俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

無表情な女




ペアーズチャレンジの記事です。

oreno-yuigon.hatenablog.com


★ ★ ★

ひっそりと、誰にも気づかれないようにペアーズを始めた。
一ヶ月以内で辞める予定で。

せっかく始めたペアーズだ。ものは試し。
色々とチャレンジしたい。


今回は記念すべきペアーズ1人目のアポの話。
(いいね数350の清楚系。写真はクラスの真ん中くらいに見えた子。会ったら中の下)


向こうからイイネが来て、とんとんとLINEを交換した。
LINEを交換してから3日くらいで、俺の最寄り駅に来る予定があるというので、待ち合わせしてちょっと会うことになった。

メールは感じがよく、素敵な子だったらいいな、と思いながらアポの時間に備えた。

待ち合わせの直前に、LINEをする。

私は白い服と花柄のスカートを履いてます

わかった!銀座で一番かわいい子探すわ

と、会う直前にメールを送ったあたりからなんとなく、反応が悪くなった。

チャラい男が嫌いな女なんだろうか?

緊張しすぎて過呼吸になりそう

じゃあ、会うのやめますか?



え?


なんですか、この子はシャレの通じない子なんですか?

この辺からきな臭い感じがしてきた。


待ち合わせ場所付近で、電話をする。
声のテンションが低い。

なんとなく、不機嫌なようにも見えた。
何よりやばそうな雰囲気は会って1分くらいで気付くものだ。



苦しかった。

会う前から用意していたルーティーン「全部Googleのせいだ」を出せそうにもない。
店を探す時に迷ったら問答無用でGoogleマップを悪者にする技である。

しかし、この子の前でそんな冗談を言ったら、ゴミを見る目で見られると思った。


地上にいるのに、水の中で溺れているようだった。
空気が重く、息が詰まる。

早く時間が過ぎてほしいと思った。

カフェに入る。

コーヒーを頼み、話をするも、全く話が盛り上がらない。

会話は全て単語と単文で行われ、話を広げようとする素振りがない。


俺はカカシとしゃべっているのだろうか?


俺は、彼女のことを思い出しながら、この記事を書いている。

iPhoneを取り出し、ホームボタンを長押しした。

そう、Siriだ。

彼女はSiriの妖精だった。

こちらの質問には答えるが、自分を語らない。

ねぇSiri。
君の心を教えてよ。


無表情だった。
辛かった。

こんなに話ができないのは数年ぶりだった。
沈黙が苦痛で、何もかも投げ出して、お金を置いて逃げ出したかった。

こいつは、何しに来たんだという疑問が頭の中を駆け巡った。


全く話が盛り上がらない。

褒めてもダメ。
ディスってもダメ。

彼女は返事のない屍のようだったが、屍になりたいのは俺の方だった。

途中、いきなり、

会社何ですか?

と聞かれた。

こいつは会社何ですかbotなのだろうか?

なんとなく、このサボテンに個人情報を知られたくなかった。
信頼関係なんて何もなかったからだ。

プライベートは守らねばならない。
こんなブログを書いている人間が言うことではないが。

何度も何度も聞かれたから仕方なく勤務先を答えたら、

「へぇ」

と一言。

そこから何も話は発展しなかった。

何のために聞いたのだろうか?

彼女を落胆させてしまったことには違いない。

質問を返すように、こっちが

XXちゃんはどんな仕事してるの?

と聞いても、曖昧にしか答えなかった。
探ろうとする気持ちが伝わる。

相手と心を通わすには、自分の心をオープンにしなければならない。

お互いに心を開いて、自分のことを話し、相手の話も聞かなければ、信頼を築くことはできない。
そして、信頼を最も遠ざけるものは、懐疑心なのだ。

時計を見ていると、

時間大丈夫ですか?

と聞かれた。

セコンドからタオルが投げられたように感じた。
試合終了のゴングだ。

ホッとした。
もう少し一緒にいたら、死んでいたかもしれない。

そしてこの気持ちは、彼女も一緒だったのだろう。
どうしたらよかったんだろうか?

全く楽しくなかった。きっと、お互いに。

出会ってしまったことが間違いだったのだろう。

出会ってしまってごめんよ。
俺は君を楽しませることはできなかった。

お別れした後に、そっとLINEを非表示にした。
きっと、彼女も同じことをしたのだろう。

それから二度と、彼女と連絡することはなかった。

悪い夢を見ていたようだった。