世の中の成功した人全てに共通する特徴は「応募」していること



久しぶりに『夢をかなえるゾウ』という本を読み返しています。


僕が大学生の頃からずっと好きな水野敬也さんの出世作です。

本作は200万部以上のベストセラーとなっており、


「自己啓発 × 物語 × 笑い」


という水野さんの鉄板スタイルを確立した本でもあります。



『夢をかなえるゾウ』


では、ガネーシャと呼ばれる不思議な神様が「僕」に対して次々と課題を与えます。

「僕」はガネーシャの課題をこなしていくうちに、少しずつ「成功する人間の考え方」を身に付けていきます。


最初は「靴を磨く」とか「トイレを掃除する」のような優しい課題でしたが、本の後半になると


「ガネーシャ最後の課題」


として、より行動力を必要とする課題が与えられるようになっていきます。


その「最後の課題」の一つが『応募する』でした。



この『応募する』の課題を要約して紹介します。



=============================

「今まで教えてきた課題、地味だったやろ」


「正直、想像していたのとは違っていました」


「いうても時間ないし、そろそろ自分が『劇的に変わる方法』教えとこなか思て」


「なんですか!?劇的に変わる方法!?」


「それはな、不幸やねん」

「人間が変わるにはな、もうでっかい不幸が必要やねん。

悩んだり、苦しんだり、もう死んでしまおうかなて思うくらいの不幸や」


「それはそうかもしれないですけど、でも何か違うような気がします。

そのやり方は間違っている気が......」


「今のは冗談や」

「けど、ワシが言いたいのは、ホンマに人生変えようと思たら、そんくらいのインパクトが必要いうことや。

つまり、『事件』やな。

何か、自分の想像を超えるような『事件』が人を劇的に変えるねん」


「まあ事件にもいろいろあんねんけど。

ま、一番効果的で劇的な変化が望めるんは.........」




「『誰かに才能を認められる』や」


「才能を認められる?」


「そや。

誰かに才能を認められることで、自分の人生は変わる。

もうこれはえらい変わるで。

自信に満ち溢れるし、周囲の視線も変わる。

全身からやる気がみなぎって、それこそ飯食うのも寝るのも忘れて働ける。

働くのが今までよりも全然楽しくなる。

人生を変える一番強力で手っ取り早い手段はこれや」


=============================



「誰かに才能を認められる」

ためにはどうしたらいいでしょうか。


「今の職場で上司にアピールすればいいのだろうか」


と考えた「僕」をガネーシャは否定します。


才能が認められるということは、今まで自分でも気付かなかった才能が見出されることだと。

今の仕事で認められていないのであれば、その仕事でどんなに頑張っても「才能が認められる」ことにはならないと。

今の職場で頑張るのは大事だが、人生を変えるような事件は起こせない場合がほとんどであると。


では、どうしたらいいのでしょうか。


ガネーシャは言います。


「応募せよ」


と。


「応募」とは、「自分自身を世の中にアピールすること」です。


自分の才能が他人に判断されるような状況に身を置いてみること。


それが「応募」であると、ガネーシャは言います。


「自分らの言葉で言う『奇跡』をな、起こす力が応募にはあんねんで」



* * *



エステル・ゴランタンというおばあちゃんがいた。


f:id:hideyoshi1537:20180419224604j:plain


彼女は85歳の時、街でたまたま


「イディッシュ語を話せる老婦人求む」


という映画出演募集のチラシを見つけた。


彼女はそれまで演技の勉強など一度もしたことがなかったし、既に85歳の高齢である。


それでも、彼女は応募した。


無理だと思われたオーディションに合格し、1999年「故郷への旅」で映画初出演。

アビル映画祭で最優秀女優賞に選ばれた。


その後も彼女には映画のオファーが続々来たという。


エステール・ゴランタンのmixiコミュニティ



* * *


2004年、当時楽天に勤めていた田中良和は帰宅後、ひたすらプログラミングをしていた。

当時の楽天はまだ若く、長時間労働が当たり前のベンチャー気質が色濃かった。

帰宅時間はいつも23時。


田中の開発はそこからスタートした。


眠い目をこすりながらひたすらPHPと格闘する日々。

ようやく完成したサイトを公開したのが2004年2月21日。


GREEの誕生である。


その後、グリー株式会社を設立し、サービスは拡大し続けた。

ソシャゲバブルにも乗り、2010年6月東証一部上場。

田中良和は一躍時の人となり、億万長者となった。



* * *


新卒で入った会社を3ヶ月で辞めたちょまどさん。


マイクロソフトに転職後は「松屋の天使」として話題になり、3,000人以上のエンジニアが集まるイベントでベストスピーカー賞を受賞。

見た目も実績も、いま一番輝いているエンジニアである。


* * *


例を挙げればキリがないですが、全ての人に共通しているのは、どこかのタイミングで「応募」しているということです。


・ウェブサービスを作った人

・合わない会社を飛び出して転職した人

・小説を書いて応募した人

・起業した人

・ブログを書いた人


なんでもいいですが、成功した人はみんな、


「自分自身が評価される状況」


に身を置いた人です。


市場の評価は会社よりずっと厳しいため、時には手痛い失敗をするかもしれません。

自信を持って「応募」しても、誰の目にも留まることなく歴史に消えてしまうかもしれません。


それでも「応募」して、「世の中に自分を売り出す」という過程は絶対に必要で、市場の評価のプレッシャーを乗り越えた先にしか、成功はないのだと思いました。


思えばブログも小さな小さな「応募」の一つです。

スベるかもしれないし、炎上するかもしれないし、誰にも読んでもらえないかもしれないけれど、それでも出し続けないと、成功する確率はゼロです。


とにかく、「応募」すること。

自分が評価されることを怖がらずに、市場に出すこと。


本当に大事なのはこれだけだと思うんです。


夢をかなえるゾウ文庫版

夢をかなえるゾウ文庫版