AmazonやYahooも初期デザインは超ダサかった。
完璧を目指すよりもまず終わらせろ。
未完成でもさっさと出せ!時代はアジャイルだ!
みたいな話は、リーンスタートアップが流行り出してからよく言われるようになった。
引用元:AmazonやYahoo!など、超有名ウェブサイトの初期デザインまとめ
ブロガーの中でも
「テキストこそが本質」
「文章が面白ければそれでいい。デザインはおまけに過ぎない」
という主張は昔からよくある。
よく引用されるのは「Words」というタイトルの、文章だけのウェブページだ。
当ブログ「俺の遺言を聴いてほしい」の圧巻のダサさを見てもらえばわかるように、僕もデザインを気にしない人間であった。
読者にウケそうな文章を書けばそれでいいんだろ?なんて思っていた。
が、その考え方は読者に甘えていたと言わざるを得ない。
人間がコンテンツに集中できる時間は短くなっている
混み合っている電車で身動きがとれないとき、人がいじっているスマホの画面が見えることがある。
そのとき驚いたのが
「ほとんどの人は一つの画面を1分以上見ていない」
という事実である。
次から次へとアプリを切り替え、一つのコンテンツを集中して読むことをしない。
画面を流して、さっと見て、次のコンテンツに移っていく。
読んでいない。眺めている。
スマホ上にコンテンツが溢れていて、ユーザーはかつてないほど忙しくなっているのだ。
一つのコンテンツに集中している暇はない。
インスタをチェックして、ツイッターを見て、LINEに返信して、スマートニュースでバズった記事を眺める。
せわしなく、次々とコンテンツを切り替えるのがスマホユーザーである。
きちんとコンテンツを見てもらいたいのであれば、作り手側もユーザーが留まりたくなるような配慮をしなければならない。
「コンテンツが良ければいいっしょ」
ではなく、ユーザーに何らかの利益や心地よさを提供しなければ、作ったコンテンツを利用してもらえないのだ。
「俺様の記事に酔いな」的なスタンスが通用するのは、もともと読者が著者のファンであったり、ソーシャルメディアで誰かが熱心にリコメンドしたからであって、それ以外のユーザーには著者のナルシスト戦略は通用しない。
ブログ記事は最後まで読まれない
先月からGoogleAnalyticsとタグマネージャーを連携して、ブログのスクロール率・読了率を計測し始めた。
丁寧に書いたつもりの記事でも、最後まで読んでくれている人は半分程度。
検索からの流入ユーザーの場合は、検索意図に合っていなければすぐに離れていってしまう。
自分の文章の未熟さももちろんあるが、それだけではない。
検索ユーザーに対しては、
「なるべく早い段階で結論を書く」
「その記事を読んでどんなベネフィットが得られるのかを明確にする」
などの施策が必要であり、ソーシャル経由のユーザーに対しては、
「記事冒頭に掴み入れて、次の展開を期待させる」
みたいな、ユーザーを離さないように文章を組み立てる必要がある。
ユーザーを離さないように工夫しないと、ユーザーは20%程度スクロールした段階で、さっさと離脱してしまうことがわかった。
ユーザー体験が悪ければすぐに飛ばされる
昔のAmazonの画面はダサかった。
Yahoo!もFacebookもYouTubeもダサかった。
それでも違和感なく利用できていたのは、その頃はデザインの標準レベルが低かったからだ。
ウェブのコンテンツは飽和しておらず、情報は取捨選択するものではなく、少ないコンテンツを宝物のように楽しんでいた。
古き良き時代のテキストサイトは僕にとって忘れられない「インターネットの思い出」でもある。
現在は人に優しく、見やすく、使いやすいデザインが当たり前になっている。
GoogleやFacebook、Instagram、LINE...どれも人間に優しく、直感的にわかりやすいデザインで作られている。
有料テーマを使ってブログを書く人も増えて、見やすくわかりやすいコンテンツが世の中の標準になっている。
デザインは相対評価である。
デザインの標準レベルが上がった結果、ユーザーの「当たり前の基準」も高くなっており、「ユーザーに優しくないデザイン」のサイトはそれだけでマイナス評価されるようになったのだ。
デザインがショボいサイトはどんなに中身が良くてもショボく見えてしまう。
昔みたいに「良いコンテンツを作ればいい」のではなく、「良いユーザー体験を与えなければ、良いコンテンツではない」のだ。
似たようなコンテンツが溢れているので、使い心地が悪ければユーザーはすぐに離脱してしまう。
そして二度と帰ってこない。
デザインはユーザーエクスペリエンスに計り知れない影響を与える。
ユーザーを中心に据えて
- 見やすさ
- 読みやすさ
- 使いやすさ
- わかりやすさ
を追求し、数字を見ながらサイトを改善していかなければならない。
デザインの重要性は高まっている。
デザインは「良ければプラスになるもの」ではなく、「良くなければユーザーに相手にされなくなるもの」だからだ。