士業系のYouTuberが最近増えている。飽和してそうだけどメリットはあるのだろうか?というツイートを見ました。
士業系YouTuber、最近多いよね。
— 藤田華鳳(Kaho Fujita) (@fujikahochan) September 28, 2019
飽和しかけてる気がするし、やるメリットとは…
この記事では士業の方々がYouTubeをやるメリットを考えていきます。
結論は「士業の人はYouTubeやるメリットすごくありそう」となるのですが、元ツイートの藤田さんを否定する意図は一切ありません。
またマネタイズやビジネスとしてYouTubeを捉えて語っていますが、動画を趣味で上げる人を否定するわけでもありません。
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僕がよく見ている士業系の動画は大河内薫さんの「税金チャンネル」です。
大河内さんのYouTubeを見ているときに別の税理士の方のYouTubeチャンネルがリコメンドされることも増えており、たしかに士業系のYouTuberは増えているのかもしれません。
YouTubeでもブログでもTwitterでも同じですが、情報発信のメリットが特に大きいのは「売り出す何か」を持っている人です。
士業であれば「税理士である自分自身」ですね。
僕が好きなレペゼン地球というDJグループ(?)はYouTubeのチャンネル登録者数が200万以上となっていますが、彼らはYouTubeに広告を貼っていません。
YouTubeを集客装置にして、自分たちのライブにファンを集めているのです。
プログラミングをしていて何か調べ物をすると、よくプログラミングスクールのサイトがヒットします。
彼らがプログラミングの解説サイトを作るのは、検索してサイトを訪れた人に「プログラミングスクール」という自社のサービスを宣伝できるからです。
脱毛の仕組みを調べようとすると、脱毛医院のサイトがヒットすることもよくあります。
スキンケアを調べると皮膚科のサイトがヒットすることもあります。
このように自分自身で商品を持っている人は
・広告を貼って儲ける
・自分の商品を売って儲ける
のように、「二刀流で情報発信ができる」という点に大変なメリットがあると考えます。
ページビューやチャンネル登録者数が増えたら広告を貼ってマネタイズもできますし、発信媒体を自社製品の宣伝として使うこともできます。
どの本で読んだのかはちょっと忘れてしまったのですが、ニッチな金物屋をやっている方がいて、自社で取り扱っている金物について「都道府県+金物の使い方」みたいな動画を毎日YouTubeにアップしていたら、YouTube経由での問い合わせが爆発的に増加して、利益が大幅に増えた、みたいな事例がありました。
経営コンサルタントをやっている方ならブログで昨今のビジネス状況を解説していれば、ブログ経由で問い合わせがあるかもしれないですし、プログラマーなどは技術ブログが自分の名刺になることもあります。
自社でハチミツなど食品を取り扱っているのであれば、ハチミツの作り方の動画をYouTubeにアップしたらその動画自体が販促になります。
「パチスロ攻略法」みたいなnoteを商品として持っているのであれば、パチスロの「やってみた動画」にnoteのURLを貼り付ければ新たな顧客流入元にもなります。
士業に限らず、自分で何か商品を持っている人がYouTubeをやるメリットは、
- 顧客流入元の拡大
- 露出がそのまま宣伝になる
- ファンが顧客になりやすい
- 売上の中抜きが少なく、利幅が大きい
などが考えられます。
GoogleアドセンスをブログやYouTubeに貼ることもできますが、自社商品を直接売る場合に比べると、顧客あたりの利益は小さくなってしまうでしょう。
また、アフィリエイトのように他社の商品をおすすめして一件ずつ成約に持ち込むよりも、自社の商品を売って、一度関係ができたお客さんにリピーターになってもらう方が、ビジネスとしては拡大しやすいように感じます。
というわけで、広告型と自社製品の販促の二刀流でYouTubeを使えば、ただ動画に広告を貼って生活費を稼ぐ人に比べて儲けのチャンスは広がるんじゃないか、というざっくりした仮説でした。
士業の方は顔が売れるだけでも仕事が広がりそうですしね。
ただ、
「ライバルが増えるとそう簡単に露出は増やせないやろ」
と言われれば、その通りかと思います。
ツイッターやブログ、自社サイトとYouTubeを組み合わせて発信して、販促につなげるのがいいのでしょう。
YouTubeのオウンドメディア化
自社で保有するメディアのことをオウンドメディアといいます。
2010年は自社でブログを運営して、そのブログ経由で認知を高めたり、販促につなげる事例が多かったように記憶しています。
LIGブログやバズ部が流行ってましたね。
2020年代にブログ型のテキスト文化が衰退するとは思いませんが、旅行や遊園地などのエンタメを提供する業界ではYouTubeをメインのオウンドメディアとして育てていく傾向が強くなっていくのではないかと予想しています。
GoogleはYouTube動画を検索結果の上位に表示する傾向が強くなってきていますし、YouTubeにアーカイブとして残った動画はその会社の宣伝資産となります。
YouTubeと自社サイトをリンクさせることで、双方の検索順位の向上にもつながるでしょう。
「群馬の秘境にある遊園地でジェットコースターに乗ってみた」
みたいなネタ動画を広告のように使い、その動画説明のところに自社サイトへのURLがリンクされている、みたいな例が増えるんじゃないかなぁとボンヤリ考えています。
もちろん「〜してみた」みたいなお笑いだけではなく、旅館の魅力を動画で伝えたり、動物の飼育の様子をYouTubeにアップするような動物園も出てくるのでは......などと考えていたのですが、実際やるとなるとハードルが高そうな気もしますね。
ただ、シャープの公式ツイッターも最初は「異端児」だったわけで、ああいう異端児が当たり前に受け入れられるようになるタイミングが、企業の動画ブームの幕開けになるのかもしれません。
風の噂ですが、企業ツイッターの運用請負ってけっこう儲かるらしいですね。
動画編集者はこれから最もセクシーな副業になる
ここからは荒唐無稽で勝手な未来予測を語ります。
動画を投稿したい人、動画を投稿したい企業が今後増えていくとしたら、
「YouTube動画を面白く作って編集できる人」
の需要は幕末期の蘭学者のように高騰するのではないか、というのが僕の仮説です。
動画をアップしたい人が増えると、今度は動画を編集する人が足りなくなります。
ゴールドラッシュで儲かったのは金を掘りに行った人ではなくツルハシやジーンズを売った人だったように、高い動画編集スキルを持つ人が技術を提供すれば、かなり割の良い副業(あるいは本業)になるのではないかと考えています。
動画アップしたいけど編集は面倒だって人もたくさんいるわけですし、動画を作りたい人が増えれば、需要に対して供給が足りなくなるはずですから。
ちなみにランサーズというクラウドソーシングサイトでは、動画のテロップ付けが8,000円〜30,000円程度で発注されてました。
これからどうなるのでしょうね。
2010年頃に「統計学が世界で一番セクシーな学問だ」と言われたように、2020年代は
「動画編集者が日本で一番セクシーな副業だ」
と言われたりしたら面白いですね。
まぁ、未来予測は往々にして外れるものなので当てにはなりませんが、僕自身は料理アカウントとしてYouTube進出を虎視眈々と企んでいます。