「Facebook系のアプリの浸透により、ネットを通じた出会いはかなり敷居が低くなった。
今では普通の子も、普通にFacebookアプリをやって、普通に出会ったりしてる。
でもな、俺は色んな子に会ってきたけど、彼女たちに共通していることがたった一つだけある」
恋愛の達人は、ゆっくりとコーヒーを飲み、話を続けた。
「彼女たちは、自分がアプリをやっていることを、誰にも言ってないんだ」
「ネットの出会い」という「出会い方」に抵抗がある女の子は多い。
「出会うこと」ではなく、「出会い方」に抵抗がある。
恥ずかしくて、友達には言いづらい。
この傾向は、あと3年は変わらないと思う。
彼女たちは「いいね」をしてきた人と何度も会っている。
「いいね」が300以上ついている子に会ってみて、
「あなたが初めて会った人」
というパターンはあまりない。
仮に、口では「初めて」と言っても、裏では会っていることがほとんどだろう。
彼女たちは、ネットを使ってでも出会いがほしい。
だからいろんな人と出会って値踏みしている。
それでも、出会い方は清純でありたいと願っているものなのだ。
その心理を逆手にとればいい。
デートの一次会の場で、十分に信頼関係を築いてからやるのが効果的だ。
「俺たち、出会えてよかったよね(*´▽`*)」
「うん」
「でさ、ちょっと思ったんだけど、あのアプリで会ったって友達に言いづらいじゃん?笑」
「わたし誰にも言ってないw」
「だよねw
じゃあさ、別の出会い方したことにしない?笑
たとえば・・・、品川駅で迷ってる○○子を助けた、とか?笑」
「それ、ナンパじゃんww私がナンパについてく女になるじゃんww」
「大丈夫だって、○○子がそんな子じゃないってのは、俺はもう知ってるからw
でしょ?
でも、結婚式で馴れ初めを話すとき、『ネットのアプリで会いました』って言いづらいやん?笑」
(←ここで、「結婚するという前提を暗黙に仕込む」)
「言いづらい言いづらいww」
「だから、ちゃんと出会い方をどういうことにするか、二人で考えて、二人だけの秘密にしよね(*´ω`)」
(←ここで、「これから一緒にいる」という前提を暗黙に仕込む)
このように、女性が共通に持つ引け目を逆手にとって、暗黙の前提を無意識に刷り込む。
毎回同じことを言っているが、かなり効果的にワークするのは間違いない。
もし同じようなパターンの出会いがあったら、試してみてほしいと思っている。
ポイントは、暗黙の前提を刷り込ませることだ。
* * *
彼の言う通り、僕は出会った女の子に暗黙の前提を仕込んでみた。
「俺たち、出会ったよかったよね」
この後に、「よかった」と言われ、あとは定番の流れで好きになってくれるはずだった。
「...」
「出会ってよかったよね」
「...」
「出会って」
「うーん、そうでも...ないかな」
彼女はまっすぐ駅に帰っていった。