俺の遺言を聴いてほしい

これは俺の遺言だ。

「働き方改革」が浸透しても早く帰ろうとしない人たち



「働き方改革」の進め方


電通の高橋まつりさんの過労死事件があってから、社会が労働環境の改善に大きく動き出した。

好景気が続き、雇用の売り手市場が続いていることも背景にあるが、世の中はまさに「勤め人春の時代」である。


「働き方改革」を背景に、自分の職場でも


「生産性を高めて早めに帰宅しよう」


という風土を作る動きが現れ始めた。


別の会社に勤務している友達の様子を見ても、大企業ほど


「早く帰る」


ことを推進しようとする傾向が見える。


また副業解禁の流れに伴って、様々な働き方を模索する動きも現れ始め、2017年から2018年は「日本人の働き方の転換期」とも言えるだろう。


この流れは景気が悪化しない限りは続いていくものと思われる。


さて、好景気の中、企業は慢性的に人不足である。

その中で「働き方改革」の名のもとに生産性の向上に努め、みんな早めに帰ろうと努力している...はずだ。


そして、人が足りない問題とは別に、効率化できる部分はたくさんある。


実際、古い企業はどこも同じだと思うが、社内に無駄なプロセスがとても多い。


無駄な資料、無駄な会議、無駄な承認プロセス...。


それらの無駄を思い切って削れば、その分人間は楽になれる。

余裕ができる。


現状維持に「NO」と言うだけで、無駄なことで消耗する時間を減らし、会社員はもっと幸せになれる。


にも関わらず、どうも既存のプロセスに固執する傾向は依然として強いように見える。


何かをやめたり、何か新しいことを始めるには責任が伴う。

その責任を本能的に嫌っているのが原因のように見える(単純に何も考えてない人もいるだろう)



このような風土を変えていくには、高い立場にいる人が旗を振って現場を動かすのがいいだろう。

官僚主義的な現場では、上に立つ人間がリーダーシップを発揮して人を動かすのが最も効果的だ。


これは働き方改革に限らず、どんな施策についても言える。


立場の高い人間がリーダーシップを発揮していくことで、会社が変わる。


リーダーの覚悟と責任と勇気が問われているのだ。


風通しの良い若い企業であれば、現場の若手がどんどん生産性を高める仕組みを作っていけばいいだろう。

暇だと思われたくない


振り返ると僕は、社会人になってからずっと、


「暇な人」


と言われるのを恐れてきた。


「暇な人」 = 「無能な人」


と言われているような気がするからだ。


無能な人の烙印を押されることを恐れ、仕事があまりないときでも何かできることを探して遅くまで残ろうとしていた。


人の目ばかりを気にしていたとも言える。


そして、最近は仕事が終わったらさっさと帰るようにしているのだが、どうも昔の僕と同じように


「家に帰りたがらない人」


が一定数いるように感じている。


もちろん、重要な仕事をたくさん回していて、忙しすぎて帰れない人もいる。

そういう人も無駄な会議を削ればもっと早く帰れると思うが、それについては触れない。


それよりも「家に帰りたがらない人」の方が気になる。


そういう人はよく「自分はとても忙しい」とぼやき、「大変な仕事をしている」とアピールする。


「残業多すぎて辛い」


とSNSに投稿しながら、実は残業している自分が大好きな人たちだ。


こういう人たちは、以前の僕と同じで、「暇人で無能」と思われることを嫌がっている。


そして、「自分が重要な人」だと認められたいと思っている。


だからいつも辛そうにするし、忙しそうにするし、大変な仕事をたくさん任されて目が回っているかのように振る舞うのだ。


実際に忙しいとは思うが、そういう人も本気でやれば残業を半分に減らせるとは思う。


特に、付加価値を生み出していない作業を思い切ってやめれば作業は劇的に減る。

それでも、本人は「残業して忙しい自分でいたい」と願っているため、本気で残業を減らそうとはしないだろう。


働き方改革を普及させるには、施策を打ち出すだけでは不十分で、



「残業しないで帰っても恥ずかしくない」



という共通認識を会社全体で作っていく必要があるのだ。



「残業している自分がカッコイイ」


という文化は日本人全体にものすごく強力に根付いていて、それは昭和のモーレツサラリーマン時代にできたものだと思っている。


まずこの考え方を変えないと、働き方改革を実現させるのは難しいだろう。


その一方で、本気で仕事がしたいと思っている人たちには足枷をはめることなく自由に仕事に没頭できる環境を作らなければならない。

早帰りを促す様々な施策


この記事を書くきっかけになったのが、6月8日の日経MJ新聞14面で紹介された「帰り方改革」という特集である。



記事内では「ビジネス帰宅部」の動画が紹介され、早く帰るための言い訳やコツが紹介されている。


大成建設はドローンによるオフィス内巡回システム「T-FREND」を開発した。


定時になるとドローンがオフィス内を飛び回り、フロア内の就業状況を撮影、監視できるのだという。


面白い施策だとは思うが、ドローンに追われて帰れるんならさっさと自らの意志で帰れよ...とも思う。

どんだけ会社に残りたいんだ...。


と、色々と不可思議な施策がたくさん生まれてはいるが、「働き方改革」の大義名分の元に、不必要な残業をなくそうと社会が動いているのはとても良いことだと思う。


まずは形から入り、それから会社員のマインドを変えていけばいい。


不要な残業の削減と同時に、働きたい人が存分に働けるような柔軟な働き方を実現することが、働き方改革の一つのゴールとなるだろう。