます。

まさかこんな簡単に、銀行口座の残高を確認できるとは…。

PFMは個人の資産を管理するサービスです。
複数ある銀行にある残高をリアルタイムで把握することができます。
カードの引き落しをワンストップで確認する。証券口座の残高を毎日把握する。
などといったことが、一つのアプリでできます。

代表的なサービスは以下。家計簿アプリと言われている。

MoneyForward
日本を代表する家計簿アプリ。
https://moneyforward.com/

Zaim
同じく家計簿アプリ。女子に人気が高い気がする。
レシートを撮るだけで家計簿を付けることができる。
https://zaim.net/


Mint(ミント)
家計管理アプリ。
16,000もの金融機関の口座情報と連携。
https://www.mint.com/


Acorns(エイコーンズ)
ユーザーがクレジットカードで買い物をした際に、端数を自動的に投資一任運用商品(ラップ口座)の購入に当てる。
https://www.acorns.com/


HelloWallet
法人をターゲットとしたPFMサービス。
実際に利用するのは従業員。企業の人事部にアカウントを販売している。
福利厚生の一環として使える。

http://www.hellowallet.com/


LearnVest
資産の管理状況をもとに、フィナンシャルプランナーに相談できるサービス。
https://www.learnvest.com/

PFMはスクレイピングからAPIへ

上に書いたPFMは現在、基本的にユーザー情報を受け取って、スクレイピングして情報を取得しています。
スクレイピングとは、WebサイトのHTMLを解析して、必要な情報を引っ張りだす技術のことです。
スクレイピングには問題があって、データ取得対象の銀行のデザインが変更になったらHTMLも変更されるため、データ取得できないこともある点です。
あまり変更がないことにはないのですが、HTMLの変更をいちいち追っかけないといけません。

そこで期待されているのが、銀行側からのAPIの提供。
APIとは、Application Program Interfaceの略で、この文脈での意味は、ある情報を取得するための入り口のことです。
たとえば、三井住友銀行の貯金残高を知りたければ、

http://なんとか銀行/savings/balance

というURLを叩いてね、そうしたらデータを渡すよ、というもの。
このように、金融機関がAPIを開放したら、FinTechサービスがものすごく作りやすくなるわけです。
それ以上に、セキュリティのリスクが大幅に上がってしまうのですが。

APIが開放された場合、MoneyForwardやZaimの競合は一気に増えそうですね。

その他にも色々なFinTechサービスがあります。

FinTechは大きな概念なので、具体的に見ていくのが一番わかりやすいです。

<会計分野>
freeeや弥生会計オンライン。
確定申告を簡単にやってくれたりする。


<資産運用>
ロボットが資産運用のアドバイスをする。
・お金のデザイン「THEO」
・ウェルスナビ「Wealthnavi」


<クラウドファンディング>
「融資型」「投資型」「寄付型」がある。
お金を出して株式を得るのが投資型。
寄付型は、公共性や福祉性の高いプロジェクトにチャレンジしたい人や団体に、応援の気持ちを込めて送るもの。

・米エンジェルリスト「AngelList」
・米キックスターター「Kickstarter」
・ジャパンギビング「JAPANGIVING」
・トラストバンク「ふるさとチョイス」
・レディフォー「READYFOR?」
・マクアケ「Makuake」

その他は「決済」「保険」「不動産」などもFinTechのいち分野として扱われています。
ネットで健康保険が買えるようになったことも、FinTechの流れということですね。ライフネット生命みたいな。


以上、FinTechの基礎のまとめでした。

FinTech入門

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