超人気ブロガーの宮田レイシープさんの「左手を添えずに食事をする人とは一緒に食べたくない」という記事を読みました。
私は他人と食事をするときにどうしても気になってしまうことがある。
それは、左手をきちんとお皿やお椀に添えているかどうか、だ。
食事の際に、左手を(左利きの人は右手を)机の上に出してお皿やお椀に添えることは一般的なマナーとされている。私は子供の頃、親から本当にしつこく指導された。「左手!」という母親の言葉が今でも頭の脳裏に焼き付いている。
だから、たとえそれが職場の上司であったとしても、目の前で食事をしている人間がだらーんと机の下に左手を伸ばしていたりすると、気になってしまい食事どころではなくなってしまう。
「一緒に食事している人のマナーが気になってしまう」という話から続き、それを指摘するのが非常に難しいという話をしています。
彼らの家庭では、左手を添えることなど食事のマナーではなかったのだろう。その振る舞いを何ら問題ないものだと思って食事をしている。
そんな背景の人間に、「あなたの食事の仕方、間違ってますよ」と言ったらどうなるだろう。間違いなく険悪な雰囲気になる。
東京で色んな女の子と食事をしていて思うのは、
「育ちのいい子は皆共通して食事のマナーを叩きこまれている」
ということです。
逆に、地方出身の子や、親があまり厳しく無さそうな子だと、皿に箸を立てて箸を持ち直したり、左手をダランとして顔を突き出して犬みたいにモノを食べる人の割合が増えます。
何を隠そう僕自身、社会人になるまで食事のマナーなんて全然わからないままでいました。
親はちゃんと指摘してくれていたと思うのですが、ワガママで自分勝手に生きてきたため、聞く耳を持たないまま大人になってしまったからです。
小さいころに見たドラゴンボールの悟空のようなドカ食いに憧れ、グシャグシャにモノを食べていました。
困ったことに、大人になってしまうと、マナーのことなんて誰も指摘してくれなくなります。
マナーがなってない側の人間にとっても、本人としては「それが普通」だと思って食べているため、いちいちマナーを指摘されたらムカつくでしょう。
いきなり
「お前、食べ方汚いな。直せや」
なんて言われても、
「うるせぇハゲ!お前の生え際の方が汚ねぇよ」
と言い返したくなると思います。
宮田さんが述べるように、よっぽど仲良く、よっぽどその人のためを思っていないと、食事のマナーのことを面と向かって指摘することはできません。
結果として、マナーが身に付いていない人は、誰に指摘されることもなく、行儀の悪い食べ方を続け、
周りの人も「みっともない人だな」と思っても口に出すことはできず、食事を楽しむことができぬまま時間が過ぎていってしまいます。
僕自身が食事の作法を全然知らなかったからわかるのですが、マナーというのは、知らないうちは気にならないんです。
別に箸で刺されても気にしないし、箸を皿に立てて持ち替えても気にしない。
でも、一度マナーを学んでしまうと、人のマナー違反が気になるようになってしまいます。
大人になってからマナーを学んだ僕が気になるんだから、小さい頃から親に躾けられ、呼吸レベルでマナーを身に付けた人からすると、みっともない食べ方は気になって仕方ないでしょう。
もちろんマナーがちゃんとしてなくてもモノを食べることはできます。
箸の持ち方だって、汚くても食べ物を口に運ぶことはできる。
それでもマナーを身に付けなければならない理由は、マナーは自分のためというよりも、周りの人のためにあるものだからです。
その根底にあるのは「思いやり」と「気遣い」です。
たとえば。
食事の際、顔が正面を向いている=同伴者を大事にする心を表現する
盛り付けを崩さず食べる=料理人の心を尊重する
料理を一口サイズで運ぶ=会話を途切れさせない意志表示
というような、周りへの配慮がマナーなのです。
マナーとは、一緒にいる人が心地よく料理を楽しむための「共通のルール」ということもできます。
パスタをズルズル音を立てて食べ、箸を交差して持ち、スープをすすっていた僕が、食事の作法を直すことができたのは、社会人一年目の時に付き合った子が本気で僕のことを叱ってくれたからです。
正直言って、20歳を過ぎてマナーのことを本気で怒ってくれるのは、恋人くらいだと思います。
友達は本気で叱ってはくれません。
逆に言うと、この記事を読んだ人は、彼氏(あるいは彼女)のマナーをしっかり叱ってあげてください。
マナーのことを誰にも指摘されないままだと、将来絶対に損するからです。
彼のためを思うなら、どんなに自信満々でドヤ顔の彼氏だとしても、心を鬼にして指摘してください。
その指摘は、言われた直後は腹立つかもしれないけれど、何年も経った後に絶対に感謝することになります。
20歳以上のマナーは恋人に叩き直してもらうしかない。
これが僕が身を持って実感したことです。
ちなみに、どんなに言われても箸の持ち方は全然直らなかったのですが、この「矯正箸 正しいお箸の持ち方 しつけ箸」というアイテムを使って毎日家で食事していたら、自然と直りました。これは本当に良かったです。
子供の矯正には「エジソンのお箸」という小さな箸があるのですが、こちらは小さすぎるので大人にはこっちの「しつけ箸」が断然オススメです。
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では最後に、手元にある本に書いてあるマナーのTipsを紹介します。
マナーのNG集
- 顔を前に突き出して食べる犬食い
- 箸で人を指す刺し箸
- フォークを天井や相手に向ける
- 箸を持つとき、人差し指に力が入りすぎて箸と指で三角形を作ってしまう
- フレンチで力を入れすぎてカチャカチャ金属音を鳴らす
- くちゃくちゃ音を立てて食べる
- 魚の頭や骨を食べ散らかす
- 飲み物を飲む時にあごを上げる
- 箸先を舐めるねぶり箸
- 箸を器の上に置いてしまう「渡し箸」
- フォークの背に食べ物をのせてはいけない
- フォークは右手に持ち替えてはいけない
マナーのOK集
- 箸を持つ時は人差し指の力を抜く
- 一口サイズ(3cm大)で食べて会話を続ける
- スープはすするのではなく流しこむ
- ナイフで静かに切るためには、指先で「押す」のではなく、腕全体で「引く」
- 魚を食べ終わったら骨は半分に折って、コンパクトにまとめる
- 飲み物を飲む時は、あごを上げるのではなくグラスを傾ける
- 飲み物を飲む時は、指を揃えてグラスを持ち、脇を締める
- ご飯は手前から奥へ、箸先3cmではさめる量をとって食べる
- 箸置きがないときは箸袋で代用する
- 寿司はシャリではなくネタの部分に醤油をつける
- フォークは「腹」の方に食べ物をのせる
OK集とNG集を色々書いてきましたが、細かい作法は「世界一美しい食べ方のマナー」という本に書いてますので、体系的的に勉強したい人はこちらを読むといいかもしれません。
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料理の写真を撮る行為について
レストランで写真を撮る行為はやはりマナー違反ではあるが、現状、ソーシャルからの口コミによる影響はものすごく大きく、スマホのカメラに映える料理を出す店が流行るのは時代の必然。
— Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) 2016年7月14日
料理の写真を撮るのは本来マナー違反ですが、今の時代になると、さすがにそんなこと言っても仕方ないと個人的には思います。
料理の写真は、店にとっては無料の広告になることと、
食べる方にとっては「店に行ったことを人に知らせたい」という欲求を叶える事にもなるので、周りのお客さんに迷惑をかけなければwin-winなのではないでしょうか。
なので、お店の人に聞いて、写真を撮ってもOKであれば、無音カメラで写真を撮るのもアリなのではと思っています。もちろん、同伴者が嫌がるのであれば、写真は封印したほうがいいでしょう。
店・周りの客・同伴者の三点確認がOKだったら、しれっと写真を撮る感じですかね。