中田敦彦さんには何の恨みもないのですが、私は少し困っています。
はじめに断っておきますが、中田敦彦さんは何ひとつ悪くありません。
ですが中田さん。
あなたの知らない間に街の本屋に異変が起きているのです。
気付いていますか?
最近本屋に中田敦彦さんがたくさんいるってこと。
私の近所にはいくつか本屋があります。
一軒目の本屋をブラブラと歩いてみましょう。
いるんですよ、中田さんが。
『バビロンの大富豪』だけではありません。
『金持ち父さん』も絶賛されています。
金持ち父さん、いいですよね。
僕も読みました。
僕も絶賛しました。
いい本だと思います。
面白いと思います。
以下の2つの記事を読んでもらえれば、『金持ち父さん』の内容はだいたいわかるはずです。
でも、なんていうんでしょう。
中田敦彦さんは全く悪くないのですが、本屋でバーンと
「中田敦彦が絶賛!」
と書かれると、なんか全部「中田さんの後出しになってしまう感」がすごいんです。
マジで中田さんは悪くないんです。
ただ最近の本屋は「中田が絶賛した本だらけ」に見えるくらい、デデーンと本屋の目立つところに中田さんが叫ぶ顔が出ています。
買おうとした本の前に中田さんがいて、なんか逆に買いづらいんです。
中田大学の学生みたいになってしまうからです。
頑張って勉強して、大学に入って、時間をかけて卒業して、最終学歴は「中田大学」みたいな。
人生の意味を考えさせられますね。中田さんは全く悪くないのですが。
近所の別の本屋でも中田さんがいました。
どこの本屋も今は中田がいっぱいです。
人を動かし、そして本屋を動かした中田さんです。
『人を動かす』もたしかにすごく良い本なので、一度読んでほしいです。
中田敦彦さんの権威がすごい
「中田敦彦さんが絶賛した本は売れる」と本屋界隈で定石になっているのでしょう。
中田が推薦していたから間違いない、と。
いわゆる「権威付け」というテクニックです。
「東大生が語る」
「マッキンゼーで学んだ」
「ハーバード大学の学生が熱狂した」
と同じように、「中田が絶賛した事実」が本に信頼を与えているのです。
「中田敦彦」は本屋界隈では既に「知の巨人」みたいな強いブランドになっているのです。
中田敦彦のYouTube大学の学生も学ばなければいけない
中田敦彦さんのブランド力は凄まじい。
東京大学の教授が絶賛するよりも、中田教授が絶賛した本の方が売れます。
でも僕は知っています。
中田さんがすごいペースで動画を上げてるってこと。
人間が深い専門知識を身に付けるためには時間がかかるってこと。
だから、中田さんのように幅広いテーマを扱うと、どうしても「広く浅く」なってしまうってこと。
自分の専門外の話が浅くなってしまうのはホリエモンだろうと落合陽一だろうと同じです。
だから、動画の視聴者もちゃんと勉強しなければいけません。
「中田敦彦のブランド」を信じ切って、「中田が言ってるから正しい」と盲目的に信じるのではなく、自分で情報を集めて考えなければいけません。
中田敦彦さんのYouTube大学の影響の大きさ
ところで本屋を歩いていると、山崎元さんの本を絶賛する中田さんの写真がありました。
山崎元さんの本、僕も昔読んだことあります。
僕のおぼろげな記憶だと、山崎さんは
「買うタイミングは考えなくていい。
余裕資金は全部ETFに突っ込め。
チマチマ時間を分散して買うのではなく、まとめて買え」
みたいな主張をしてたと思います。
ネットで書評ブログを検索すると、記憶違いではなさそうです。
しかし、ドルコスト平均法を含めて「時間分散」を行う投資法は、投資すべき資金が既にあり、最適な投資額が決まっているとすると、時間・手間・コストがそれぞれ余計にかかるのと共に、投資が完了するまでの期間に十分機会を利用できない「機会コスト」もかかるので、「気休めにはなっても、合理的ではない方法」です。
既に運用資金をお持ちの方は、どの道「いいタイミング」など分からない中で平均的に有利だと思うからリスク資産に投資するのですから、ご自分にとっての適正投資額を遠慮なく1回で投資してしまってください。
中田さんが山崎さんの本を紹介してたのって2019/10/18ですよね。
本の帯には「笑えるくらいお金が増える!」と書いてあります。
そのとき山崎さんの(ドルコスト平均法を否定した)やり方で投資した人、笑ってますか?
投資は自己責任です。
書籍の内容を紹介した中田さんには何も悪くありません。
それにコロナショックで相場がこんなめちゃくちゃになるなんて、誰一人として予想できなかったでしょう。
とはいえ、「余裕資金を一括でぶっこめ」みたいな危険思想を全く金融知識がない人に語るのは少々リスクが大きいように思いました。
中田さんに何の責任もないとはいえ、影響力が大きすぎて、一つの講義が大勢の人の人生を左右してしまう可能性があります。
蛇足ではありますが、相場が暴落したタイミングで、ドルコスト平均法で時間を分散しつつ、世界株(あるいは一部は債券)を積み立てていくのが素人にとって安全性の高い投資だと僕は思います。
「中田敦彦が絶賛していたから安心だ!」
「中田が褒めていた本だから間違いない!」
と信じ切ってしまうのではなく、自分でも勉強し直してみることが大切です。
新聞広告にも進出した中田敦彦
日経新聞を読んでいたら、中田敦彦さんを見つけてしまいました。
日経新聞の広告にも「パーフェクトヒューマン中田」です。
この広告を見たとき、「やられた」と思いました。
『Think clearly』は良い本です。
僕も少なからず影響を受けたし、今の自分の行動にもつながっています。
以下の記事で少しだけ『Think clearly』に触れています。
いつかブログでも紹介したいなと思っていたのですが、その前に中田が来たか...!という感じです。
中田敦彦さんが絶賛してしまったら、もう何を書いても「中田の後出し」だからです。
いやマジで中田さんは何も悪くないんですけど、中田さんが紹介してしまうと、
「中田が絶賛したから本を読んで、中田の後追いで一緒になって絶賛しているイタい奴」
みたいになってしまうのではないかと。
そう感じてしまうくらい、「中田の影響力」は大きいんですね。
まぁ、そんな逆恨みみたいなことを言っていると、中田さんが絶賛した本は一冊も読めなくなってしまうので、気にせず読んでいこうと思います。
「中田の一歩先」をいくことを目標に、今年は読書に励んでいきたいです。
中田さんは動画の撮影・編集しながら大量に本を読んでいるわけですから。
Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
- 作者:ロルフ・ドベリ
- 発売日: 2019/04/01
- メディア: ペーパーバック