わけもなく流れる涙に気付いたとき、自分の中のメンヘラが目覚めたのだと思った。
流れる涙が止まらない。
これがメンヘラの世界なのか。
それから鼻水が出て、くしゃみが出始めた。
これは一体なんだ...?
穏やかな早春の陽射しに、まだ冷たさの残る風が首筋を撫でていく。
外を歩くと気持ちが高ぶり、何か幸せなことが起こりそうな気がする。
そんな幸せな気分をぶち壊しにする目の痛みと鼻水。
ゴーグルを付け忘れてプールに入ったときのように、目がジンジンと痛む。
そうか。
これが花粉症なんだな。
ついに俺も発症してしまった。
みんなが苦しそうにしてるけど、自分には無関係だと思っていた春のアレルギー。
ついに俺もなっちゃったよ。
辛い。
外は晴れてて、澄んだ青空がこんなに気持ちが良いのに、花粉のせいで憂鬱になるのが哀しい。
これでいいのか?
運命は自分の意志で切り開かなければならない。
花粉ごときに俺の幸せを邪魔させるわけにはいかない!
というわけで、花粉症を少しでも緩和するためにツイッターで話題になっていた「花粉ブロック」を試してみました。
購入したのは3つです。
少しでも花粉の影響を小さくできたら、この春をもっと楽しむことができるのに。
と祈るような想いで買ったのがこの商品です。
そもそも
「なんでスプレーをかけたら花粉がブロックできるのか」
の理屈がわからなかったので、仕組みから調べてみました。
どうせならここで花粉のウンチクを学んでいきましょう。
なぜスプレーで花粉をブロックできるのか?
特許情報プラットフォームというサイトから「花粉吸着防止剤に関する特許」を検索してみました。
使いづらいサイトですが、「花粉吸着防止剤」と検索すると、資生堂が申請した2件が見つかります。
で、特許によると、
「ポリマーと呼ばれるイオン基を花粉吸着防止剤に混ぜることで、花粉の吸着を防げることがわかった」
的なことが書いてあります。
IHADAの有効成分に「ポリクオタニウム-51」というのがあったので、これがポリマーなんだと思います。
似たような技術を使っているフマキラーのアレルシャットの公式サイトに動画での解説がありました。
陽イオンポリマーと呼ばれるプラスのイオンが顔全体を覆う見えない透明な膜のような役割を果たします。
花粉やほこりがプラスの電荷を持っている場合は、プラスとプラスなので反発します。
マイナスの電荷を持っている場合は吸着します。
このように花粉が膜に吸着されたり反発されたりするので、結果として体内に侵入するのを防ぐことができます。
体内への侵入を防ぐことでアレルギー反応を抑えることができる、という仕組みです。
エーザイのクリスタルヴェールのサイトによると、ウイルスの侵入も防ぐ効果があるそうなので、インフルエンザや新型コロナウイルス対策にも多少は有効かもしれません。
ただ、この特許を読んでも、
・目に直接入ってくる花粉を防げるのか?
・鼻に直接入ってくる花粉をイオンで反発させることができるのか?
という点はわかりませんでした。
効果を過信しすぎることなく、
・花粉が侵入してくる量を少しでも減らす
くらいを期待して使うのがいいと思います。
「スプレーをかければ全部OK」と考えるのではなく、マスクをして、できれば眼鏡をかけて、外から部屋に入ったら花粉を払い、ひどいときはアレグラなどの薬も飲むように、
「花粉対策の手段のひとつ」
として使うのがいいと思います。
ツイッターで「IHADA」と検索すると、たくさんの人が
「効果があった」
「資生堂ありがとう!」
と感謝の言葉を述べています。
中には
「エタノールが入っているから肌に弱い人には向いていない。フマキラーから出ているアルコールフリーのものが良い」
という意見もあります。
過信はせず、でも気休め以上の効果があるものとして使うのがいいでしょう。
色んなメーカーから色んな商品が出ているので、自分で試して自分に合うものを買うのが一番です。
実際に使ってみた感想
正確に検証するには、
- 花粉量が同じ日に
- 体調も同じくらい良好で
- スプレーを吹きかけた場合と
- スプレーをかけない場合で
- 複数人を対象に
- たまにフェイクでプラセボを混ぜ込む
みたいなことをしながら比較する必要があります。
特に
「花粉ブロックをかけたから大丈夫な気がする」
という思い込みはけっこうあるので、
「良くなった気がするのは本当に花粉ブロックのおかげなのか?」
という点はよくよく注意して検証する必要があります。
とはいえ、このような検証を個人でやり切るにはまず僕自身が分裂したり、同じ花粉量の日を作ったり、神のような所業が必要になるので、あくまで「個人の感想」レベルの話になってしまいます。
それで、僕個人の感想としては
効果はあった
と思います。
もちろん、花粉ブロックのスプレーをかけたからといって、目の前が晴れ渡り、青空が広がり、肩こりが治り、女にモテて、全く鼻水が出ず、目も痛くない...なんてことはありませんが、それでも花粉症の症状を軽減する効果は感じています。
スプレーをかけてない日よりも、スプレーをかけて外出した日の方が、目が痛くないのです。
フマキラーのような霧吹きタイプだと、肌全体に水をかけなければいけません。
肌の乾燥が気になる、という人はジェルの方がいいです。
僕は乾燥肌で、水が蒸発するときに肌の水分を持っていってしまうため、びしゃびしゃに顔を濡らして外出すると後で辛くなることがあります。
デートの前に乾燥して顔から粉が吹き出てしまう...なんて事態を防ぐために、ジェルタイプとミストタイプを使い分けるといいでしょう。
降りかかる面積が大きい分、花粉ブロックの効果はジェルよりもスプレーの方が大きかった気がします。
顔がビシャビシャになるのが嫌だという人の中には、アース製薬のアレルブロックを購入する人もいるようです。
Amazonで購入したい方は下記のリンクから買えます。
花粉症とはそもそも何なのか?
エスエス製薬の花粉症のサイトによると、花粉症とは
「花粉(=アレルゲン)が体内に入ってきたときに、それを排除しようとする免疫反応によって、鼻水・鼻づまり・くしゃみなどの症状が起こること」
だそうです。
スギ・ヒノキ・イネなどの花粉が目や鼻、のどから体内に入ってくると、リンパ球が花粉に反応してIgE抗体という抗体を作ります。
花粉症の原因を調べると色々なサイトが出てきて惑わされますが、シオノギ製薬のサイトがわかりやすかったです。
<シオノギ製薬 花粉症 − 花粉症には早めの治療が大切 ~あなたに合った花粉症対策を始めましょう>より
なぜ大人になって突然花粉症になるのかというと、スギ花粉に対するIgE抗体が発症に至る量まで体内に産生されるには、通常20年〜30年ほどかかるからです。
「アレルギーの要因」を「水道から落ちる水」すると、私達の身体は「蛇口の下にあるコップ」です。
少しずつ少しずつアレルギーの発症要因が積み重なっていって、コップから溢れたときに発症します。
本来は体内から異物を取り除くためにある正常な反応が、結果として私達を苦しめてしまうのは悲しいですね。
長々と書いてきましたが、伝えたいことは3つです。
花粉は辛いけど、春を楽しもう。
花粉は辛いけど、花粉症の症状を軽減させる方法はある。
花粉を消滅させることはできないけど、自分の中に入ってくる花粉を減らすことはできる。
春を楽しむために、できることをやっていきましょう。
花粉ブロックは、そのための手段の一つです。
鼻と目の洗浄を習慣づけると快適
外から帰ってくるとしばらく目が痒くて辛かったのですが、帰宅後すぐに目と鼻を洗浄するように心がけるとだいぶ楽になりました。
花粉はさっさと洗い流しましょう。
鼻の洗浄液は色々と試しましたが、「アルガード 鼻すっきり洗浄液」が一番使いやすいです。
「ハナノア」よりもこぼれにくく、容器の移し替えなどがいらないためです。
目の洗浄はどれもあまり変わりませんが、「アイボン」が使いやすかったです。
外に出たら目や鼻にある程度の花粉が入ってくるのはどうしても避けられません。
花粉をブロックするスプレーで花粉の侵入を減らしつつ、帰宅後はすぐに目と鼻を洗浄するのが辛い花粉症の季節を乗り切るのに有効だと思っています。