都会のサラリーマン怒りすぎ問題と、ストレスマネジメントの大切さ



ストレスが身体に与える影響を軽く調べると、ざっと以下のようなものがあるらしい。

  • 高血圧
  • 心臓病
  • 下痢
  • 便秘
  • 偏頭痛
  • 肩こり
  • ネットニュースをだらだらと見てしまう
  • 言葉が乱暴になる


「風邪は万病の元」とも言われるが、実はストレスも万とは言わないまでも、百くらいの病気の元にはなってそうだ。


さて、なんで急にこんな記事を書き始めたかというと、ふと冷静に一日を振り返って、世界が怒りに満ちていることに気付いてしまったからだ。


僕たちはものすごくストレスフルな世界にいながら、それほどストレスを意識することなく生きている。


朝。


電車から吐き出されてくるサラリーマンの顔を冷静に観察してみた。


みんな、イライラしているように見える。


せかせかと階段を上り、ゆっくり歩いている人に舌打ちし、人混みの中でもみくちゃになりながら、みんなが眉間にしわを寄せている。


そこにあるのは目に見えない「怒り」である。


電車から降りると、今度は駅員にキレているサラリーマンがいた。


「なんで電車が遅れたんだ!」


と殴りかからんばかりの勢いでまくし立てている。


駅員にキレても失った時間は取り戻せない。

それでも彼は、怒らずにはいられなかったのだ。


行き場のない怒りを発散せずにはいられなかったのである。




武蔵小杉駅が混みすぎて入場規制されたらしい。


朝の武蔵小杉駅に立ち寄ったことはないのだが、ここに怒りが渦巻いていたのは想像に難くない。


朝の通勤電車はたくさんの人間の「怒り」で満ちている。


名前も知らない誰かが発する「怒りの感情」に触れていると、知らぬ間に魂を消耗してしまう。



通勤電車が辛いのは、時間や身体の問題だけではない。

色んな人の怒りが自分の精神を蝕んでいくのが辛いのだ。



* * *


職場を見渡すと、どこかしらに怒っている人がいる。

怒られている人もいる。


誰かが発散した怒りが伝播し、それが次の怒りを呼び、また誰かが怒り始める。


世界に


怒りの連鎖


のようなものができている。


宮本武蔵の生涯を描く漫画『バガボンド』では、

斬り合いの果てに天下無双を目指す姿を「殺し合いの螺旋」と表現した。



僕は現代のサラリーマンこそが、殺し合いの螺旋の中にいるように感じている。



高校生の頃や大学生の頃を思い出しても、こんな日常的に怒りに触れたことはなかった。


毎日誰かと笑っていたし、何かに追われることもなかった。

毎日怒っている人を見ることもなかった。


というか、怒っている人は頭がおかしい人だと思って、避けてきた。


それが今では毎日毎日、誰かの怒りに触れて生きている。


この常時怒りに触れている状態って、実はけっこうなストレスになっているんじゃないだろうか?


知らないうちに僕たちは超絶ストレスフルな環境の中にいて、ものすごく精神を消耗してしまっているのではないだろうか?




田舎に住んでいた頃は、時間がゆっくり流れているように感じた。

我先にと周りを跳ね除けて電車に乗ろうとする人なんていなかった。



みんな、のんびりしていたと思う。


都会の人は歩くのが早い。

みんな、何かに追われてせかせかと歩いている。


それが何かはわからないけど。




家に帰ってツイッターを眺めると、誰かが怒っている。


知らない人の言動に対して怒りを表明し、議論している人がたくさんいる。

会ったこともない人に怒りのリプライをぶつける人もいる。


ツイッターで議論したところで、他人の意見を変えることはできない。

議論の後に残るのは、恨みと憎しみだけである。



* * *


こんなストレスフルな生活では、ストレスマネジメントはとても大切だ。

ちょっと検索するとストレスを解消する方法として、

  • 運動する
  • 飲みに行く
  • 女の子と優勝する
  • よく寝る
  • 三食食べる

など色々と紹介されているが、もっと大事なのはストレスの原因に近付かないことだと思う。


最強のストレスマネジメントは、ストレスの原因を遠ざけることだ。


まず通勤電車。


数年通勤電車を使ってきて、改めて気付いた。


通勤電車は100%人間を不幸にする。


通勤電車で幸せになる人はいない。


本を読んで時間を潰すこともできるが、何より電車に乗ったり降りたりするときに触れる無数の怒り。

これは確実に人間の精神を蝕んでいると思う。


ちなみに僕が人生で最も可愛い女の子と出会ったのは駅のホームだったけど、通勤電車ではない。


できることなら、通勤電車に乗らないで済む場所に引っ越した方がいい。

自分の時間は増えるし、通勤電車で消耗していた体力を別のもっと大切なことに使うことができる。


通勤電車は辛いぞ。



会社でのストレスマネジメントは難しい。

どうしても他人に影響されてしまうからだ。


会社員はよほどゆるふわな環境じゃない限り、構造上「怒りの螺旋」の中にぶち込まれてしまうように見える。


特に厳しい競争の中で利益を追求する会社ではその傾向は顕著だ。


ニッチな市場を独占している企業や規制産業は割とゆるい雰囲気があるらしい。



会社でのストレスを解消する手段は、


「なるべく相手を好きになること」


くらいなんじゃないか。


悪いところよりも良いところを探す。


「ムカつくやつにムカつくことを言われた」


と思うと腹が立つので、ちょっと頑張って好きになる。


「好きだ好きだ好きだ」


と3回唱えればちょっと好きになれるから不思議なものだ。




あとはインターネット。


インターネットで怒るのは本当にもったいない。


「見てイライラするものは、見なければイライラしない」という当たり前のことに気付こう。


嫌なものをミュートすれば、世界は平和になるのだ。


嫌なことを発信する人はだいたい決まっているので、見つけるたびにミュートしていけば優しい世界ができあがる。


あと、匿名掲示板のような人間の悪意が渦巻く場所にも近づいてはいけない。

自分のことが書かれてなかったとしても、間違いなく精神に悪影響を及ぼす。


人は、他人の悪意に簡単に影響を受けてしまうのだ。


悪意に触れすぎると、他人が信用できなくなる。


もっと人間を愛するためにも、悪意を放つ場所からはできるだけ距離を置かなければならない。



人と人の関係の中で生きている限り、ストレスをゼロにするのはとても難しい。


だからせめて、自分がコントロール可能な部分でストレスの原因を取り除き、少しでも平和な環境を作ろう。

それはこのストレスフルな社会を生きていくための自衛の手段でもあるのだ。