「〜〜の評判は最悪って本当?」とタイトルにつけて、クリック率を上げるSEO対策が流行っている件



「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」

これは石川五右衛門の辞世の句と言われている。

「海辺に無数にある砂がなくなっても、世の中に泥棒がいなくなることはないであろう」

という意味だ。

僕が盗むのはあなたのハートだけなので石川五右衛門にはなれないが、最近のウェブを見ていると僕も一句詠みたくなる。


「SEO ウェブにWELQは 尽きるとも 世に小細工の 種は尽きまじ」


WELQ問題以前は、安いライターに質の低い記事を大量に書かせ、サイト全体に大量のキーワードを散りばめてGoogleの評価を上げるSEOが流行っていた。

しかしそれらのWELQ的な手法が社会問題になると、Googleも重い腰を上げて対策を発動し、主に健康系のゴミサイトのアクセスは軒並み下がる結果となった。

専門性・権威性・信頼性を重視する傾向は今後強化されていくことが予想され、YMYM(Your Money or Your Life)系のページについては特にそれが顕著となると思われる。

そんなGoogleの意向を反映し、最近はサイト運営者もオリジナリティのある体験を重視し、よく学び、信頼性を担保した記事を書くように努力しているような気がした。

が、それは気のせいだったのかもしれない。

そもそも、Googleを騙して金儲けをしようとしていたような人間が急に改心し、時間をかけて取材し、対象についてよく調べ、勉強し、専門性の高い記事を書くようになるわけがない。

人間はそんなすぐには変わらない。

一つの手法が使えなくなったときに、次に考えるのは「別の手法でSEOをハックすること」だろう。

そしておそらく、WELQ予備軍の人たちが次に思いついたのは「クリック率の向上によるSEO対策」である。

「〇〇(商標)の評判.com」のようなドメインを取り、「○○の評判が最悪?効果無し?悪い口コミ徹底調査でわかった事」みたいなネガティブな口コミを集めた風のサイトが増えている。

同じように、記事タイトルを

「○○を使ってみたら最悪だった!その実態を暴露します」

のような、ネガティブなものにしつつ、

「口コミを調べたら実はいいものでした!アフィリエイトはこちら!」

みたいな記事にしているものもある。
記事の中身はテンプレで、実際に自分が体験した感想を書いているわけではなく、ツイッターやインスタの口コミを集めてコピペで貼ったものとなっている。

このように、アフィリエイト特典のある商品について「○○の評判、悪い口コミを集めました」みたいなサイトを量産し、テンプレ通りにサイトを作る手法が流行っているように感じる。

それらを非難し「おい真面目にやれ!」と怒ることは簡単だが、ブロガーとしては彼らの手法から学びを得ることの方が大切だろう。

最近は指名検索の増加によって、記事の順位が上がっていくような傾向があるようにも見える。

これらのことから大雑把に考えると、

  • Googleの画面上に表示された記事がクリックされるかどうか(CTRが高いかどうか)
  • クリックされた後にユーザーが満足しているかどうか(別のサイトを探しに行ったりしてないか)

などが評価され、検索順位に影響を与えている可能性がある。

指名検索のクリック率は当然100%で、そのサイトを見た後のユーザー行動のデータも取りやすい。
つまり、サイトの満足度を測るデータも取得しやすいといえ、そのデータが検索順位に影響しているのかもしれない。

最近のGoogleは、文章を見て内容の良し悪しを判断するというよりも、ユーザーの行動データを取って、その挙動から内容の良し悪しを判断する傾向が強くなっているように思う。

そんなGoogleの傾向も踏まえ、我々がテンプレサイトから学ぶべることは、「クリック率を向上させるための施策」である。

oreno-yuigon.hatenablog.com


タイトルでクリック率を高めるのが大事

Google Search Consoleというサービスを使えば、Googleの検索画面に表示された回数やクリックされた回数を見ることができる。

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「アバクロ 香水」で検索した結果のデータ

「平均CTR(Click Through Rate)」というのは、「表示された中で実際にクリックにつながった割合」のことだ。

「○○は最悪って本当!?評判を調べた」

のような、ネガティブなタイトルをつける理由の一つは、CTRの向上にあるのだろう。
人はネガティブな言葉に反応しやすいからだ。

Googleとしても、表示してもクリックされないサイトをいつまでも上位に置いておくのは望ましくはない。

だから僕たちもタイトルを工夫していこう。

王道を行くなら「ユーザーが求めている答えを示すようなタイトル」にするのがいい。
やや邪道で行くなら、端的に答えを示すタイトルにするのではなく、「思わずクリックしたくなるようなタイトル」にするのがいいはずだ。

クリック率を高めるための工夫はタイトルだけではない。
Googleで検索すると、記事の内容を示す文章が70字ほど表示される。

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これはメタディスクリプションと呼ばれるもので、記事やサイトの内容を示すタグをGoogleが読み取って表示している。
メタディスクリプション自体はSEOに関係ないと言われていたが、クリック率の向上を通じて検索順位の向上につながる可能性はあるのではないか。

ユーザーとしても、記事の内容が検索画面から予測できたら嬉しいはずだ。
クリック率を向上させるため、そしてユーザーに素早く答えを届けるため、使えそうなものは使っていこう。

最近は検索結果にアイキャッチ画像が表示されることも増えている。
記事の内容が伝わるようなアイキャッチを設置しておけば、クリック率が上がるかもしれない。


テンプレサイトは邪悪な面もあるが、彼らのSEO手法から学ぶべき点は多い。

「Googleをハックして儲けを出す」といったスタイルはいつの時代も最終的にはGoogleに対策され滅ぼされてきたが、彼らのSEO手法を「ユーザーの利便性の向上のため」に抽出して使うのは決して悪ではないはずだ。

最後に、邪悪なアフィリエイトサイトが増えると、「アフィリエイト自体が怪しい悪質なものだ」と見なされがちだが、アフィリエイトという手法自体は悪ではない(と言いたい)

僕自身もアフィリエイトの恩恵を受けているし、「商品を紹介して、購入を促す」のはテレビでも雑誌でも新聞でも行われていて、良い商品の魅力を伝えられること、イマイチだった商品の情報を吟味できることは、消費者にとっても望ましい。

問題なのは、アフィリエイト報酬に目がくらみ、実際使ってもいないのにテンプレでサイトを量産し、消費者を騙そうとする人間なのだが、そういう人がいなくなることはないと断言できる。

Googleに対策を任せるのも危険だ。SEOハックとGoogleの対策はいつもイタチゴッコとなっており、「世に盗人の 種は尽きまじ」状態なのだ。

だから、サイトを読む人自身が怪しいサイトを見極める目を持つのがいい。

そしてネットの怪しい情報を見極める目を育てるには、自分がアフィリエイトサイトを作ってみるのが一番効果的だ。

自分が「作る側」に回ってみれば、作っている人の考えがよくわかるようになる。
ウェブを見たときのマネタイズポイントも見えやすくなるはずだ。



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最後に余談。

もしこの記事にアフィリエイトを貼るなら

最後にA8.netというアフィリエイトサイトへのリンクを貼っておく。
このリンクから会員登録すれば、アフィリエイトを始めることができる。

こういったリンクを経由して成果があれば、サイト運営者に紹介料が入ってくる、というのがアフィリエイトの仕組みだ。
上記のリンクでの成果は「A8.netに登録」というものになる。

たくさんの商品に対して「紹介料」や「成果」が設定されていて、どんな商品があるかはアフィリエイトサービスを検索して調べることになるだろう。


「怪しいものを見極める目を養いたいなら、自分でアフィリエイトをやってみるのがいい」

というのは偽らざる本心だが、最後にアフィリエイトリンクをつけると「てめぇ、ここまで書いたの全部金のためかよ」と急に怪しくなってしまうのは残念だ...。

アフィリエイトなしのリンクはこちら→A8.net

そしてアフィリエイトを始めるならついでにGoogle AdSenseAmazon アソシエイト・プログラム などにも登録してみるのがいいと思う。

こういうサービスを自分で使ってみることで、無料に見えるウェブにどうやってお金が回っていて、サイト運営者がどうやって収益を得ているのかが見えてくる。

自分で収益を得るために工夫することが、最強の勉強法でもあるのだ。