外出規制などの影響で企業の業績が急速に悪化しています。
そのせいで、主にアメリカ企業を中心に解雇が相次いでいるようです。
ツイッターに流れる「レイオフ(一時帰休)」の単語はどこか遠い世界の話のように感じていました。
でもこれは遠い国の他人事ではなく、「いま目の前にある危機」なのだと思い直したわけです。
【ご報告】
— Chihiro🇺🇸引きこもり中 in NY (@chichiro_opomri) March 17, 2020
今後の事業の見通しが立たないとのことで社員全員がレイオフされました😭
私!本日!
— リナレア🇺🇸ハワイで働くワーママ(リストラ中) (@linaleahawaii) March 18, 2020
勤務会社よりレイオフされましたー!!
さすが🇺🇸!さくっと切る!🗡
おどろき!!
副収入を用意してなかった私が悪い!
旅行業界を選んだ私が悪い!!
日本は本当に雇用守られてるな😂
一方で、日本企業の場合は「整理解雇の4要件」を満たしていなければ正社員を解雇できません。
- 人員削減の必要性
- 解雇回避努力
- 人員選定の合理性
- 手続の相当性
日本企業では上記の4要件を勘案して、解雇が合理的かつ必要不可欠と証明できないと、「明日からは君はクビだ!グッバイ!」なんてできないわけです。
とはいえ、未曾有の不況が迫ってきている中でいつまでも正社員を守りきれるとは考えにくく、賞与カットに始まり、それから整理解雇に踏み出す日本企業も今後は増えてくることが予想されます。
そんな中で、我々会社員ができることは何でしょうか?
ここ10年は雇用環境が良く、労働者は引く手あまたで売り手市場でした。
団塊世代が引退し、企業も人が足りなかったのですね。
しかし不況になって、商品が売れなければ、会社としても社員を大量に雇用しておく余裕はなくなります。
以前のように「引く手あまたで労働者が調子の乗れた時代」は終わりを告げるでしょう。
不景気の時期には、かつてのイキりサラリーマン時代と全く逆の態度が求められます。
君子が豹変するように、労働者としての態度も臨機応変に変えていきましょう。
成果がシビアに評価されない日本企業では、アウトプットよりも態度や努力が重視される傾向があります。
そこをハックしましょう。
常識的に考えると、
「成果を正しく評価する仕組みを作り、成果に応じて報酬を支払い、成果を出せない労働者を解雇する」
のが合理的にも見えますが、会社の仕組みは急には変わりません。
少なくとも現時点では、「上司の印象」で評価が決まる傾向が強いように見えます。
そんな日本企業の特徴を押さえながら、アフターコロナの時代の不況をサバイブする方法を考えていきましょう。
やることは簡単です。
サラリーマンをディスってたインフルエンサー(笑)の真逆の態度を取ればいいだけです。
こんな記事を書いている自分を軽蔑しながら、でもプライドを捨てて「模範的な良き社畜像」を書き殴っていきます。
記事のテーマは「生きろ」です。
- 会社の飲み会には積極的に参加しましょう
- 誰よりも早く出社して、誰よりも遅くまで残業しましょう
- 上司と喧嘩しないで、先に問題を解決しておく
- コミュニケーションを大切にしましょう
- 資格試験を受けましょう
- 1年分の生活費を用意しましょう
- 固定費をできる限り下げておきましょう
- 無駄遣いと見栄の張り合いをやめましょう
- 資産は分散しておきましょう
- 共働きでリスクヘッジしましょう
- クビにならないように全力を尽くしつつ、いつクビになってもいいように準備する
会社の飲み会には積極的に参加しましょう
景気が良かった時代は「会社の飲み会なんてクソだ」などとよく言われていました。
平和でしたね。
2019年には労働者の不満がピークに達したのか、
「自腹で飲み会代を払って上司の話を聞くのはハードルが高い」
というセリフが話題になりました。
ですが、不景気にこんな態度でいられません。
会社の飲み会には積極的に参加し、我先にとお店の予約に奔走し、ビールのラベルを上にして上司にお酒を注ぎ、つまらない話にも目を輝かせて相槌を入れましょう。
書いていて情けなくなる気もしますが、背に腹は代えられません。
悪く書けば「上司に媚びろ、会社に媚びろ!」という話に見えますが、目上の人の話を興味を持って聞いて、会社の飲み会も楽しみましょう、ということです。
会社の仲間を大切にして、嫌われないようにしましょう。
誰よりも早く出社して、誰よりも遅くまで残業しましょう
会社員はアウトプットも大事ですが、忠誠心も大事です。
プライベートを捨てるつもりで、身を粉にして働きましょう。
特に「個人の成果が見えにくい業務」をしている方は、朝から晩まで一生懸命働いて忠誠心をアピールするのが得策です。
あまりにも無能だと何時間働いても効果がありませんが、同じくらいの実力であれば、文句も言わずに長時間働いてくれる労働者の方が貴重だし、評価されます。
「それ、自分の業務じゃないっすわ」なんて言わず、周りの人の業務にも目を向けて、困っている人がいたら手伝いましょう。
大学時代に読んだ、社会人の基本スキルが紹介されている本にこう書いてありました。
会社を出る前に「私に何か手伝えることはありますか?」と聞きましょう、と。
今こそ、数年ぶりに社会人基礎力を発揮するときです。
ただ実際のところ、仕事をさっさと終わらせると「暇そうな人」と思われ、無駄な仕事が増えるパターンもあります。
忙しそうにしながら周りを手伝う演技力も必要です。
ところで、「仕事の報酬は仕事です」なんてドヤる経営者もいましたね。
そんな経営者に対して、「何言ってんだ!仕事の報酬は金でよこせ!」と、労働者が(当たり前の)反論をしていた時代がありました。
しかし不況の最中では「仕事の報酬は仕事」という無茶苦茶な理屈を受け入れなければいけなくなるかもしれません。
目の前の仕事で精一杯成果を出しましょう。
「仕事の報酬の仕事」を甘んじて受け入れましょう。
自分が高いアウトプットを出すのは当然として、忙しそうにしつつも、周りの仲間の仕事を積極的に手伝う態度を見せましょう。
これらはよく考えると、我々がひねくれてしまう前に、会社員として「やって当然」と言われていたお作法です。
僕はずいぶん前に忘れてましたよ。
上司と喧嘩しないで、先に問題を解決しておく
組織にはアホな上司が必ずいます。
アホに反論したくなることもあるでしょう。
まともな人間は「反論」や「意見」は「悪口」と区別して考えますが、アホは全ての反論を「無礼な反抗」とみなします。
自分に自信がないからです。
そういうのと闘うと、後々面倒なトラブルに巻き込まれがちです。
真っ向から闘うのは避けましょう。
争いの種は先に摘んでおくのが大事です。
会社員生活に慣れてくると、
「誰がどんなアウトプットを求めているのか」
はだいたい予測できるようになります。
「どんな問題が起こり、何をすればいいか」もある程度は見えてきます。
これまで「わかっているけど、面倒くさくて対応しなかった仕事」も積極的に食っていきましょう。
問題・課題は事前に潰して、解決しておきましょう。
模範的な会社員になれそうですね。
無論、こういうのは「言うは易く行うは難し」です。
コミュニケーションを大切にしましょう
同僚やチームメンバーとのコミュニケーションを大切にしましょう。
「おれは副業するからお前らとつるんでる暇はないぜ」
みたいな態度の人は、知らないところで評価を下げられているかもしれません。
副業が軌道に乗っていればいいですが、軌道に乗る前にクビになったら計画が大幅に狂いかねません。
ごく普通に、周りの人がやっている程度のコミュニケーションは取っておきましょう。
ベタベタと毎日飲み歩けというわけではありません。
たまに一緒にランチに行くくらいでいいです。
それくらいのコミュニケーションを嫌がって避けると、「オフで流れてくる情報」が全くこちらに流れてこなくなります。
会社のゴシップネタなんてご飯のおかずにもなりませんが、ゴシップは適当に聞き流して、仕事につながりそうな話は押さえておくようにしましょう。
僕は一人飯が好きでしたが、考えを改めます。
資格試験を受けましょう
資格試験は目に見える実績であり、未だ有用な錯覚資産でもあります。
会社で推奨されている資格試験はガンガン受けていきましょう。
「資格試験を受けて“お勉強”を頑張るよりも、仕事の実績の方が大事」
というのは正論です。
「お勉強している暇があったらビジネスを始めて自分で金を稼げ」
というのも正論です。
でも会社の中には「個人の実績が見えにくい仕事」もあります。
努力が評価につながりにくい業務もあります。
そういうときに、少なくとも社内では「資格試験に合格した人」というのは実績として評価され、希望する仕事が回ってきやすくなります。
たとえばコテコテの日系企業であれば、TOEICでハイスコアを取っておけば海外赴任のチャンスも回ってきやすくなります。
「その分野の専門性があるんだぞ」とアピールするために資格試験を利用しましょう。
ちなみに不況になるとみんなが不安になるのか、資格試験などの自己啓発が流行る印象があります。
その他にも、
- 面倒くさくて人がやりたがらない仕事を積極的にやりましょう
- 誠実で一生懸命な人物のふりをしましょう
みたいな、当たり前のお作法を書こうとしたのですが、長くなったので省略します。
ここまでは「会社での守り」の戦略について語りました。
会社の立場を守ったとしても、不況に抗えずに会社ごと倒れてしまうこともあります。
「いつ会社が無くなってもいいようにするためには、自分のスキルを磨いていつでも転職できる人材になることだ」
とはよく言われますが、不況だと都合の良いタイミングで転職するのは難しくなります。
まずは最も確実な手段で守りを固めましょう。
1年分の生活費を用意しましょう
「あり金は全部使え」
「金を使えば使うほど成長できる」
などと著名人が無責任に散財を薦めていましたが、無視しましょう。
あり金を全部使えるのは潤沢に生きていくキャッシュが日々確保できる強者の特権です。
庶民としては、まずは「1年分の生活費の確保」を目指します。
明日から無収入になっても1年間生きていける分のお金を貯金しましょう。
家賃+光熱費+食費が合計でいくらかかっているかを把握し、12ヶ月分貯めるまで頑張ります。
いざというときに家賃を下げられるように、1年分の生活費に加えて「引っ越し代」もあるといいでしょう。
1年あれば、窮地に追い込まれてもなんとか脱出できます。
2年分確保するのが理想です。
2年経てば時代も変わり、不況も終わっているかもしれません。
「自分が毎月どれくらい使っているのかわからない」
という人は家計簿アプリは必須です。
ポジショントークでも何でもなく、マネーフォワードMEは入れておいた方がいいアプリだと思います。
マネーフォワードなしで節約するのはGoogleMapsを使わずに新宿駅を歩くようなものです。
「自分にどれくらい収入があって、毎月どれくらいお金を使っているのか」を正確に把握していないと、節約は難しいと思います。
僕は5年くらい前からずっと使ってます。
確定申告のデータの整理にもそのまま使えるので、まだ入れていない人はこれを機に使ってみてほしいです。
固定費をできる限り下げておきましょう
急に実行するのは難しいかもしれませんが、不必要に広い部屋に住んでいる人は、もう少し家賃が安い部屋に引っ越しも検討した方がいいでしょう。
次の契約更新のタイミングで家賃を下げてもいいかもしれません。
高い家賃は貯金を食い潰していきます。
家賃を下げて無駄なデートをやめるだけで貯金はめちゃくちゃ増えます。
とにかく不況の時代は我慢して耐えましょう。
その他にも削れる出費は削りましょう。
格安SIMに乗り換えて携帯料金を下げておくのも一つの手です。
UQモバイルは通信状況も大手キャリアと変わらず、料金だけ安くなるので超おすすめです。
下記の記事で切替方法を紹介しているので、興味がある方は読んでみてください。
不要なサブスクリプションも解約しましょう。
僕はエニタイムを解約しました。日経新聞はまだ解約できてません。
あとは細かな出費ですが、僕は自宅の電気を「楽天電気」に切り替えました。
些末な出費ではありますが、電気料金の比較サイトで電気料金を比較してみて、安くなりそうだったら切り替えてもいいかもしれません。
切替自体は簡単です。
無駄遣いと見栄の張り合いをやめましょう
昔は「奢り奢られ」などが話題になりました。
「キラキラ女子」とかいましたね。
深刻な不況に突入すると、他人の金で贅沢する「キラキラ女子」が激減すると思われます。
好景気の時代は品質の低い「キラキラ女子」がのさばっていたかもしれませんが、不況で金の出し手が減ると、低品質のキラキラ女子は淘汰されます。
限られた需要の中で、キラキラ女子の品質が急激に向上するでしょう。
いずれにしても、普通のサラリーマンには関係ない話です。
見栄の張り合いに巻き込まれないようにしましょう。
ツイッターは目に毒なのでできるだけ距離を置いた方がいいと思います。
無闇矢鱈にデートしまくると、お金がいくらあっても足りません。
不景気で大事なのは、我慢です。
まずは自分が生き残ること。
生きるだけの貯金を確保すること。
他人に奢りに行くのは自分の生活を確保してからで十分です。
奢りは余剰資金で。
頑張りましょう。
生き残りましょう。
資産は分散しておきましょう
急激な円安に備え、円以外の通貨も多少は分散して持っておいた方がいいと考えます。
不況時には手元に現金を置いておきたくなるかもしれませんが、余裕資金の一部は外貨で持っておいた方がいいと思います。
万が一のためのリスクヘッジです。
手数料がかかる外貨預金を推奨するわけではなく、FXでギャンブルしろというわけでもなく、通貨の分散はあくまで非常事態への備えです。
共働きでリスクヘッジしましょう
ご結婚されている方は、「共働き」が最強のリスクヘッジになります。
片方が潰れても片方が生き残れば、生活は潰れないからです。
資産を分散するよりも、社内での評価を高めるよりも、無理に節約するよりも、よほど力強い自己防衛策になるでしょう。
「おれは甲斐性のある男になるぜぇ!」と気合いをいれて専業主婦の生活を守っていく男性はカッコいいですが、不況時にはできる限りリスクは分散したほうが安心できるとは思います。
ただし夫婦に大きな所得格差がある場合は「離婚」が婚姻費用負担の地獄になりかねないので、そこには注意が必要です。
- 作者:藤沢 数希
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クビにならないように全力を尽くしつつ、いつクビになってもいいように準備する
好景気の時代は会社が従業員を疑う時代です。
「こいつ、手塩にかけて育ててもすぐに辞めてしまうんじゃないか?」
「条件が良いところがあったらこの会社から去ってしまうんじゃないか?」
と疑って、従業員が去っていかないように福利厚生を充実させたり、キャリアを応援したりしていました。
不景気の時代は従業員が会社を疑う時代になります。
「この会社、社員をカットしようとしてるんじゃないか?」
「有無を言わさぬ配置転換を仕掛けてくるんじゃないか?」
と。
我々会社員は、クビにならないように全力で会社に貢献しつつ、会社を信用しきることなく準備を進めなければいけません。
面従腹背の精神です。
懸命に働きながら副業も進めておくとか、会社で残業しながらも転職活動も忘れずやっておくとか、
「今の会社が無くなっても生きていくための準備」
は日々欠かさずやっておく必要があります。
「俺は会社を信じる」とか「会社と運命を共にする」と言うと、なんだか劇的で、ドラマみたいでカッコいいですが、現実はもっとドライでシビアです。
僕たちは自分が主役の人生を生きていかなければいけませんが、世の中は僕たちが主役を張るためにドラマを作ってくれているわけではありません。
自分の身を自分で守るために、準備を欠かしてはいけないのです。
油断せず、生きるためにできることは何でもやっていきましょう。