「人を不快にさせずにイジる」を成功させるための3つの条件



人をイジるのは難しい。

大前提として、人をイジるときはとびきりの愛情を込めなければならない。

自分を格上に見せるためにイジったり、合コン中に話のネタにするためだけにイジる人も稀にいるが、これはどちらかというとイジリというよりイジメに近いからやめた方がいい。

やられた方も嫌な思い出が残るし、一緒にいる人もハラハラして楽しめない。

愛のないイジリは誰も得しないので一切しない方がいい。


一方で、イジる側が愛情を持ってイジッているつもりでも、イジられる側は不快に感じることもある。

田端さんと梅木さんがツイッターでやり取りしているのを見かけた。
梅木さんは田端さんのイジりが不快に感じたこともあるという。


僕は田端さんがたびたび梅木さんをイジッているのを見ていたが、それによって梅木さんの印象が悪くなったり、ダメな人だと思ったことは一度もない。

どちらかというと、仲の良い人同士のじゃれ合いのようにも見えて、少し羨ましくもあった。

このように第三者からは楽しんでいるように見えても、本人が楽しんでいるとは限らないのが難しいところだ。


梅木さんは田端さんのイジリは弱い者いじめに近いと主張しているし、そこから派生してなぜかツイッター論に発展しているように見えるが、踏み込んだ話は当事者同士の関係性がわからないと何も言えないので、ここでは語らない。


「人をイジる」が成立するには3つの条件が揃っている必要がある。

  • イジられる側のプライドが高くないこと
  • イジる側とイジられる側の位置関係・立場が明確であること
  • お互い「場を盛り上げる」という目的を共有し、コンセンサスが取れていること


人を不快にすることなくイジるためには、これら条件を全て満たしていなければならない。

どれか一つでも欠けていたら「イジらない」が正解となる。


一つ目の「イジられる側のプライドが高くない」という点。
これはとても大事な視点である。

プライドが高い人はイジられることに敏感に反応する。

なぜかというと、「イジられる」ことによって、自分が下に見られているように感じたり、馬鹿にされているように感じてしまうからだ。

だから、プライドが高い人をイジってはいけない。
不快な思いをさせてしまうし、誰かを不快にさせて良いことは一つもないからだ。
下手すると恨まれてしまうこともある。

イジるならプライドが高くなく、「みんなに構ってもらえて嬉しい」と感じるような、末っ子気質の人がいい。

そしてイジる際は、イジられる側にも「反抗する余地」を残しておかないといけない。


イジられて腹が立ったときに反論できる関係性ができていないと、イジられる側がストレスを溜め込んでしまう可能性がある。

イジる側、イジられる側に確固たる信頼関係が構築されている必要がある。


二つ目の「二人の立場が明確である必要がある」という点。
これも重要だ。

自分が明らかに「下に見ている人」からイジられると、たいていの人は怒る。

「イジる」という行為の最中は、一時的にせよ上下関係が生じる。
イジる側が上からイジることになる。

なので、できれば先輩と後輩の関係や、上司と部下、尊敬する親友と弟分のような関係性ができている中で、上から下に向かってイジるのが望ましい。

さらには下から上にツッコミ返せるような、緩い上下関係ができていればベストだ。

お互いが心の中で無意識に持っている序列を考慮せずにイジってしまうと、人を怒らせてしまう可能性がある。

慎重に、相手との関係性を見極めるべきだ。


三つ目の「コンセンサスが取れていること」について。
これもとても大切だ。

合コンの場でイジるなら、

「合コンを全力で盛り上げる」

「周りを笑わせる」

という点について、お互いに合意が取れている必要がある。

たとえばヒデヨシアカウントでは、盟友であるゴッホさんをたびたびイジることがある。
女子垢がゴッホさんを話題にするたびに、ゴッホさんは誰々に似ていると吹き込んでいるのだ。


これについては、お互いに口には出さずとも「エンタメである」という意識が共有できていると思っている(信じている)

ツイッターランドを盛り上げたい、という意識を共有した上で、「どんな芸能人にもなれるゴッホ」を演出しているつもりである。
(もし怒ってたらごめんね)


自分を例に出してしまったのは申し訳ないが、飲み会の場だろうと、社内の立ち話だろうと、お互いが「ネタだよ」ということを共有できているといい。
そうすれば、イジり方によって人間関係を崩してしまう可能性は低くなるだろう。


他にもイジり方にもいくつかの定石のようなものがある。

たとえば「褒めながらイジる」。

「寝顔めちゃくちゃ可愛いけど寝相悪いよね」

みたいな、具体的に素敵な部分を褒めながらどうでも良さそうな部分をイジるテクニックだ。

他には「誰も傷つかないところをイジる」とかね。
埼玉に住んでいるをディスるとか、群馬で生まれたことをイジるとか、個人の能力と関係ない部分はイジったとしても、それに対して怒る可能性は低い。

このように、関係性を考慮しながら、その場にいる人が楽しめるようにイジることが大切だ。


最後に、イジられる方の心構えとして、できれば「やられている」という発想をポジティブに捉え直して「おいしい」と思えるといい。

もちろん、イジる側が気をつけなければならないというのは大前提なんだけど、あまりにも刺々しくして、

「イジった奴は全員倒す」

みたいな怖い人だとみんなも話しかけづらいだろう。

適度なスルースキルと場を楽しむ余裕を持てるように心がけておくといい。

僕もまだまだ余裕が足りないので、イジられる状況をもっと愛せるように自分を変えていきたいものだ。