ひょんなことがきっかけで『ゼロ秒思考』というベストセラー本を書いたおっちゃんのセミナーに参加したことがある。
セミナーでは
「A4のノートに思考を書き出せば頭が良くなる」
「日本はこのままじゃやばい」
「ブロックチェーンが世界を変える」
みたいな話をしながら参加者の危機感を煽っており、主張自体は別にいいのだが、どれも根拠が薄く、この人は「マッキンゼー出身」という錯覚資産によってずいぶんと得している人なんだろうなぁと感じた。
そんな風に、ややがっかりしたセミナーではあったが、話の後半でほんの少しだけ、
「著者がどのように情報収集をしているのか」
という話が出てきて、これが実に役に立った。
「グーグルアラートを活用せよ」
という話である。
僕はこのセミナーでグーグルアラートの話を聞くまで、その便利なサービスを知らなかった。
読者の方も知らなかった人がいるかもしれない。
「ウェブ上の面白い新着コンテンツをチェック」がグーグルアラートのキャッチフレーズである。
キーワードを登録しておけば、そのキーワードに関連するニュースを手持ちのGmailアカウントに届けてくれるのだ。
公式リンク:グーグルアラート
使い方はとても簡単で、テキストボックスに知りたいキーワードを入力するだけ。
僕はこんな感じでブログのネタになりそうなキーワードや興味があるトピックのキーワードを適当に登録している。
そうすると、毎日自分が設定したタイミングでそのトピックに関する最新ニュースを届けてくれる。
メールの中身はこんな感じ。
タイトルを追うだけでもなんとなくトレンドは見えるが、気になったらサイトまでじっくり読むのがいい。
言語も日本語だけでなく、英語やその他の言語を設定できる。
「trend technology」のようなキーワードで、対象言語を「英語」に設定しておけば、海外のテクノロジーの動向も掴みやすくなるかもしれない(僕はさっき閃いて登録してみた)
ニュースの収集はGonosyやSmartnewsなどのキュレーションアプリを活用している人が多いと思う。
しかし、これらのキュレーションアプリは機械学習を使ってユーザーの嗜好を学んでいるとはいえ、「自分が関心がある内容」がピンポイントで送られてくるとは限らない。
タイトルに煽られてついクリックしてしまいがちな「まとめサイト」とか、「はてなブックマークでバズった記事」が多くなりがちで、どうしても「本当に知りたかったニュース」とはズレたものが送られてきてしまう。
もちろん、「自分が意識していなかった内容を目にすることで新たな知見が得られる」という効果は大きいが、僕たちの時間は有限だ。
キーワードを軸にしてピンポイントで情報が送られてくるグーグルアラートには無駄がない。
必要な情報に絞ってニュースを受け取ることができるのである。
トレンドを追う方法はたくさんある。
ヤフートレンドを見てみたり、ツイッターの検索機能も役に立つ。
ただ、それらのトレンド情報は残念ながら、僕たちが個人的に欲しい情報に特化されているわけではない。
現代は次から次へと洪水のように大量の情報が流れてきて、情報の海の中でもがきながら、いくら時間があっても足りないように感じている人も多いのではないだろうか。
あえて「グーグルアラート」という「関心があるもののみに極端に絞った」特殊なキュレーションアプリを使ってみるのもいいと思う。
キーワードはいくらでも増減できるので、気になるワードを片っ端から突っ込んでおけば、大雑把にトレンドを掴むことができる。
興味のある分野や、働いている業界のニュースを登録して、届いたメールを通勤電車で眺めるように習慣づけておけば、同僚やお客さんとの会話に役に立つかもしれない。