はてなブログでアフィリエイトは許されるのか?BANされる条件を調べてみた



はてなブログのBANがツイッターで話題となっていました。

プライベートの時間とはいえ、ブログの執筆には相当な時間を費やしているため、ブログ運営側に一方的にBANされたら目の前が真っ暗になります。

以前、はてなブログを強制的に非公開にされたことに気付いたときは、頭がクラクラしてきて倒れるかと思いました。

「こんなこと、あるのかよ...」

と。

oreno-yuigon.hatenablog.com

あれから2年経って、ブログに費やした時間はさらに積み重なっているので、凍結のダメージはさらに大きくなるでしょう。
BANは本当に辛いものです。

自分がこれだけ大きなリスクを抱えながらはてなを使い続けているのには、

「はてなドメイン(hatenablog.com)で資産を積み重ねてきたから乗り換えられない」

という理由が最も大きいのですが、何か問題があったときには株式会社はてなが先に矢面に立ってくれる、というメリットもあります。


とはいえ、BANされてしまったらどうしようもありません。

「一刻も早くWordPressに移行するべき」とは言いませんが、はてなブログのプラットフォーム上でやる以上は「今すぐ利用規約を確認しておくべき」だとは思います。

しかし皆さんきっとお忙しいはずで、「いつか利用規約を確認しておこう」と考えても、そのいつかは永遠に来ないのが実際のところではないでしょうか。

なので、この記事では私が代わりに調べたことをまとめてみます。
ざっくりこの記事を流し読みしていただくだけでも、ある程度危険を避けることは可能かと思いますが、詳細はいつかご自身でもご確認ください。

今回の記事の調査するまでわかりづらかったのですが、はてなは「はてなブログのガイドライン」の他に、「はてな利用規約」なるものがあります。
その他に「はてな情報削除ガイドライン」に沿った対応でBANされることもあります。

はてなをずっと使い続けるつもりであれば、一通り読み込んでおくことをおすすめします。

この時点で「めんどくさ!」となった人は、最初からWordPressでブログを開設したほうがBANのリスクは回避できます。

oreno-yuigon.hatenablog.com


まぁ最悪、はてなにBANされたとしても独自ドメインを取っておけばドメインパワーは引き継いだままWordPressに移行できるので、
BANが不安な人はできる限り早く独自ドメインを取りましょう。

ブログが育ってからは独自ドメイン化しづらくなるからです。

oreno-yuigon.hatenablog.com


さて、利用規約の話に戻ります。

はてなの「はてな情報削除・発信者情報開示関連事例」を一通り読んでわかったのは、多くのBAN(利用停止、凍結)処理は、「通報」が契機となるということです。

事例を一通り読んでみたら、

  • 何者かに通報される→情状酌量の余地がある場合は、はてなからメールが来る→メールを無視したら凍結される
  • 何者かに通報される→悪質な場合は即凍結

の二パターンでのBANがほとんどでした。

ここから考えると、たとえ悪質であっても目立たない人は通報されず生き延びることができる可能性もあるということです。

ソーシャルで目立ったことなどが原因で悪意ある通報が増えると、それが凍結のきっかけになることもあります。
はてなのカスタマーサポートとしても、通報されたら対処に動かざるを得ないからです。

もちろんサポートから連絡があっても抗議の余地はありますが、できるだけ敵を増やさずにいきたいですね。


ちなみにこれは非常に大切なことですが、はてなブログを使う場合は登録メールアドレスのチェックを疎かにしてはいけません。

はてな運営から何か連絡があった場合の返信期限は基本は1週間です。
1週間スルーすると「返信なし」ということで凍結されます。

絶対に警告を見逃さないように、毎日一度は確認しましょう。

まずは利用規約を確認しよう

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上でも書きましたが、まずは利用規約です。
多くの人が言及する「はてなブログのガイドライン」の「広告ポリシー」では、

「禁止事項に反さない限り、アフィリエイトプログラムの制限はありません。すべてのアフィリエイトを利用できます」

と書かれています。

広告の掲載方法や内容に関しては、別途定める「広告における禁止事項」で制限されます。禁止事項に反さない限り、アフィリエイトプログラムの制限はありません。すべてのアフィリエイトを利用できます。

ガイドラインに書かれている禁止事項は比較的ゆるく、当たり前に守るべき内容となっています。

  • 自分自身の言葉でのレビューではない広告の掲載はダメ
  • 過度にSEOを狙ったキーワードの羅列はダメ
  • 記事内で直接販売、勧誘はダメ
  • 公序良俗違反の広告はダメ
  • 違法・有害情報はダメ

などです。

じゃあガイドライン的に問題なさそうだったらアフィリエイト自由にやっていいんやな!?

......というわけにもいかず、実際に運用するとグレーな部分も出てきます。

グレーな部分については「はてな情報削除・発信者情報開示関連事例」という過去の判例を見て判断することになります。

マッチングアプリのアフィリエイト広告を載せていいのか

アフィリエイトプロバイダーの営業担当の方からマッチングアプリの広告掲載をご相談をいただいたのをきっかけに、マッチングアプリの紹介をしていいものか、はてな窓口に問い合わせてみました。

問い合わせた翌日には丁寧な回答をいただくことができました。
ありがとうございます。


はてなブログでは出会い系サービスの広告の掲載は禁止しており、マッチングアプリについても結婚を前提とした「いわゆる婚活アプリ」のみ許諾しているとのことです。

婚活を主眼としたものの紹介以外でマッチングアプリのアフィリエイト広告を貼った場合は利用停止措置の対象となります。

マッチングアプリのアフィリエイトを貼っている方は、念のため自身の記事が「婚活が主眼になっているか」を確認してみてください。

「成人向けの広告の掲載(出会い系サイトの広告の掲載)」に当たるため、「安心して遊べた」などの表現もNGとのことです。


ソーシャルマッチングサービスのアフィリエイト広告掲載に対する通報では以下のような事例が紹介されています。

ペアーズの出会い+アフィリエイト広告でブログを書いている人は注意してください。

今回、通報を受けた記事では、複数の異性との出会いがあったことを記載した上で、サービスの安全性を宣伝しており、出会い系サイトとしての利用を前提とした広告であると判断したため、ブログの公開を停止した

ペアーズでA君と出会った。B君とご飯に行った。C君と色々あった。ペアーズは最高です(→アフィリエイトリンク)とやると、凍結される可能性があります。

はてなスターや読者登録で過剰に誘導するのはNG

はてなスターを機械的に押すなどして、自身のブログに誘導する行為は禁止されています。
好きなブログにコメントを残すのは全く問題ありませんが、リンクを目的としてはてなスターを押しまくるなどをしてはいけません。

これは当たり前のことですね。

自身のブログに対する過剰な誘導行為への通報

認可されていない医薬品の広告はNG

公的機関からの削除要請があった場合は、ブログは即時非公開となります。

厚生労働省は医療広告ガイドラインを公表していますが、ガイドラインに反したサイトが検索上位に来ている場合は通報される可能性があります。

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)

医療系のアフィリエイトをやる場合は一度は目を通しておくのがいいと思います。
ざっくり以下のような広告は禁止されています。

  • 虚偽広告
  • 比較優良広告(病院同士の比較など)
  • 誇大広告
  • 個人の体験を他人にも効果があるように伝える
  • 治療前後の写真などもNG
  • 費用を強調した広告

ガイドラインに沿っていない広告でアフィリエイトの成果が発生しても、おそらく非承認になります。
非承認にすれば、広告主は

「ガイドラインに違反しているサイトに広告費を払ってませんよ。広告ではありませんよ」

と言えるからです。


薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)についても注意が必要です。

薬用化粧品(医薬部外品)以外の一般化粧品の効果効能は全部で56種類。
この56種類以外の効果は化粧品の広告において、例え事実であっても謳うことはできません。

「シミが消える」「シワが消える」「たるみ改善」「肌が白くなる」「ニキビが治る」「髪が生える」などの表現は禁止となります。」
アフィリエイト豆知識【薬機法】一般化粧品の広告を行う際の注意

ブログ記事の表現に対する厚生労働省からの削除要請

公共良俗に反するブログ

いわゆるナソパブログが通報された件です。

声かけ行為をきっかけにして、人間の心理やコミュニケーション自体を考察する内容については禁止されていませんが、露骨な描写やセミナーへの誘導は禁止されています。

公序良俗に反するブログ記事に対する通報

はてなからのメールを無視してはいけない

自分がかつてブログを凍結されたときは、食べログのコメントを(正当な範囲内で)引用してブログに掲載したところ、食べログの引用範囲にある文言が

「商標権の侵害である」

と通報されました。

たまたまその商標ワードで検索上位に来ていたからです。
(その商標ワードは記事の主旨とは全く関係のないものです)

通報したのは、食べログの運営会社でもなく、記事で紹介された飲食店でもありません。
いくら検索してもその企業名は存在しなかったので、言いがかりに近いものだと確信しています。

しかし、どんなに言いがかりのように見えても、通報で動いたはてなサポートからのメールを無視してしまうと凍結措置が課され、ブログは非公開になります。

意見照会期限の超過による送信防止措置の後、発信者から措置の解除を求められた事例

何度でも書きますが、はてなからのメールは見逃さないようにしましょう。

社会的に不適切な行為を指南してはいけない

悪質な情報商材の広告などは許されていません。

「あなただけに教える秘密のSEO対策」

みたいな文言でブラックハットSEOをほのめかすような情報商材への宣伝を行った場合はブログの公開停止対象になります。

そういうのはnoteでやれってことですね。

不適切な手段による検索サイト最適化を指南する情報商材の広告・宣伝を行うブログへの通報

裁判で負けたら公開停止

はてなから記事を削除するか否かのメールが来ても、拒否することはできます。
その後、裁判となるケースもありますが、裁判で負けたら公開停止となります。

ブログ記事に対する削除ならびに発信者情報開示を求める仮処分申立

協議して一度非公開にした記事を再公開してはいけない

当たり前ですが、一度非公開にしてはてなサポートを安心させておいて、後でこっそり公開するのはダメです。
はてなの利用停止をくらう可能性があります。

リンク先のケースも興味深いです。

はてなダイアリー記事およびコメント内にて、実名や写真を挙げ、詐欺行為に加担したとの記述など事実ではない誹謗中傷があり、名誉毀損および肖像権侵害、プライバシー侵害に該当するとして削除申立ならびに発信者情報開示請求あり

はてなダイアリー記事およびコメントに対する情報削除および発信者情報開示請求

イケハヤさんとかの写真をはてなブログにアップして面白おかしく中傷している人も危ないように感じます。

LINEのスクショは基本的にダメ

「手紙を差出人本人に無断で公開することは、私事の公開ということでプライバシーないし人格権の侵害となる」との判例があり、当該情報は明確にプライバシー侵害に相当すると判断した

私信を含むダイアリー記事への削除依頼

とのことで、個人がわかるようなLINEのスクショは貼らないようにしましょう。

特にペアーズやTinderについて発信している人は、他の人がやっているからという理由でLINEのスクショを公開しがちです。

LINEは「非公開を前提とした私信」なので、スクショ撮って晒すのはやめておきましょう。
晒された方も困るし、訴えられても不利益を被るしで、お互いにとっていいことがありません。

僕たちははてなをどう使うか

はてなはルールを守って利用すれば良いところもあります。

WordPressで運用する場合は全てが自己責任となります。

何者かから突然裁判を仕掛けられたとき、WordPressで運用している場合は全て自分で対応しなければなりません。
はてなブログの場合はまず、はてな運営が矢面に立ってくれます。

はてなの規約は基本的に、良識ある運用する分にはそれほど厳しいものではありません。

一方、悪意ある通報に弱い面もあります。

「通報すればこのブログを非公開にできるかもしれない」

と企む輩によって、ブログを潰されてしまう可能性だってあるわけです。

特にアフィリエイトに関しては検索上位を巡って骨肉の争いを繰り広げているので、容赦なく攻撃される恐れがあります。
はてなは悪意に屈することなく、ブロガーの味方であってほしいと願います。

悪意による非公開リスクを完全に避けたいのであれば、やはりWordPressでブログを立ち上げるのがよいでしょう。
はてなProを利用し続ける費用とそれほど変わりません。

レンタルサーバを借りておけば複数のWordPressブログを立ち上げることもできます。

oreno-yuigon.hatenablog.com


雑記ブログでまったりやる分には、はてなは大変使いやすいサービスです。
Google Adsenseを貼っても怒られません。

ブログ初心者には「まずはてなから始めるといいよ」と自信を持っておすすめしたいです。
ハードルも低いし、独自ドメインで運用しておけば、後々移行することもできます。

oreno-yuigon.hatenablog.com


ただ、本気で収益化したいと大いなる志がある場合は、非公開リスクを避けるためにWordPressでブログを育てていくのがいいと思います。

oreno-yuigon.hatenablog.com

いずれにせよ、はてなの規約を理解しておくことはいらぬトラブルを避けることにつながり、個人でブログを運営するときにも役に立つでしょう。