mixiが流行ってた頃から日記にハマり、mixiが廃れてからも紙の手帳に日々の出来事を書き続けてきた。
このブログも始めてから3年が経ち、たくさんの人に読んでもらった。
継続が力になり、文章を書くことに関しては人よりも長けているだろうと自負してきた。
それでも、書けば書くほど次々と至らない部分が見えてくる。
たとえば、最近ハッと気付いたのが文章の余白。
このブログの訪問者の80%以上はスマホで記事を読んでいるんだけど、スマホはPCに比べて画面が小さい。
何を当たり前のことを言っているのだ、と思われたかもしれないが、記事をPCで書いていると
「スマホの画面」
を意識するのが疎かになってしまう。
それの何がダメかというと、余白が少ないのだ。
PCの大きな画面だと気にせず読めた文章も、スマホだとそうはいかない。
スマホは横幅が狭いので、1行に入る文字数が少ない。
なので、一文が長いと画面が文字で埋まって「黒く」なってしまう。
読み手はこの「文字ばかり黒い画面」にものすごくストレスを感じてしまうのだ。
それに気付いてからは、意識して改行を増やした。
意図的に余白を作り、読者に負担を掛けないようにしている。
文章をちゃんと勉強しようと思って、今年から始めたことがある。
一つ目は、小説を読んで心に響いた文章をノートに書き写す活動で、この作業は表現のパターンを増やすことと、語彙力を増やすために役に立っている。
僕はふざけた文章はそれほど苦労なく書けるのだけれど、情景を描写する能力が足りない。
たとえば、最近読んだ「アキラとあきら」から。
「立花はキャンパスのあちこちにある水たまりが真っ青な空を映しているその美しさに、心洗われるような気分に浸りながら歩いた」
「いつの間にか深くなった顔の皺が年輪のように刻まれ、苦労のあとを滲ませている」
このように、読者の想像を掻き立て、情景をイメージさせるような文章を書く能力が今の僕には足りない。
村上春樹だともっと凝った比喩を使う。
「ノルウェイの森」から。
「それから彼女は僕の方を向き、にっこりと笑い、少し首をかしげ、話しかけ、僕の目をのぞきこむ。
まるで澄んだ泉の底をちらりとよぎる小さな魚の影を探し求めるみたいに」
これは小説史上最高のメンヘラ、直子が主人公の顔を覗き込むシーンの描写である。
めちゃくちゃ可愛くないですか?このメンヘラ。
「そんな一対の美しい瞳が長いあいだ僕の中をのぞきこんでいた。
それから彼女は背のびをして僕の頬にそっと頬をつけた。
それは一瞬胸がつまってしまうくらいあたたかくて素敵な仕草だった」
人の心情を的確に表す比喩表現を書くのはとても難しい。
息が詰まるくらい大好きだった人のことを頭に思い浮かべても、その気持ちを読者に伝えられないことが歯がゆい。
でもいつか、僕の心の中にあるものを、もっと美しく伝えられたらいいな、と思う。
そのために、毎日引き出しを増やしていきたいと考えて始めたのが、この写経活動だ。
毎日ノートに1ページ。
5年続ければきっと、自分の文章表現も変わるだろう。
次に、ウェブに向けた文章の書き方をちゃんと勉強することにした。
昔パラパラと読んだ本もあるけれど、僕はあまりにウェブに無知すぎる。
もっと検索エンジンを知らなければいけないし、もっとウェブ向けのライティングテクニックも磨かないといけない。
ナタリーの「新しい文章力の教室」を読んで、自分の文章の未熟さを反省した。
この記事の上の方で書いた余白の話もウェブライティングの本には常識的に書かれている。
本を読んでおけば、多大なる時間を費やして
「自らの気付き」
のタイミングを待たなくても、自分の問題点に早めに気付くことができる。
学ぶことが多すぎて目まいがするが、少しずつ文章を改善して、読者に読みやすく面白い文章を届けられるよう進化したい。
ただ、最後に一つ、忘れてはいけないことがある。
文章を上達させるにはものすごく長い時間をかけて、学ばなければいけないこともたくさんある。
しかし、いちばん大事なのは、
「継続的に書き続けること」
である。
ただ勉強しているだけでは絶対に書けるようにならない。
少し雑でも下手くそでも、毎日書き続けなければいけない。
「お勉強」によって知識を増やすだけではダメで、自分でアウトプットすることが大切だ。
そうじゃないと、学んだことは右から左に抜けていって、何も残らなくなってしまう。
- 自分で何かをアウトプットする
- アウトプットした内容について本を読んでみる
- あ、こういうところが足りなかったんだな、と気付く
- 次から自分のアウトプットに改善点を取り入れる
- これをずっと繰り返す
というのが、上達のコツである。
これは文章に限らず、スポーツやプログラミングも同じ。
全ての道で、上達するためには
「自分で何かアクションを起こしてから勉強する」
という鉄則を守る必要がある。
勉強は楽しい。
本を読むと頑張った気になれるし、頭を捻ってアウトプットする必要もないので、気が楽だ。
僕はこういう時間の使い方をして、2年以上プログラミングを勉強しても全く書けるようにならなかった、という苦い経験がある。
読者の人は僕と同じ轍を踏まないように、必ずアウトプットから始めることを心がけてほしい。