大谷翔平選手の夢を叶えたマンダラチャート「オープンウィンドウ64」の作り方と使い方



打って良し、投げて良しの鬼神のごとき活躍を見せる大谷翔平選手が話題です。



彼は高校1年生のときに


「8球団からドラフト1位で指名される」


という目標を立てました。


ネットでずいぶん話題になっていたので、このマンダラートを見たことがある人もいると思います。

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マンダラートとは、9つのマスをを埋めていくことでアイデアを整理し、思考を深めるためのツールです。


大谷翔平選手が作ったシートはマンダラートの一種で「オープンウィンドウ64」と呼ばれるものです。

マンダラチャートと呼ぶ人もいますが、どちらも意味は同じです。


この「オープンウィンドウ64」は以下の手順で作成します。

  1. 9 × 9の計81マスの中心に一番達成したい目標を書きます
  2. 目標の達成のために必要な「基礎思考」を中心の目標の周りに8つ書き出します
  3. 8つの「基礎思考」を外側の9 × 9のマスの真ん中に置きます、その周りに8つの「実践思考」を書きます
  4. 外側に置いた「基礎思考」の周りに8つの「行動目標」を書きます


文字だけだとわかりづらいですが、後で実際に作成しながら説明します。


基礎思考とは中心の目標を達成するために必要な基礎的な要素です。


「基礎的な要素」って何?


と思うかもしれません。


基礎的な要素とは「心・技・体・生活」のことです。

技術や体力だけではダメです。

メンタル。
つまり、心構えについても触れなければいけません。


「心・技・体・生活」は具体的に、以下のような観点から考えます。

  • 「心」
  • メンタルの強さ、ポジティブ思考、感情コントロール、感謝の心
  • 「技」
  • スキルの向上、キャリア、ノウハウ、自己分析、努力
  • 「体」
  • 体力づくり、健康、体調管理
  • 「生活」
  • 仕事をしていないときの過ごし方、交友関係



大谷選手が作ったマンダラートは「一流の達成力」という本を書いた原田隆史さんの理論を元になっています(たぶん)


一流の達成力

一流の達成力


ちなみに日本ハムファイターズ選手教育ディレクターである本村幸雄さんは、原田隆史さんの「教師塾」の出身です。

「教師塾」で学んだ内容は日ハム選手の育成にも活かされています。


ここからは大谷選手の例を見ながら「オープンウィンドウ64」の作り方を説明していきます。

STEP1.中心に一番達成したい目標を書く

シートの真ん中に書くのは


「自分が成し遂げたい目標」


です。


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これから書く全ての項目は、真ん中の目標を達成するためにあるものです。


一番達成したいことを書きましょう。


真ん中に書くのは定量的な目標でも定性的な目標でも構いません。

とはいえ、誰もが挑戦できて、再現性のあるものを目標に落とし込んだほうが、そこから広げていった行動目標なども具体的に見えてきやすいです。

再現性があるものとは、売上目標、資格取得、大会優勝などの他に、収入、地位、ダイエットのような数値化しやすいものがあります。

STEP2.中心の目標を達成するために必要な基礎思考を8つ書く


重要だと思う要素から上から時計回りに書きます。

8つの項目には「心・技・体・生活」の要素ができるだけ入るようにします。

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社会人になると


「目標は定量的に評価できるものにせよ」


と口を酸っぱくして言われるので、「技」や「体」の目標が増えてしまいがちです。


しかし、「周りの人間への感謝を忘れない」とか「日々を楽しむ」みたいな、数字で測れないものを基礎思考として入れるたほうが目標の達成率が上がります。


また、目標を立てる軸を「自分」だけに置かず、「他者の観点」を含めるとなお良いです。

「チームにどう貢献するか」とか「社会にどんな影響を残したいか」のような、「自分の周りに対してどう振る舞っていくか」を考えます。


「心・技・体・生活」のバランスを考えてマスを埋めていくことが大切です。


STEP3.目標達成のために実践する具体的な行動目標を書く


これまで書き出した8つの基礎思考を達成するために実践する行動目標を定めます。

これを実践思考と呼びます。

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8つの基礎思考の外側にある9個のマスに、基礎思考を達成するための具体的な目標を定めます。

ちなみに大谷選手の目標について、本の著者の原田さんは


「技術の目標に対して、それを達成するための期日まで落とし込まれていれば、さらに良い目標になったと思います」


と述べています。

私たちが作るときは期日を意識しましょう。


実践思考では数字や期日などを明確に定め、具体的で定量的な行動目標に落とし込んでいきます。


行動目標は2つの観点で考えます。


「期日行動」


と、


「ルーティン行動」


です。


期日行動とは、読んで字のごとく、


「中心のテーマに向かって、いつ何を行うのか、期日を決めて定める目標」


のことです。


誰が、いつ、どこで、何をするかということを設定します。


具体的には


「12月までにブログで月間100万PVを達成する」


とか、


「8月までにベンチプレス100kg上げる」


のようなものです。


ルーティン行動とは、習慣化する行動を指します。


「毎日200回素振りをする」


とか、


「毎日欠かさずブログを書く」


というような、目標達成のために実践する日々の行動です。


人間が何かを習慣にするには通常、3週間かかる言われていますが、原田式ルーティーンチェック表では


ルーティーンチェック表を作り、14日間全てに○が入れば習慣化した


と見なして良いとされています。


ルーティン化したい行動をリストにして、「その日できたか、できなかったか」を毎日チェックしましょう。


そして、必ず14日間は連続でやり続けましょう。


本の中でも


「技術を習得する目標に対しては、ルーティンによる繰り返しの効果が大きい」


と言われています。


大谷選手は、技術の目標に対しては全てがルーティン化され、日々休まずに継続しています。


イチロー選手も同じでしょう。


真ん中の目標を達成するために、日々の行動をルーティン化するのが成功の道だと強調されています。


打席に立って二試合連続でホームランを打ったと思ったら、次はピッチャーとしてパーフェクトな結果を残した大谷選手です。


そんな大谷選手とて、一日にして出来上がったわけではありません。

日々、目標に向かって愚直に鍛錬を積み重ねてきたのは間違いないでしょう。


大谷選手のようになるのは無理ですが、大谷選手がどのように目標を定め、努力してきたのか。

それを理解して、自分たちの行動に取り入れることで、人生が前向きに変化していく可能性は十分あると思っています。