仮想通貨アフィリエイト復活で一般人が消耗する暗黒時代が再来するのか



仮想通貨のアフィリエイトがついに復活したそうだ。
2018年のコインチェックの仮想通貨漏洩事件以来、ずっと沈黙を保っていた仮想通貨界隈がざわつき出し、前夜祭の様相を見せている。

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仮想通貨のアフィリエイトの仕組みはシンプルで、サイトのリンク経由で誰かが口座を開設すれば、そのタイミングでアフィリエイト報酬が発生する。

Googleで検索しても、現在はどの取引所がアフィリエイトを再開しているのかわかりづらかったのだが、イケダハヤトさんのブログを見たらすぐにわかった。アフィリエイト報酬順に「おすすめ取引所」を並べてくれているからだ。

アクセストレードで「bitbank」が、
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TCSアフィリエイトでは「コインチェック」などが復活しているらしい。
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仮想通貨のアフィリ再開、仕掛ける側と仕掛けられる側と - サウザーラジオで散々語られていることだが、

「仮想通貨の時代が来ます」

とか

「ブロックチェーンが世界を変えます。今どき仮想通貨やらない人は遅れてますよ」

とか言ってる人は、仮想通貨の未来なんてどうなってもいいと考えている。

彼らの関心は、仮想通貨が盛り上がっているように見せることと、自分のアフィリエイトリンクから口座を開かせることだけであって、読者に有用な情報を提供しようだとか、読者が得するような仕組みを教えようなんて気持ちは一切ない。

仮想通貨の未来にベットするなんて気持ちもなく、アフィリエイトが儲かるから煽っているだけだ。

ブロックチェーンが世界を変える、だから仮想通貨をやりましょう!と声高に叫ぶ仮想通貨ブロガーは、ブロックチェーンの仕組みどころか、公開鍵暗号方式すら理解していないと思う。

アフィリエイト再開をきっかけにビットコインのチャートもじわじわと上がり始めているが、実は価格上昇は2019年4月頃から始まっていた。
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これもサウザーラジオで言われていることだが、先に情報を持っていた人間がビットコインを買い集めていた可能性がある。

「6月に仮想通貨のアフィリエイトを再開するから先に買っておこう」

という人間だ。

このように、先に情報を握って儲けるような反則技でも仮想通貨市場ではインサイダー取引にならない。
だからインサイダー情報を持っている人間はほぼノーリスクでボロ儲けできるのだ。

仮想通貨業者に勤めている人や、アフィリエイトASPに勤めている人、その友人などがインサイダー情報を元に先行取引ができる。
安い価格でビットコインを仕入れておいて、アフィリエイトを再開する。

すると、アフィリエイト報酬に目がくらんだインフルエンサー()が飛びつき、仮想通貨の時代が来たと煽りだす。

儲けが出るのはこの辺までだ。

仮想通貨インフルエンサーが実際に仮想通貨を買ったかどうかはわからないが、インフルエンサーが煽り出した直後くらいで買えば、その後に続く人が買い増してくれるので得できる可能性が高い。

損するのはインフルエンサーに煽られて、儲かりそうな雰囲気に釣られて一攫千金を夢見て仮想通貨を購入した一般人だ。

「自己責任だ」と突き放すのは簡単だし、ある意味正論でもあるが、無責任に煽りまくって他者を地獄に突き落とすアフィリエイターに何の責任もないかと言うと、難しい。

自分の身は自分で守るしか無いのだが、少なくともこのブログの読者の方は

「なんとなく儲かりそうな雰囲気」

には流されないでほしい。

「なんとなく儲かりそうな雰囲気」はおそらく、そんな雰囲気を生み出して儲けようとしている人によって、意図的に作られているからだ。


2017年末。ビットコインが200万円近くまで上昇した時の空気は異常だった。
普段相場なんてやらない、ツイッターにハマっている様子でもない普通の会社員が

「仮想通貨始めたよ」

なんて言い始めたのが2017年11月頃で、2018年1月に仮想通貨バブルは虚しく弾けて消えた。

2017年末に慌てて仮想通貨を始めた人はほぼ全員が損したまま、市場からの退場を余儀なくされたことだろう。

余裕資金で遊び程度にやっていたなら問題はないだろうが、仮想通貨の相場はギャンブルのような性質が強い。
仮想通貨に夢中になってしまった人の中には余裕資金を越えて仮想通貨に資金を投入し、大損してしまった人もいるのではないだろうか。


【追記】

今回はイケハヤさんが天井で掴み、イケハヤシグナルで相場が反転したようです。

kabumatome.doorblog.jp

頼みの綱の煽りも効かず、今回は狙いが外れた様子でした。

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これは知ってた。
ゴールドラッシュで儲けたのはジーンズやツルハシを売っていた人だから。

正しいことをしよう

Googleはかつて行動規範に「Don't be evil(邪悪になるな)」を掲げていた。
インターネットでビジネスをやろうとすると、常に「邪悪になれよ」という誘惑がつきまとう。

「買い手の利益を損なっても儲かるだろう」とか、「嘘をかいても騙されてお金を払う人がいるだろう」とか、邪悪になってお金儲けをしようとする誘惑に駆られてしまう。

影響力を持ってしまうとなおさらだ。

ふわっとした言い方をすると、金の魔力に取り憑かれると善悪の基準が緩くなってしまい、「最終的には自己責任」という免罪符を持ちながら情弱をカモってしまうのだ。

僕自身、アフィリエイトプログラムを利用しているので、全ての発言が将来ブーメランとなって返ってくるかもしれないのは承知なのだが、できれば読者の方に誠実でありたいとは思っている。

Googleは行動規範を「Don't be evil(邪悪になるな)」から「Do the right thing.(正しいことをしよう)」に変更したそうだ。


自分にとっての「正しいこと」とはなんだろうか?
何が「正しくないこと」なのか。
イケハヤさんのやり方はよく悪質だと言われるが、邪悪の基準は何か?
彼なりに正義を執行しているのかもしれない。


自分の中で指針をざっくりと整理してみた。


自分が使って(やってみて)良かったものを「良かった」と伝える。
悪かったものにはできるだけ触れない(悪かったものを強く批判すると、それを作った人から苦情が来るため)

お金の誘惑は絶えず訪れるが、読者を第一に考える。
ブログで煽るよりは情報を伝える方に注力し、選択肢を与えるよう努める。


...などだろうか。
いま、こうやって綺麗事を書けるのはそれほどお金に困っていないからで、いつか食べるにも困りそうになったら邪悪な誘惑に飲み込まれるかもしれない。

インターネットの怖さはそこにある。
お金に困ると邪悪に染まってしまうのだ。

インターネットだけから収益を得るビジネスモデルは脆い。
Googleのアルゴリズムの変動や世の中の空気、アフィリエイトASPの方針に翻弄され、稼げなくなってくると当然、余裕がなくなる。


実は最近、アフィリエイトセミナーに積極的に参加するように心がけていて、アフィリエイトを勉強し始めている。

セミナーでは広告主のウェブ広告担当の方が自社のサービスを説明してくれることが多いのだが、広告主の方々の多くは自社製品に自信を持ち、誠実かつ自信を持って自分たちのサービスを紹介しようとしている姿勢が伺えた。


一方で、横でセミナーを受けていたアフィリエイターの方々は、自分はヒゲ脱毛をしたことがないのにヒゲ脱毛のアフィリエイトで稼ごうとしている人だったり、ハゲのDTみたいな出で立ちなのに婚活指南のサイトで稼ごうとしている人がすごく多かった。

正直驚いた。
脱毛サイトのセミナーで、「ヒゲ脱毛したことある人」と聞かれても、10人中1人もいないのだ。
それで「このキーワードで脱毛を取りますよ」とか自信満々に話している。

婚活サイトのセミナーではどう好意的に見ても彼女がいたことがないような見た目の人が、

「婚活の○○のキーワード取れば、XX円は稼げますよ」

などと話していた。
僕は常に一人で参加しているので、全部盗み聞きである。

一人でアフィリエイター達の欲深い話を盗み聞きしながら、

お、お前ら...人に何かを勧める前に...自分をなんとかしろよ...と心の中で思っていたのは内緒だ。

キーワードを見つめるよりも先に自分を見つめて、自分の体験を語ってくれよと。

自分がやったことがないことをどうやって語るのか。
山ちゃんの髪を50倍くらい薄めたシワクチャの男が婚活の何を語れるのか。

自分の体験がないなら他のサイトのコピペみたいなことを書くしかないだろうに。

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こうやって見ると山ちゃんイケメンだな。


そんなわけで、「体験してないことをコピペで語る」のは僕の中では「邪悪」と言えそうだ。
リスクを説明せずになんとなく雰囲気で儲け話を出すのも「邪悪」だと思うな。

アフィリエイトをやるにしても、邪悪にならず、読者と広告主、そして世間と三方良しでやっていけたらいいな、と甘い夢を見ている。