尾田栄一郎の妻に学ぶ「忙しい夫」の支え方



『ONE PIECE』90巻の読者質問コーナーが面白かった。

質問「先生はエロい質問ばかり答えていますが、奥さんには怒られないのですか?」

この質問はなかなか面白い。


「尾田栄一郎さんは奥さんに怒られないのか」

という点は、僕も昔から気になっていた。


別の質問コーナーでは「ワンピースに登場する女性キャラクターがセクシーすぎて、PTAから苦情が入っている」という小話も披露されている。


奥さんは気にしていないのだろうか?


漫画家の仕事量やばい

尾田栄一郎さんの仕事量は尋常ではない。

『ジャンプ流!DVD付分冊マンガ講座(3)』で自らの仕事量について、

「朝5時に起きて、夜中の2時まで仕事をしている」

と語る。


食事以外は全部仕事で、年中無休。


唯一、物語の節目である「新世界」に突入する前に一ヶ月間の休みを取っていた。

休みの間はハワイで遊びまくっていた、と単行本で嬉しそうに語っていた。


尾田栄一郎さんは日本中に感動を届ける「英雄」である。

他の英雄にも共通していることだが、英雄はほぼ例外なくワーカホリックだ。

次から次へと仕事が舞い込んできて、家に帰る暇がない。

自分の時間のほとんどを仕事に注ぎ込み、世の中に良い作品を届けている。


世の中にインパクトのある仕事を残すならば、相応の情熱と時間を注ぎ込まなければならないことがわかる。



六本木で開かれた「ジャンプ展」では『銀魂』作者の空知英秋さんのコメントが載せられていた。

相変わらずの空知節で長々書かれていたのだが、一言で言うと、

「週間連載は地獄」

だそう。

関連記事:ジャンプ展vol3の感想


ナルトが終了した際、尾田栄一郎さんはナルト作者の岸本斉史さんに向けて、


「連載お疲れ様でした」


というメッセージを隠した扉絵を送り、読者質問コーナーでは、

「週間連載という地獄を抜けて、岸本さんは楽しそうです」

と語っていた。


週間連載が本当にキツイのはどの漫画家も語っていることで、好きなタイミングで休載する冨樫義博先生以外は皆、心身を削りながら連載を続けているのだ。


当然、家に帰る暇はない。


尾田栄一郎さんの場合は家に帰る暇がなさすぎて、「週に一度、奥さんと子供に職場に遊びに来てもらっている」という噂もある。


関連記事:ジャンプ50周年特別号の鳥山明 × 井上雄彦の黄金対談から得るべき教訓

多忙な夫を支える妻

男女平等が叫ばれて久しいが、夫が仕事に打ち込んでいるときに、妻がメンヘラになって

「なんで会ってくれないの!?」

「家に帰ってこないなんてありえない!」

と泣き叫び始めたら、できる仕事もできなくなってしまうだろう。


これは男と女が逆になっても同じで、仕事に夢中になっているパートナーをドンと構えて見守る姿勢がとても大切なように思う。


ワンピース90巻のSBS。


「先生はエロい質問ばかり答えていますが、奥さんには怒られないのですか?」

の答え。

f:id:hideyoshi1537:20181004103116p:plain


「うちの奥さんは何でも笑ってくれるので大丈夫です!」


ああ、この安心感と信頼があるからこそ、創作に集中できるのだなあと感心してしまった。


「何でも笑ってくれるので大丈夫」

と自信を持って紹介できる妻だからこそ、夫は好きなように仕事ができるのだなぁと。


仕事に打ち込んで、良いものを作って、世の中に感動を届けて、そんな夫を妻は笑って見守る。


ちょっとゲスな話をすると、尾田栄一郎さんの年収は推定31億と言われている。

ちゃんと仕事で成果を残して、家にもお金を残して、妻にも(望んでいるかはわからないが)自由な生活を保証する。

奥様が笑って見守れるのも、尾田栄一郎さんがとんでもない仕事をしていることを一番に理解しているからなんじゃないかな。


逆にたいした仕事もしないのに「妻は笑ってくれるから大丈夫!(キリッ)」と言って回るのは仕事人としては格好悪い。

激務の中で家庭と仕事を両立させるには、やはり有無を言わさぬ結果を残すことが大事なのだろう。


関連記事:『ワンピース』作者、尾田栄一郎の仕事術がすごい


ONE PIECE (ジャンプコミックス)

ONE PIECE (ジャンプコミックス)